毒キノコを食う・スギタケ

 なんだか禍々しいタイトルになっているけど、ひさしぶりに「スギタケ」を食べた。2年半前に伐採した杉を切り株椅子に仕上げてあるが、ふと見たらキノコが生えている。それがなんと、懐かしい「スギタケ」なのである。

 日光に移住したのは、昭和最後の秋だったが、隣家の和ダンス工房の老職人ケンちゃんから両手にいっぱいの「キノコ」をいただいた。あるいは引っ越しあいさつのお返しだったかもしれない。それまで見たことのない種類の「キノコ」に、あらためて異郷を感じてしまったものだが、それが「スギタケ」だったのだ。

 伐採した杉林に群生するため「スギタケ」と名付けられたらしいが、砂利をまいた林道沿いに多いため、日光地方では「ジャリタケ」と異称し、千葉県では砂礫地によく生えると「スナタケ」と呼ばれている。

「食用で私もよく食べるが、数件の中毒例があるため、有毒キノコに分類される」
 と、あるキノコ専門家が書いてあったのを読んだ記憶がある。あらためて調べてみると、ネット情報のほとんどに「有毒」とあり、消化器系の中毒、アルコールと一緒に食べると悪酔いする、と書いたものもある。

「冷蔵庫に保存したのを食べたらお腹をこわしたことがある」
 とはウチの奥さんの証言だが、私にその記憶はないし、周囲で「食当たり」した話を聞いたことがない。どのような毒によるのかも不明らしいが、
「昔から食べられているきのこですが、人によっては(体調によっては、食べ合わせによっては)お腹をこわす可能性が希にあります」
 と、天然スギタケを販売しているサイトの注意書きにあった。

 ついでながら名前や形、発生場所がよく似た「ヌメリスギタケ」は、美味しいキノコとして知られている。また同じように杉や松の切り株に発生する「スギヒラタケ」は、種類も見た目もまったく違う白いキノコで、以前は美味しいとされてきたが、いまでは「有毒」と分類され、食べないよう農林水産省が告知している。かくもキノコはまぎらわしいので注意が必要だろう。

 ちなみに老職人ケンちゃんから、他人には絶対教えない「シロ」を、和ダンスを注文したお礼に教えてもらい、以来、毎年の楽しみにしていたが、原発事故のセシウム問題から野生キノコの食用を控えてきた。

 そうしたセシウム入りの、毒キノコの疑いがある「スギタケ」だが、自宅産とあれば、「食べないわけにはいかないわね」
 と奥さんが言い出した。やや尻込みぎみの私は「万が一のとき病院まで運転」を理由に、ほんの一口にすることで料理に入った。

 調理はかんたん。土鍋に豆腐を入れ、周囲に汚れを落とした(水では洗わない)スギタケを詰め、少量の醤油をかけまわす。あとはとろ火に10分ほどかければいい。「酒や砂糖などの調味料は一切入れない」のがケンちゃんのレシピだ。

 豆腐とスギタケの水分だけでほどよく煮える。杉のヤニ臭さが少し感じられるが、ナメコに似たヌメリと独特のうま味が豆腐に染みこんで絶品。それから三日目にこの原稿を書いているが、お腹をこわした兆候は、いまのところない。

サツマイモ袋栽培の収穫

 袋栽培のサツマイモを収穫した。つい先日までは、闘病中の山羊「らんまる」の好物なので、ぎりぎり枯れるまでは刈らずにおくつもりだったが、薬石効なく亡くなってしまった。植え付け後150日を過ぎていたし、初霜が降りそうな気配もあるが、なにより残念な気持ちに極まりをつけねばいけないので、きれいさっぱり刈り取ってしまおうと思った。

 もともと袋栽培は、ジャガイモ全滅をもたらした猿ども相手に考え付いたものだ。苗を植えこんだ袋の口元をしばり、たとえ苗を引っこ抜いても太った芋は取り出せないぞ、という猿害対策だったが、なんだか猿相手の「いやがらせ」にも似て面白い実験だった。

