薪割り2017

 コロ薪小屋の完成をうけて、今年も薪割りをはじめた。しかし秋に割ったばかりの薪を燃やすことはない。水分が抜け切れていない薪は燃えにくく、無理に燃やしても温度があがらず、煙ばかりが多くて煙突を詰まらせる原因なるからだ。

 わが家では、春先から梅雨前を薪割りの季節とし、1年から2年間ほど乾かしてから燃やすようにしている。しかし今年は、原木入手が梅雨時になってしまい、すこしでも早く割ってしまいたい事情は前に書き触れた。

 使っているのはやたら重い薪割り機だ。車輪付だが、敷地は舗装されていないので役には立たず、バックフォーがなければセットすら出来ない。
 と書いて思いついたが、この薪割り機導入の顛末にふれるのも一興か。

 田舎暮らしをはじめて20年ほどは、手割りで過ごしてきた。薪を割ること自体を楽しんだ時代もあったが、年に6トン近くの薪づくりだから、70歳近くになるとさすがにしんどい。いよいよ薪割り機導入かと考えた。

 油圧式のエンジン薪割り機については、前々から考えていた。しかし、これまで使っていた広葉樹を割るとなると、破砕力20トン級が必要だし、そうした大型機の国産機はなく、多くはアメリカやカナダ製で5~60万円とべらぼうな価格。とても買えやしない。

 そんな気持ちがオークションで見かけた薪割り機に入札させたらしい。たしか5万5千円ほどの最低価格だったから、どうみても冗談半分。しかし、どうしたはずみか落札してしまうのだから、いやもう、びっくり。

 運賃2万円で運ばれてきたのは、重さ350キロ・破砕力270トンの大型機。ただし半製品で自分で組み上げねばならず、その説明書も怪しげな英文で書かれている。そう、中国製だったのである。

 なんとか組み上げ、油圧の作動油やエンジンオイルを別途購入。エンジンをスタートさせると、割り刃は遅いものの動きはスムーズ。早速はじめた割り作業も問題なかったが、ほどなく故障。

 しかもぞくぞく発生。作動油の低圧ホースのひび割れ・シリンダー固定のU字ボルト破損・振動による各所のボルト脱落etc.……。1年目は薪割り作業より修理のほうが時間がかかる始末。それが中国製の現実なのだろうが、なに、かつてのmade in Japanもそうだったのだ。

 以来、曲がりなりにも5年ほども使えているから、元は取れた感じだろうか。なにせ破砕力27トンは強力で、繊維のねじれたケヤキやカシ材もむしりとるように割れてしまう。割り刃の遅い動きにイライラさせられたが、慣れてしまえばさほど気にならず、かえって安全かと思えるようになった。

 かかりが悪かったエンジンだが、停止するとき電気スイッチを使わず、燃料コックを閉めて自然停止させれば、スムースに再起動する。キャブの燃料を空にさせてしまうのがコツのようで、今年の作業はごくごく快調だった。

 やや余談だが、玉切りのさいの切り屑は、「なるべく回収してね」とヤギ担当の奥さんに言われている。ヤギ糞掃除に使うととても具合がよいらしい。

 先週まで話題にしていた寸足らずのコロ薪は、全薪量の10分の1ほどもある。こんな感じに新設されたコロ薪小屋に納まり、やがては火持ちのよい薪として重宝するのだ。

コロ薪小屋再建③

 古いコロ薪小屋は、母屋裏手の斜面にむりやり建てたものだ。ブロックを礎石代わりに置いてみたが、土固めもせず高さも十分ではなかったため、運び入れた薪の重さでブロックが沈み込んでしまった。ジャッキで上げてレンガを差し入れてみたが足らず、バックフォーで引っ張って斜めになったポストを起こしたりした。

 つまり斜面なりに傾斜した床に、まっすぐポストが立っている状態。いわゆる菱形小屋になっていたわけで、それでも10年以上は薪小屋として使えたのだから、まあまあ文句は言えない。

 パレットを利用するのだから斜めにポストを差し込むわけにはいかない。いろいろ考えたすえ、こんなふうな階段式土台ということになった。余ったU字溝を礎石に利用し、パレットの一部を重ねれば何とか水平になる。これでポストは垂直に建てられるわけだ。

