続・勝手に再起動→心機一転

 新たな年に心機一転……ということになりそうだ。いや、まあ、このところ頭を痛めていたパソコン不調のことなのだが、どうやら解消しそうな感じがあるのだ。

 酷暑の夏をやり過ごし、二階の書斎にもどったはいいが、どうした具合かパソコン不良に悩まされていた。画面がいきなり真っ暗になって再起動されてしまう現象だが、それについてはすでに配信した。
 なにしろ古い機器だし、ろくに掃除もしていないので、とりあえずは熱暴走を疑い、内部掃除を実行して様子を見た。しかし、数日後には「勝手に再起動」が連発する。
「こんなことじゃ構想中の長編小説、書けるわけないよな」

 そんな言い訳を解消するため、あるWEBページに記載された対策を一つひとつ試すことになる。パソコンの帯電を解消したり、セーフモードでの起動やシステムの復元を試す。さらにWindows Update設定を手動に変更、疑わしいアプリのアンインストールを行ったが、すべて効果なしであった。

 そのほかイベントビュアーを起動させ、原因追求を試してみたりした。イベントID・455エラーが記録されていたが、再起動時との時刻が一致しないところをみると原因ではないのか。ログファイルがないため開けない、とのエラー表示のようなので記載された対処方法どおりにフォルダーを作成したが、まったく効果はない。

 ついには最後の手段、とwindows10そのものを再インストールしたわけだが、依然として不調は解消されなかったのである。となれば搭載されたOSを含めたソフトウェアが原因ではなく、ハードウェアつまりパソコン本体の故障ということになる。

 いよいよPC買い替えかと覚悟した。この機器は、東日本大震災があった年、日々報道される惨状に、物語を書くことへの空しさを募らせたころ、手持ちぶさたに飽き飽きして自作した機器だった。8年間も使えば仕方がないか、とも考えたりしたが、ふと思い出したこともあった。

 それまでに何度も経験した落雷によるPC不調だった。多くは突発停電によるものや過電流によるBIOSの狂いが原因だったのだが、そのため無停電電源装置(UPS)を導入して対策した。
 昨夏も幾度となく落雷停電に見舞われたが、使用していない書斎PCにはUPSを接続していない。そのためBIOS設定に狂いがあらわれたか、と思いついたのだ。

 起動時にDeleteキーを連打してBIOSを呼び出し、DualUEFI BIOS画面のAdvancedをクリック、ついでF7のOptimized Defaultswを指定すれば「現在のメニュー用に最適化されたBIOSの初期設定を読み込みます」とマザーボート(GIGABYTE)のマニュアルに記載がある。指定→yes→Enterとすすめてこれを試したが、これまた効果がなかった。

 のこる手段はCMOSのクリアしかない。PC設定を出荷時設定に戻せば、というのは淡い期待でしかないが、これを試してダメならいよいよ買い替えだ。

 接続された電源やUSBその他のケーブルをすべて外し、PC内部のボタン電地を抜く。これがバックアップ電源になるので、PC背面の主電源スイッチをONにし、PCフロントの電源ボタンを何回か押して放電させる。

 これでCMOSがクリアされるはずだが、念を入れてCLA CMOSの表示を探し、露出した2本のピンにドライバーの先を押し当て、ショートさせると完全だ。
 ちなみにボードメーカーによっては、CMOSクリアのためのジャンパピンが用意されたり、クリアボタンだったりする。マニュアルをよく確かめてほしい。

 CMOSがクリアされたかどうかは、BIOS画面の日付が出荷日時に変わっているかで確かめられる。SystemDataが9年前の「Saturday 01/01/2011」と表示されているので現在日時に変えて作業は終了した。

 これを試したのは年末のことで、半月あまり経過したが、「勝手に再起動」の現象は一度も現れていない。どうやらパソコンの「心機一転」に成功したと考えていいわけで、これをもって「書けない言い訳」も霧散したとみなし、いよいよ書き始めねばならなくなったな、とため息をついているところだ。


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