 こうして収穫までたどりついたのだから、猿害対策としては成功したのだろう。何度かあらわれた「離れ猿」に、収穫間際の落花生を収奪されてしまったが、すぐ近くのサツマイモは無事だった。
 ただし袋に手を出した気配はない。つまり口元を閉じた効果ではなく、袋そのものを警戒したためだろうと思われる。壊滅的な被害をもたらす「群れ」出現がなかったのが幸いだったのかもしれない。

 イモの出来はまずまずか。使用した土のう袋のうち、黒色・白色に出来栄えの差は見られなかったが、母屋の裏手より、山羊小屋横のほうが断然よかった。ひとえに日当たりの良し悪しによるものだろう。
 ちなみに普通の白い土のう袋は、紫外線劣化がはげしく、持っただけでビリビリと破けてしまった。黒い袋はやや高価だったが、耐候性があるため丈夫で、このぶんなら来年も使用できそうな感じだった。

 購入した苗は短かったので、いわゆる「縦挿し」で植え込んだ。そのためイモは2本程度しか出来なかった。大きな苗の「船底挿し」なら数が多くなるようだが、あまり太らないらしい。
 また横に植えるため口元を閉じにくいし、根が袋に触りやすく、袋を突き破って成長してしまう。その意味でも袋栽培には「縦挿し」がいいようだ。
 さほどの収穫量ではないけど、夫婦二人だけだからこれで十分。

 抜けるような青空。色づきはじめた枯れ葉。あざやかなベニアズマ。そんな秋の三色をたのしんだけど、空き家になった山羊小屋がひどく寂しそうに見えてしかたがない。

ニンニク・スプラウト料理

 先日掲載したニンニクのスプラウト(水耕栽培)を料理してみた。それにしても発芽の速さにはチョットびっくり。水に浸した翌日には、早くも無精ひげみたいな根が出始めて、5日目にはこの大きさまで成長する。
 料理するにはあまり大きくしないほうがよさそうなので、一週間をめどに収穫したほうがいいかもしれない。

 成長スピードは、むろん気温にも影響されると思われる。あるいは品種も関係あるのか、使用したのは中国産の種ニンニクだ。地植えした畑を確かめたところ、手前の福地ホワイト六片の芽生えはまだまだだが、奥に見えている中国産は芽生えが早く、植え付け2週間余りでここまで生え揃っている。

 中国産種ニンニクは、国産に比べて価格が四分の一と格安なのだが、鱗片が小さく、栽培しても大きく育たない。しかもすぐに芽が出てしまって保存しにくい面があったが、スプラウトにすることで無駄なく使えるだろう。

 販売されていた袋には、天ぷらにすると美味と書いてある。まずは試してみることにした。スプラウトはざっと水洗いし、根もそのまま使う。また植え込むさいに薄皮をはいでおくが、残っていると舌触りがよくないので取り除く。

 あとは普通の野菜天ぷらと同じように揚げた。市販の天ぷら粉を使用するなど、かなり手抜きだったが、けっこう美味しく頂けた。ニンニク独特の辛味はまったくない。臭みもほとんど感じられず、ほのかな風味として残っているのが好ましい。

 じつは二度料理したが、一度目は白身魚をイギリス風に揚げたさいの衣(天ぷら粉にベーキングパウダーを加えた)を使用したせいか、ぜんたいにサクサクして、とくに根の部分の食感が面白かった。どうやらこの方法がよいかもしれない。

 馴染みの少ない食品だけに、ネット情報もあまりないのだが、以前栽培していた葉ニンニクを思い出し、同じように「ぬた和え」にしてみた。
 調理法というほどのこともない。鍋に湯をわかして塩を一つまみ加え、スプラウトの葉先をもって根元のほうから入れて茹でる。20秒ほどしたら全体を落として、さらに20秒ほどゆであげ、そのまま冷ます。早く冷まそうと水に浸すと風味が飛んでしまう。