 ただし樹脂製のパレットは堅いようでも案外やわらかい。底面に空間が出来たまま重量をかけると、長い間には変形してしまう。そこで底面全体で保持できるよう段差部分に土を運び入れたが、これがけっこう重労働だった。

 U字溝のずれ止めにプラスチック杭を打ち込み、ポスト4本を垂直に建て込んでしまう。むろん段差があるのだから、ポスト長はパレットの厚さ分(15センチ)を考慮するわけだが、4本とも寸法や形状が違う。たとえば斜面下側の2本は15センチ長くするが、片流れの下にあたるポストは勾配分短いことになる。

 また片流れ屋根なので工程はかなり簡単だが、ポストだけだと不安定なので、壁となるラティスをある程度張ってしまってから屋根工事に取りかかった。仮筋交いを打ち、ポストの垂直を確かめながらラティスやザラ板を張ってゆく。

 正面の柵は、材料とするラティスの関係で半分ずつの2枚となったが、あるいはこのほうが使いやすいかもしれない。敷居がわりの2×6材にずれ止めを打ち、上部は針金で止める。蝶番でドァーを取り付けるより丈夫だろう。

 そんなこんなでコロ薪小屋が2棟完成したが、このあとの薪割り作業を考えると、いささかうんざりしてくる。

コロ薪小屋再建②

 4本のポストを梁でつないだあと、4寸の角材で束柱を建てた。屋根勾配を3寸としたのは、昨年のデッキ屋根工事で残った材料なので、それ以上の長さに出来なかったためだが、後述する「棟包み」とたまたま一致した。

 梁と棟木とした2×6材に差し込むためのホゾを彫る。当然、上下の向きを90度変えておき、取り付けたあとはビス留めしておく。

 つづいて垂木を取り付ける。材料はいんご(1寸5分角)を使い、横桟はいんにっさん(1寸2分×1寸3分角)を使った。この二つはさすがに手持ち材がないので、屋根材のポリカ波板とともに新たに購入。

 長いビスを使って脳天止めしたが、不安定なので屋根上には乗れない。脚立や足場を利用するわけだが、45センチ間隔の間に入り込むのに苦労した。近ごろの肥満気味を実感する。
 また部材は塗装をすませてから固定した。とくに足場が必要な場所は前もって塗装するほうがずっと楽で、低い位置なら奥さんにお願いする、というのがセルフビルダーの常套手段だ。

 それにしても使っているインパクトドライバーはいかにも古い。20数年前の母屋建築時に購入したものだが、まだまだ使えている。

 古いと言えば、壁に張ったラティスも旧コロ薪小屋に使っていたものだ。腐りにくいウエスタンレッドシーダー製だが、15年近くも雨に濡れたため、腐食部分を斬り落として再利用した。

 寸法の合わない部分や足らない所には、ヤギ小屋に使ったザラ板(モルタルや左官下地の板。ラス板とも言う)を張る。余り物や古材をフルに使った「古フル建築」とでも名付けようか。

 屋根には長さ6尺のポリカ波板6枚を張った。3枚で1間四方になるので、切り妻の両方に流し、ステンレスの波板ビスで固定した。セルフビスのはずだが、滑ってしまうので下穴をあけたほうが仕事がずっと早かった。
 ちなみに購入したポリカは両面耐候性だった。低価格のポリカには、耐候性能が片面だけというのがあるので要注意。

 切り妻の合わせ部分には、安かった既製の「棟包み」を使用した。内側に木桟を取り付け、かぶせたあと横から傘クギで固定。足らない部分に塩ビ板を使ってこんなふうに取り付けてみたが、はたして正しい使い方なのかはわからない。

 雨漏りしなければ「それでよし」としたが、残る1棟にはちょっとした問題があるのだ。

コロ薪小屋再建①

 とにかく早いところ薪を割らなくちゃならない。ひさしぶりに薪の原木が入手出来たのはいいのだが、まずいことに梅雨時だったのが原因だ。これを断ると何時になるかわからないので運んでもらったが、ご承知のように夏の天候不順で、キノコが生えかかっている。

 その薪割りの前には、コロ薪(薪の端材)を収納する小屋を建て直すつもり……と昨年9月の投稿にも書いてある。母屋裏手の斜面に建てたものだが、土台としたブロックが沈んでポストが腐食し、床も抜けてしまっている。補強ではとても追いつかない状況なのだ。

