締めくくりの農作業

 ソラマメ(生食用ファーベ)の植え付けを年最後の農作業としている。数年前に手がけ、いまでは恒例作業になっているが、肝心の作柄はよかったりわるかったりのくり返しで、栽培方法を確立したとは言えない。

 今年の出来もかんばしくなかった。昨年末の植え込みどき、猿の来襲つづきに脅えてしまい、育った苗の冬越しをヤギ小屋内で試したのがよくなかったらしい。陽当たりのある窓ぎわに置き、寒さ除けは万全だったが、逆に苗が育ちすぎた感もあり、3月ごろに定植したものの、いつもより脇芽の発芽が少なく、豆が入る莢(さや)の数も少なかった。ソラマメなどの秋植え植物は、冬の寒さに当たらないと成熟のスイッチが入らないようだ。

 一昨年も苗の冬越しに失敗している。植え付けたのがあまり陽当たりのよくない北側の菜園だったのと、すこし大苗だったのが原因だろう。20株を定植し、収穫までこぎつけたのは6株ほどという惨敗だった。

 なにしろソラマメ苗は、大きく育ちすぎると寒さに弱い。そのため種まき時期の選定に苦労があり、当然ながら育苗期間の気温によっても育ちが左右される。全体的には温暖化の傾向だろうけど、ときおり寒暖の差がはげしい天候になるのが読みづらい。

 そこで今年の苗づくりは2段構えを試してみた。例年のように10月初めに播種をすませたあと、2週間おくれで追加の種を蒔いた。それが発芽したころ、先行苗はすでに7センチほどの大きさだったため、あまり陽に当てず、かつ徒長を防ぐよう水をひかえたりとかなり苦労した。

 それでも20センチ超の大苗になってしまい、いろいろ調べたところ、無事に冬が越せるぎりぎりの大きさであるらしい。後発苗は12センチほどだから、こちらは安心しても良さそうだ。

 いずれにしろ天然氷の産地でのソラマメ栽培だから、寒さ除けはいろいろ考えておかねばならない。ワラを苗の根元に置いて防寒するようで、ワラの代わりにカンナ屑で包んでみたが、はたして効果があるかどうか。

 さらに不織布でトンネルをつくった。霜除け、防寒のためだが、半円の支えを細かに入れたので、少々の積雪にも耐えられるだろう。ちなみに猿は、ソラマメの苗は食べたりしないようだが、イタズラ半分に苗を引き抜いたりする。不織布の端を土に埋めるだけでは心許ないので、マルチ抑えで厳重に止めることにした。

 2段構えの苗だけに24株とかなり多い。大雪で苗が折れたり、シカやイノシシに踏みつぶされずに無事に育てば、収穫豆を洗面器に山盛りしてのソラマメパーティーが開けるだろう。

追加のトピックス

 石垣の蓄熱を利用した石垣ジャガだが、連日の霜にあたってすっかり萎れてしまった。これ以上は無理だろうと掘ってみたが、期待したほどは肥っていない。大きいものでピンポン玉程度だから、栽培とはとても言えない。

 今年の秋ジャガイモは全体的に肥り不足だった。種イモに直接イモが育ってしまうのは初めてのことで、天候ばかりが原因ではなさそう。種イモ・肥料・培土などにも問題があったのかもしれない。