 あとはミソ2、酢1、砂糖1の割合で酢みそをつくり、盛ったスプラウトにかけまわして食した。あっさりした風味は、とてもニンニクとは思えない。根元の茹で具合を少なくして、こりっとした食感を残すのもいいかもしれない。

ニンニクの植え込みとスプラウト

 17歳の山羊が寿命を全うしたので、放牧場の一部を畑に転用した。植わっていたセンチピート芝を坂道アプローチに張芝したことはすでに書いたが、跡地にはニンニクを植え付ける予定なので、きちんとしたPH調整と山羊糞堆肥入れなどの土づくりから始める。

 ニンニクは、PH 6.5から5.5の弱酸性を好む。ふつうは雨などで酸性になりやすいので石灰で調整する、とネット情報のほとんどにそう書いてある。芝が生えていた15年間、むろん一度も石灰を入れていないわけで、さぞかし酸性に傾いていると予想されたが、石灰が多すぎてアルカリになるとかえって厄介なので、数度にわけて散布し、そのつどPH計で測りながら調整するつもりだった。

 バックフォーで深耕し、まず苦土石灰を散布してから耕うん機でならす予定だったが、とりあえずPHを計測してみることにした。これが幸いだったろう。芝の下の土は、どこもPH 7.0の中性を示していた。
 予想外だった。密生した芝生が雨除けになったのだろうか。ともかくネット情報をうのみにして石灰を散布していたら大失敗するところだった。酸性の山羊堆肥と元肥とした化学肥料の散布で、PH 6.0に下がったのでそれでよしとした。
 玉ねぎ用の穴あき黒マルチを張り、国産の福地六片1㎏と、価格が4分の1と格安の中国産1㎏を植え込んだ。

ニンニクのスプラウト
 中国産ニンニクは、植えても大きく育ちそうもない小粒が多くのこった。いつもならしょうゆ漬けなどで処理するほか、芽の出たものは土に植え込んで葉ニンニクなどにしていたが、どこかの直販所だったか、スプラウト(水耕栽培)された芽出しニンニクが売られていたので、ちょっと試してみることにした。

 

120穴のセルトレイを100円ショップ購入のA4トレイにあわせて切り、セルトレイの底が浸るぐらい水を張る。あとは芽が出始めたニンニクを選び、薄皮をむいて差し入れておけばいい。

 三日経ったら、こんなふうに芽を出しているのには、ちょっとおどろいた。ざっと水洗いして、根ごと天ぷらにすると、臭いもなく美味とある。いますこし育ててから試してみるつもりだ。

腰麻痺と「猿害」試し掘り

 9歳の雄ヤギ「らんまる」が腰麻痺(ようマヒ)に感染した。正しくは脳脊髄糸状虫症というらしく、蚊が媒介する糸状虫が脳や脊髄に寄生することによって運動機能障害を発症するが、とくに後足の麻痺を起こすことから腰麻痺と名付けられた。

 ウマ、ヤギ、ヒツジにみられる感染症だが、原因となるセタリア属の糸状虫はウシに寄生し、血液中の子虫が蚊によって吸われ、これらの動物に伝播する。犬のフィラリア症に似た病気のようだが、ウシは宿主となるだけで発症することはないというのは、どういう仕組みなのだろうか。また日本および朝鮮半島だけにみられる伝染症、との記述をみたが、これまたどうしてなのかわからない。

 現在「らんまる」は起立不能に陥っている。すでに駆虫薬を注射してあるので糸状虫は死滅しているはずだが、脊髄神経に損傷がのこっているのだろう。症状自体は死に至るものではないらしいが、完全な治療法はない。
 立てない状態が長くつづくため、肺炎などの感染症にかかりやすく、食欲不振から栄養不良など、徐々に衰弱して死ぬことことが多い。そのため安楽死という処置に至る場合もすくなくない。