 新しい小屋は、基礎にパレットを利用する。樹脂製で腐らず、空洞部分があるため湿気対策にも有効だろう。薪の置き場も少ないので、切妻と片流れと屋根型をかえて2棟建てようかと考えた。

 主な材料は、昨年解体した旧デッキで使っていた丸太プランター材。腐食防止の注入材だからまだまだ使え、これを製材してポストや梁に利用する。
 すこし余談だが、新しいチエンソー製材アタッチメントをamazon,comで見かけた。手持ちの製材アタッチメントのようにアルミレールを使用せず、2×6材そのものをガイドにする形式のようで、機構が単純なのは好ましい。低価格だし、案外使えそうな感じだった。

 チェンソー製材したポストは、パレットに差し込むためのホゾを刻む。ちなみにパレットにはさまざまな形があり、ポストを差し込めろようなものを選んでオークション入手したのだ。

 ホゾ加工は、さすがにチェンソーではむずかしい。そこで一度買い損ねたブラックアンドデッカー製の電動レシプロソーを改めて購入した。どちらかといえばアマチュア向きの機器のようだが、その低価格ひかれたわけで、おどろいたことに注文したら翌日午前中に配達されてきた。

 あまり芳しくない製品レビユーだったが、まあまあ使える。例えば「振動がひどく危ない」との評価があったが、チェンソーを使いなれた身にはオモチャのようなもので全然気にならず、丸ノコより安全だろう。

 切れ味は値段相応といったところ。切り始めに振動でずれやすいので、手鋸の要領で切り目を入れてからスイッチONするとよい。また切断中は、手鋸のように前後させて鋸くずを排出させる。そのさい押しているときのほうが切れている感じがする。
「なるほど」洋風のノコギリは押して切るのだった。

 ちなみにパレットの穴に合わせたホゾは、5センチほどの長さしかないが、ずれ止めのためだからこれで十分。
 またパレットは、平らに整地したあと防水シートを敷いたうえに設置してある。すこしでも湿気が上らないようにと考えたわけだ。

 製材と刻みをすませたポストを4本をパレットに差し込み、梁をコーチボルトで取り付けてその日の作業は終了した。

フィトン・チッド

 梅雨明け以降の天候不順に閉口している。気候学的にはオホーツク海高気圧の張り出しが強いため、北方の冷たい空気が流れ込み、太平洋側に雲がひろがりやすくなったということらしい。
 この気圧配置になると、冷たい寒流(親潮)の上を吹き渡ってくる東風が「やませ」と呼ばれ、東北地方に低温と日照不足をもたらして稲の生育に大きく影響し、あるいは1993年のような東北冷害となるかもしれない。

 わが家がある谷間でも湿った東風が流れこみ、8月に入って雨の降らない日がないくらいで、日照時間は平年の20パーセントほどしかない。
「涼しくて過ごしやすい」
 などと喜んでいたのは最初のウチで、そのうち家中がカビ臭くなってきた。

 丸太づくりに漆喰壁のわが家は、かなり調湿機能にすぐれているはずだが、90パーセント近い湿度が一ヶ月以上つづくと、さすがに湿気ってしまう。あちらこちらの掃除に精出していた奥さんは、とうとうサイクロン掃除機を新調したほどだ。

 ふと「ひのき効果」を思い出した。樹木の香り成分に消臭・殺菌、さらには精神安定効果があることはよく知られている。いわゆるフィトン・チッドの効果によるものだが、とくに「ひのき」に多く含まれている。

 例えばえのき茸栽培の瓶に「ひのきのオガクズ」が混入すると、菌が死滅してキノコがまったく生えないらしい。また「ひのきの林」には鳥が食べる虫が生息しにくいためバードウォッチングにむかない。あるいは「ひのきの木片」をいれたビニール袋で食パンや餅を保存すればカビが生えにくいという話もある。

 そこでベッドのすのこ板を「ひのき材」に変えることにした。それまでのすのこ板はホールソーで穴をあけた合板で、いずれ交換を考えていたのだ。
 使用したのは厚さ1寸×幅4寸の間柱材。流通材だけに比較的安く、もちろん節があってもかまわないわけで、寸法に切断して自動盤を通すだけだから、加工というほどのこともない。

 デッキ下の作業場にある2機種は、いずれも母屋建築にも使った古い道具だ。とくに自動盤は、銘木店だった地主さんから貰った中古品だが、それから4半世紀も壊れずに使っている。

 交換後の使用感はすこぶるよろしい。かび臭さは一掃され、寝付きがよくて眠りが深いように思われるのは、まぎれもなく「ひのき効果」なのだろう。
 以来、毎夜の森林浴を楽しんでいるわけだが、年に一度ぐらいは自動盤で削り直せば、薄まった香りも復活するにちがいない、と考えながら、
「それにしてもこのベッド、母屋より古いぞ。そろそろ作り直しかな」
 などと思ったりもしている。

スターターロープ交換

 梅雨明け宣言があったはずだが、なぜか雨降りが多く、夏の盛りとは思えない涼しい日がつづいている。水分たっぷりだけに草の成長がはやいように思われ、仕方がないな、と刈払機をスタートさせた。

 刈払機やチェンソー、さらには薪割り機などのエンジン起動は、多くはリコイルスターターが使われる。ブーリーに巻きつけられたロープを引き、クランクに回転を与えることでエンジンを始動させるものだが、むかしからどうもこれを苦手にしている。

 腕力がないのが大きな原因なのだが、スキュバーダイビングに凝っていた20代前半のころ(なんと!50年前の話だ)、ゴムボート搭載の船外機がどうしても起動せず、プラグを外しては装着し、3時間ほどもスターターロープを引きつづけたことがある。その間に潮にながされ20キロ近くも漂流。
 たまたま陸に向かっての海風だったから助かったものの、逆の風ならはるか太平洋だったわけで、そのトラウマは今でも残っているのだ。

 ともあれエンジンは起動した。が、どうしたことか吹き上げが不調。回転をあげるとブスブスと停止してしまい、2度3度と起動しているうちに、プツンとロープが切れてしまった。
 かれこれ10年は使っている刈払機だからロープ交換も止む無し、とホームセンターに飛んで行き、ロープを購入して交換修理とあいなった。

 プーリーを外したあと、スプリングをほどかぬよう慎重にロープを通し、ストッパー代わりに結び目をつくるが、どうにもいけない。購入したのは3㎜φと一番細い交換ロープだったが、結び目が大きすぎて入りきらず、むろん出っ張ったままではセット出来ない。

 仕方がないのでライターでよくあぶり、繊維を溶かした塊を大きめにつくって溝に納めた。よく考えてみれば古いロープの残骸がなかった。つまり切れたわけではないので、この方法が正しいのかもしれない。

 ロープを通した取っ手がきちんと納まるようロープの長さを調節し、元通りに組み立ててロープ交換は終了。

 クリーナーカバーを開けて不織紙のエアクリーナーを生ガソリン(混合燃料を使って目詰まりさせたことがある)で洗い、スパークプラグを交換する。写真に撮り損ねたが、燃料タンクから針金を使って燃料フィルターを引き出し、同じくガソリンで洗浄する。

 ほとんどの場合、ここまですればエンジンの調子は回復するが、ときには燃料調節スクリューの調整が必要。取扱説明書に記載があるはずだが、スクリューを動かすときには、左右に何回転したかを覚えておくとよい。とにかく始動しやすく、アクセルに応じて回転数があがるように調節するのだが、要はエンジン音の調子でわかるように慣れることが一番だろう。

 ちなみにキャブレター分解は、自信がないのでほとんどしない。燃料の混合比を25:1から50:1(ハスクバーナのチェンソー用を使用)に替えたせいか、キャブやマフラーの汚れは感じなくなった。

 それにしてもこの涼しさはちょっと異常ではないか。気象庁もようやく騒ぎはじめたようだが、宮沢賢治が「オロオロ歩いた夏」とはこのことかと思い当たる。

段差舗装

 母屋の裏手にまわる道は、玄関の下から登り坂になっている。坂道そのものはコンクリート舗装してあるが、下の敷地は砂利敷きなので境目にどうしても段差が生じる。わが家の所有車はいずれも四駆だから問題なく登坂するが、灯油やプロパンの配送トラックなどが引っかかってタイヤを空回りさせてしまい、梅雨時からの軟弱路面のせいもあって段差がますます深くなってしまった。
 何度か砂利を入れたがくり返しなので、なんとかして段差を埋めなくてはならない。

 行きつけのホームセンターで簡易舗装用のアスファルトを購入した。ずっしりと重い20㎏入りだが、量としたらさほどでもない。これで約2000円は安くない値段だし、段差を埋めきれるか心許ないが、とりあえず工事してみることにした。