 とにかく寝たきりなので、定期的に寝姿を変えてやる。ときどき吊り上げてやるなどして血行阻害を防止しているが、なにしろ体重60キロに近いので、かなり大仰な方法になった。こうしたリハビリをつづけることで「らんまる」の自己治癒力に期待したい。

もうひとつのトピックス
 サツマイモの袋栽培が、そろそろ植え付け後120日を経過する。白と黒の土嚢袋それぞれ120日目に「試し掘り」をしたが、この程度の育ち具合だった。
 形がまるで違う。白黒の袋のせいか、場所の違いか。はたまた購入した苗が違ったのだろうか。
 さらには大きさも足らないが、さすがに無肥料ではこんなものなのかもしれない。いますこし収穫を遅らせて肥らせてみるが、来年はイモ用肥料を与えた方がいいかもしれない。

 懸案だった「猿害対策」は一応の成功をみたことにするが、本格的な「猿来襲」がなかったための幸運な結果だったとも思われる。
 ついでながら袋をひっくり返すだけで収穫できるのは、とても楽だし、クワやスコップなどでイモを傷つけないのもいい。

今年の種採り

 だいぶ秋めいてきて菜園の作物もすっかり様変わりしている。暑いさなかにがんばってくれた夏野菜たちも収穫をすませてしまうと、主役の座を秋ジャガイモやサトイモにゆずるしかない。黒マルチをはがし、畝の苗を引きぬき、枯れたツル棚の片づけると、毎年の例にならって種採り作業ということになる。

 ピクルス・キュウリは、こりこりと締まった果肉が好ましいので、わが家の固定種として毎年栽培している。もっともピクルスはすこし飽きぎみになり、今年はぬか漬けなどにして食している。こんな小さなうちに収穫するけど夫婦二人の食卓にはちょうど良く、真っ盛りには食べきれないほど採れてしまう。

 ツル棚を片付けると、雑草に覆われた黒マルチに大きくなったキュウリがごろりと寝ている。タネ用に一つだけ取り残すのだが、気がつくと雑草にまぎれていた収穫しそこないがあちこちに転がっているのだ。

 よく追熟した実を選び、中の種を取り出して包んだ果肉(ワタ)を水でよく洗う。このワタ部分には発芽抑制物質がふくまれているので、これを指でこそぎ落とすように洗い落とすのが肝心。
 よく洗った種を水に浸し、沈んだ種だけを選んで新聞紙などにひろげて乾燥させる。こんな方法で10年近く自家採種している。

 バターナッツもわが家の固定種だ。ひょうたん型の下のふくらみを割って、スプーンなどでワタごと種をえぐり取り、よく水洗いしてワタを取り除く。ついで水に浸してキュウリ同様、沈んだ種を採種してきたのだが、どうしたことかキュウリとは逆で、カボチャは浮くのが良い種とする情報がある。
 あわてて調べなおしてみると、いや、ちがう。キュウリと同じく、沈んだ種を残し、浮いた種を取り除く、とする情報もあったりするのでちょいと混乱。

 このあたりがネット情報の限界なのだろう。もうすこし調べて民族学でいう重出立証法的に決めてもいいが、いっそ両方とも保存し、来春の種まきを経た結果をみる、というのも面白いかと思った。

 苗を購入したミニトマトが美味しかったので、ついでに採種してみた。熟しすぎたり裂けたりしたトマトを割り、種をスプーンなどですくい取り、よく洗って乾燥させる。ゼラチン状のヌメリが洗いにくい場合は、数日放置して発酵させるとよいらしい。
 ただしこのトマトは、苗で購入しているので、はたして登録品種かどうか不明。もし登録されていたなら、あるいは法律違反となるのかもしれない。

 今年の冬季オリンピックのさい、カーリング選手が食べたイチゴ事件以来、種苗流出に神経をとがらせた農水省は、どうやら自家採種の原則禁止を検討しはじめたらしく、これについてもくわしく調べる必要があるだろう。