 まず生えている雑草を処理する。舗装を突き上げて生えてこないよう根っこごと引き抜いたあと、地面をハンマーで叩いておいた。あるいは砂利を入れて転圧すべきかもしれないが、湿った下地でも工事可能と説明書きにある。

 指の先ほどの小砂利にアスファルトと添加剤がまぶしてあり、その添加剤が蒸発するときに固まるらしい。段差をゆるやかな斜面になるよう敷きつめるが、最低でも1センチほどの厚さが必要のようで、そのあたりの加減さえ注意すれば問題はない。

 敷きつめたあとはスコップの背で叩くように締め固める。そのさい1センチほど目減りするので余分に盛るときれいに仕上がる。車のタイヤで転圧するのも効果的、とも書いてあったが、面倒なので靴で踏んづけただけで終了させた。

 すぐに車を通行させても支障はなく、翌日には十分固まっていた。あとはどれほどの耐久性があるかが問題で、たぶん真冬の霜で浮き上がってしまうだろうことは覚悟ずみだ。

ルーターテーブル自作③

 引き出しの側板には3/4インチ幅・深さ7ミリで溝を彫ってある。対する横板に細長い木片をビス留めし、いわゆる引き出しレール代わりとした。レール代わりの細木は、溝のなかでスムーズに動く寸法に加工し、なるべく堅い木(ケヤキ、ナラなど)のほうが滑りがよい。

 ちなみに側板には手持ち材を使ったので色が違ったりしている。白っぽいのはヒノキ、下はたぶんベイマツだろう。
 引き出しのひとつにビットを収納する。13ミリと7ミリの穴をあけた2×4材を入れておけば整理しやすい。

 プラスチック段ボール入りの扉はスライド蝶番で開閉する。じつは取り付ける段になって横板側のスペースが足らないことに気づき、あわてて木をつけ足したりした。
 扉の奥にはルーターが格納され、集じん機で吸い取れなかった切りくずが貯まるようになっており、引き出し部に散乱しないよう、周囲を合板やプラスチック段ボールで囲った。

 フェンスは残ったタモ集成板で組み上げた。ビットが入る穴をあけ、部材をビス止めで組み上げる。手持ちの鉄製のアングル材を利用しているが、とにかく直角に仕上げることが肝心。

 表側にはフェザーボード用のTスロットトラックを取り付けた。さらにフェンス固定のため、天板に短いトラックを2本埋め込み、裏側からTスロットで締め付ける。

 その裏側中央には、ビット穴を覆うケースを作り、切りくずの吸い込み口を取り付けた。吸い込みアタッチメントは、古い掃除機から切り取ったものだからホースとの接続にまったく問題はない。吸い込みテストも上々だった。

 一応の完成まで2週間ほどだった。足下に丸いフットスイッチが見えている。右横板に取り付ける予定だったが、試運転してみると、やはり足で操作した方が安全のように思った。

 また汚れ防止にオイル仕上げにする計画だったが、古い塗装の天板と白木の引き出し部などのコントラストがなかなかいい。あるいはこのまま使用、ということになるかも知れない。

ルーターテーブル自作②

 テーブルトップ(天板)につづいて脚部を作る。タモ材と杉板を組み合わせて横パネルとし、横桟・縦桟を同じくタモ材で作り、引き出しや扉を取り付ける骨組みとした。

 天板と接する上部の横桟は幅広にし、縦・横の接合はホゾではなく、ビスを利用するポケットジョイントを使う。幅広は2か所、その他は1か所止め。もちろん見えない裏側でジョイントする。

 また横桟は2ミリほど薄く仕上げて、縦桟とは小さな段差をつけた。この仕上げを「ちり」呼び、カンナを多用して直線で構成する和風木工の特長であろうか。くらべて段差をつけずヤスリで仕上げれば、どちらかといえば曲線加工にむいていて、いわゆる欧風の木工技術ということになる。

 上の写真のように横桟の下にスペーサーを置いて組み付ければ、「ちり」を同じ寸法に仕上げやすい。

 パネルとした杉板は、どこかでもらった天井板。汚れていたのでオイルステインで黒く染色。裏側にはめ込み用のみぞを彫り、釘止めとした。

 引き出しや扉を取り付ける骨組みも、見えない部分でのビス止めだが、寸法が狂わぬよう注意が必要。面倒だが寸法に切った木片(バカ棒)を用意したり、下穴をあけるようにすれば、狂いや割れがかなり避けられる。