 もうひとつ生食ソラマメも自家採種してみたが、発芽に自信がないので市販種を購入してある。袋に登録品種の表示はないようだし、うまく発芽すれば、わが家の固定種として毎年の種採りに加えるつもりだ。
 またズッキーニやコリンキーも栽培したが、両方とも購入したF1種なので採種はしなかった。

坂道のアプローチ

 玄関前の坂道アプローチは、どうしても冬の時期に痛んでしまう。直接の原因は、霜で地盤がゆるんだところに、主屋裏への薪の積み込みや灯油配達のトラックの通路となるからだろう。車幅にあわせてコンクリート舗装してあるけど、往々にして道を外れて路肩を崩してしまうのだ。

 そこで路肩に石を積み、土を運びいれて補修し、ついで道標を立てたのは、舗装通路への誘導のつもりだが、効果のほどはわからない。
 そうした工事をすませたのは、まだまだ寒さがのこる春先のことだが、あとは斜面全体をセンチピートグラス(ムカデ芝)で緑化し、きっちり根張りさせて崩れ防止とする計画だった。

 草丈が25~30センチと低いところから放牧場への導入を決めたセンチピート芝は、評判どおりに雑草抑制と草刈り回数減に効果的だったが、予期しないモグラ忌避効果にはちょっとびっくり。ゴワゴワした硬い根っこなのか、あるいは臭いでもあるのか、とにかく繁茂した部分にモグラの穴や土の盛り上がりを見かけたことがない。

 一方、欠点がないではない。まず初期成育がおそろしく遅いのだ。発芽に時間がかかるうえ、せっかく苗を植えても雑草の陰になってしまうと枯れたりする。そのため生育期には日当たりを確保するため。ひんぱんに雑草刈りをする必要があり、そうした手間暇を3年間ほどもかけて放牧場が完成している。

 そして種が高価なのが最大の欠点だろう。第一、補修したアプローチに種から育てたのでは時間がかかり過ぎるし、ピット苗を利用すれば手早いけれど、さらに高価で手がだせない。そこで挿し芽による苗づくりを試みたが、なにしろ猛暑だったので作業がすすまず、計画どおりの緑化というわけにはいかなかったのだ。

 ところで今年は、放牧場の一部を(17歳の山羊が天寿をまっとうしたため)畑に転用するのだが、はがしたセンチピート芝を移植してしまえばいいかと思いついた。いわゆる張り芝作業と同じだったが、ふつうの芝のように上手にはがせず、すぐにばらついてしまって扱いにくかった。
 挿し芽のさいに述べたようにセンチピート芝はランナー(匍匐茎)で増殖するので、地下茎でつながっていないためだろう。さらには密に生えた根が土を大量にくわえこんでいるためひどく重く、スコップではまるで歯が立たない。バックフォーを使って慎重にはがし取り、土を叩き落としてから運ぶ、というちょっとした重労働になってしまった。

 しかし張り終えてみればわるくはない。このままうまく根付いてくれれば、来年の芽吹きどきにはきちんと緑化されているにちがいない。

おまけのトピックス
 袋栽培している秋ジャガイモがだいぶ成長したので、土寄せと追肥、猿対策の袋閉じの作業を行った。しかし種イモ栽培のほうだけで、挿し芽のほうは成長が捗々しくなく、この調子では収穫までたどりつけないかもしれない。

秋ジャガイモの栽培②

 秋ジャガイモの植え付けは、猿対策用の袋栽培と決めている。この袋栽培についてはサツマイモで先行テストを行い、いまのところ順調に推移している。
 まずはその報告から……。

 ヤギ小屋近くと主屋裏にそれぞれ10数個の土のうを置き、6月初旬に植え付けてみたが、見た目の成長はわるくない。サツマイモは葉ばかりが繁りすぎると「ツルぼけ」となってイモが大きく育たないらしいから、この程度でよいのではないか。

 どちらの土のうも猿が近づきやすい場所だが、まだ荒らされた様子はない。とくに主屋裏は落花生と隣りあわせに植えてあり、1,2度あらわれた「はなれ猿」にほじくり返されて、「ゆで落花生」を楽しみにしていた奥さんがひどく悲しんでいたけど、袋栽培のサツマイモには手を出した気配がない。

 隣家のサツマイモ畑では、猿が掘り起こしたらしい状況が見られる。たぶん同じはなれ猿の犯行だろうし、十分食用に値するイモと見てかじったのだろうが、奇妙な植え方をした袋栽培には手を出し難かったものと思われる。

 そうした状況に心強くして秋ジャガイモを植え付けたが、自立しない土のう袋に土を入れるのが、あんがい面倒だ。災害マニュアルでは土のうづくりは二人一組でと書いてあったり、土のう袋を自立させる「袋スタンド」なども販売されているが、古いペール缶でこんなものを作成してみたところけっこう使える。

 ガソリンスタンドで無料入手したペール缶は、バケツ代わりに重宝しているが、すぐにサビて底に穴が開いたりする。それを利用して底を抜いたものだが、もちろん底を切りやすい樹脂製のバケツでもかまわないだろう。ただしペール缶ほど取っ手がしっかりしていないので、壊れやすいかもしれない。

 秋ジャガは、芽出しをした種イモと、成長した芽を挿してテスト栽培する。10センチほど折り曲げた土のうに土を入れて植えこんだが、ズッキーニを育てた畝の土を利用。酸性土でよいので石灰はなし、元肥もほどこしていない。
 苗の周囲にまいたモミ殻燻炭は、ネキリムシ除けだが効果のほどはわからない。

 イモから分離した苗は、期待したほど成長しておらず、ぶじに育つか心配だが、このまま植え付けてしまう。そして苗高が10センチを超えたころ、土寄せと追肥をほどこす予定だ。そのさい袋の折り曲げをもどして土寄せの余地をつくるわけで、その作業後に、苗の根元部分で袋を閉じてしまう。

 これが袋栽培の主たる目的。たとえ猿どもが苗をひっこ抜いても土の中で育ったイモまでは抜けないし、手を突っこんで掘り出すこともできない。もちろん紐の結びを解く、という能力を猿どもが取得すれば別だけど、それはそれでおもしろい結果だろう。

 とにかく猿どもには、苗を抜いてもイモにはありつけない、と経験させることが第一の眼目。はてさて結果は……。続報をご期待ください。

秋ジャガイモの栽培①

 相変わらず残暑がつづいている。今年は「暑くなるぞ」と予想して、いつも遅れるジャガイモの植え付けを早めたり、窓用エアコンを導入したりと暑さ対策をいろいろ考えた。その予想はドンピシャリだったわけで、ほぼ毎日、エアコン部屋に逃げ込んで「異常な夏」をやり過ごした。
 いまや異常は通常になりつつあるようで、地球温暖化をいよいよ実感する。

 一方、早植えしたジャガイモも順調に成長したが、相次ぐ猿来襲にあえなく全滅。そのリベンジとばかり、かねてからの猿対策のつづきと温暖化を逆手にとっての「秋ジャガイモ」に挑戦することにした。

 日光のような寒冷地では「秋ジャガ栽培」は無理とされていた。平地よりひと月ほども初霜が早く、3ヶ月はかかるジャガイモ栽培はあきらめていたのだが、この温暖化でたぶん初霜も遅くなるなるだろう、と都合よく解釈。「秋ジャガ栽培」にむいた品種「デジマ」をネット入手した。

「秋ジャガ」の種イモは、暑さで種イモが腐りやすいので切らずに一個丸のまま、涼しくなり始めた8月下旬に植え付ける、とのネット情報を受け、それならばと考えたのが、雑誌「現代農業」に紹介されていた「ジャガ芽挿し」栽培法だ。