 完成した脚部に天板を乗せ、さらにルーターをセットして、動作などに支障がないことを確かめる。しかし天板を固定するのは、引き出しなどの加工・組み込みを終えた一番最後にする。

 このとき骨組み部の寸法をきっちり測っておく。例えば引き出しの寸法など、一つひとつ違ってしまうこともあり、部材づくりのさい調節することも忘れないようにする。

 引き出しや扉は部材が多く、出来栄えのほとんどは部材づくりが決定する。寸法の正確さとともにキズや汚れを避けた木取りを心掛けたいが、自分が使う道具だからさほど気にしないのが私流だ。
 たとえばナラ板4枚を組み合わせた扉はビスケット接合。はめ込むのはヤギ小屋の窓につかったプラスチック段ボールの残りだし、同じくナラ材を加工した引き出しの前板は、細めのフロア釘で止めるといった具合だ。

 技術追及に熱心な木工愛好家だったら、「折角だから」とUS amazonで一緒に購入したダブテールマシーンを使い、高級感あふれるダブテール接合にするだろう。いやいや、原理主義者はそんな機具は使わない。手鋸とノミだけで仕上げてしまうのかもしれない。

ルーターテーブル自作①

 歴史的円高のころ、気分転換にUS.amazonで買い物をしたことがある。例によって原稿が進まないのが原因だったが、その当時、日本中の物書きが同じような状況に陥っていたにちがいない。ともあれ超円高に悪乗りしてルーターを買ったのだ。

 手持ちの古いルーターは、母屋建築にも使用した8ミリ軸で、中途半端のうえビットの種類も少なく、いずれ買い替えだろうと考えていた。はじめは国産の12ミリ軸が候補だったが、ビットの種類からいえば、断然1/2インチ軸(12.72ミリ)となるわけで、試しにUS.amazonで調べたところ、ひどく安い。しかも1ドル80円弱の円高なのだ。エイヤッとばかりにクリックした。

 購入したのはPorter Cable 890。ルーター本体のほか、ビットセットやルーターテーブル用のインサートプレート、フェザーボード、さらにはダブテールマシーンなどを一括して送ってもらった。航空運賃・税金などに1万円弱がかかったが、国産のルーター本体とほぼ同価格だった記憶がある。

 ぶじ到着したものの、地下室にそのまま放置した。書く意欲がやや復活し、おまけに著作の電子書籍化を始めたという事情もあるのだが、それは別の話で、とにかく5年以上眠ったままのルーターをなんとかしなくてはならない。そこでルーターテーブル作りからはじめることにしたのだ。

 前置きがすっかり長くなった。製作にもかなり日数を要したので、数回に分けての投稿になりそう。相変わらずの図面なし、スケッチをノートに書いて製作をすすめるが、当然、その場での変更があるだろう。

 テーブルトップには、平滑性のよいMDF材が多く使われるようだが、20ミリ以上の厚みが必要。手持ちのタモ集成材を(25ミリ厚。以前テーブルに使っていたものを900×600ミリの大きさにカットして)使い、まずインサートプレートのはめ込み加工を行った。

 プレートの大きさに合わせて合板でテンプレートを作り、ストレートビットで必要な厚さ分を彫りこむ。購入した新ルーターにはテンプレートガイドがないようなので、古い8ミリルーターを使用した。
 ルーターの切削加工には、刃の回転に応じた方向がある。使い方を成熟して慎重に行おう、などと偉そうに書いてみたが、プレートの支え分を計算して、裏から切り落としたところで大失敗……。
 プレートを固定するねじ止め分を残さずに切断している。仕方なく三角片をビス留めする羽目になった。

 フェザーボードを取り付けるTスロットトラックは別途購入。彫り込む幅3/4インチ用のビットは、US.amazonで買ったビットセットに入っていた。そこで新ルーターを初めて使用した。
 英文マニュアルを苦労して読みつつ、切削深さを三度にわけて加工した。

 新ルーターの使い心地はわるくない。パワフルながら始動のなめらかさに感心。とくにルーター上部に突きだすスイッチは、刃先を上にして置けば、自然とOFFになる仕組みがいい。重いルーターを保持しながら片手でスイッチ操作をしなくてすむのは、じつにありがたかった。