 本来なら摘み取ってしまうジャガイモの脇芽を利用する栽培法で、種イモ一個から何本もの芽を育てるというユニークな方法。その種イモを涼しい地下室で発芽させれば、早めに植え付けても腐らないだろうし、成長した苗なら暑さに耐えられるのではないか、との思惑から始まったのだ。

 入手した種イモ6個(500㌘)を大きめのポットに入れ、洗い砂と籾殻燻炭を半々に混ぜた用土で植え付けた。軽い土質が根張りに効果があるようで、種イモが腐らないよう用土に水はやらず、湿った程度でよいらしい。
 半地下の作業場は25℃前後に保たれている。ポットを置いたのは8月上旬、およそ2週間で5~6センチほどの長さの芽に成長した。

 種イモから芽の部分をもぎ取る。絡みあった根を切らぬよう、慎重にほぐしながらポットに移植し、たっぷりの水をほどこした。
 種イモには芽を一つ残し、ふたたびポットに植え込んでおき、いますこし芽を成長させてから、通常の種イモ栽培をおこなう。同時に「芽挿し」と「種イモ」栽培のテストができるわけだ。

 ちなみにジャガイモは、25℃以上の気温では成長がとまるようだ。そこで挿し芽用、種イモとも地下室に置き、LED電球による人工照明を試してみた。
 その効果があったかどうか。また2週間後の芽の成長が、早いのか遅いのかもわからないし、あるいは用土の良しあしがあるのかもしれない。ともあれテスト栽培なのでこのままつづける。前述の「ジャガ芽挿し」情報では、いますこし大きい芽のようだが、そこまで待たずに植え付けることにした。

 もちろん、かねてからの猿対策、つまり「袋栽培」を再度試すことになるが、そのくわしい様子は次回に掲載する。また先行している「サツマイモの袋栽培」についての中間報告もあわせてお伝えしよう。

初挑戦「そら豆」

前々から考えてはいたが、何となく手を出し損なっていたのが「そら豆」栽培。秋に種を蒔くというのが素人農業者にはピンと来なかったし、一度も経験がなかった。なにより冬支度で何かとせわしい時期なのでついつい敬遠した。

いろいろ調べてみると、そら豆はきわめて風味が落ちやすく、収穫してすぐ食べるのが一番らしい。そうした採りたて野菜の美味しさは、都会から移住してきた者にとっては、カルチャーショックもので、家庭菜園をはじめる最大のモチベーションになっている。デッキ改造で背丈の高い「そら豆」も栽培可能ではないか、と思ったりしたのも挑戦原因のひとつ。

購入したのは「一寸そら豆」。乾燥してこの大きさだから一寸というのも誇大じゃない。「10月から11月にポットに種を蒔き、本葉4から5枚で本植えして冬越しする」とあり、寒冷地ほど遅蒔きにすること、とも書いてある。つまり苗の育ち過ぎは禁物らしい。

collage_fotor-01 とりあえず10月中旬に種を蒔いた。一週間ほどで発芽し、育ちも順調……と観察しつつも、すこしの育ち過ぎではないか、と思いはじめる。11月に入るころには本葉5枚を超えてしまい、この大きさで-10℃の冬をを越すのは無理かもしれない。

そこで11月7日ごろに残った種と、新たに「生食用のそら豆」も購入して蒔き、芽が出ないので発芽促進に透明キャップをかぶせてみた。簡易育苗箱のつもりだがどうなることか。
育ち過ぎの苗は寒冷紗をかけて12月初めに本植えする。一部はポットのまま透明キャップをかぶせて冬越しさせてみようか。

a13-00 こちらは芽吹いたばかりの電子本。はたして花が咲くの実がなるのか。それでもすこし好評な与一郎シリーズも4作目になり、セカンドシーズンの旗本編に突入した。