丸太のテスト挽き

 本格的な冬が来るまえに、バンドソーのテスト挽きをした。かれこれ二年前、わが家の前の川岸から台風による倒木を引き上げ、薪原木としたことがある。そのうち樹種不明ながら直径40センチ近い玉切りを保管してあるで、これを板に挽いてみた。

 バンドソーCB65Fの最大挽き割りは250㎜しかない。すこし余裕をみて240㎜の高さになるようチエンソーで切断する。
 年輪を数えると50年生ほどのようで、表皮からすると樺系のように思われる。保管中に雨に濡れたこともあるが、切断面にさほどの水染みはなく、木目も案外おとなしい。

 バンドソーに装着したのは、岩崎目立加工所製の幅50ミリの高周波焼入振分刃(焼き入れして左右に振り分けたアサリ刃という意味だろうか)。@2,446円とあんがい格安だが、どれほどの切れ味か興味がある。

 作業テーブルに潤滑スプレーを吹きつけ、丸太を乗せる。これがやたらと重く、作業台が高すぎたのを後悔する。一度には乗せきれず、途中に置いた台まで持ち上げ、気を入れ直してテーブルに設置する。あやうくギックリ腰になるところだった。

 目一杯高くしたセリシャフトぎりぎりなので、怖々とした切断になった。時間を計ったわけではないが、240ミリの挽き割りとして十分満足する。
 柔らかい杉をチェンソー製材するよりずっと楽だし、なによりソーダストの量が格段に少ないのがうれしい。
 半割にしたあと20ミリ厚の板にしてみたが、これもスムーズな切断だった。

 板材をプレーナーにかけてみた。切削の加工性はよく、仕上がりもわるくない。目が詰まり、ややおとなしい木目だが、濡れ肌にしても趣のある色合いになった。オイル仕上げにむいた板材になるだろう。

 それにしても樹種はなんだろう。玉切りしたときの表皮からは樺系と見当をつけてあるが、プレーナー仕上げの肌目は桜に似ている。あるいは水目桜(ミズメサクラ・別名ヨクソミネバリ)ではないか、と思っているがどうだろうか。

献残ポテト

 江戸の町に「献残屋」という職業があった。献上品の残りを仕入れて転売する、読んで字のごとくの商売だが、江戸にあって大坂にはない、と書いた資料があったはずだが、書名はわすれた。

 献上品と言いながら、そのじつ幕府の役職や大名家への付届け品であろう。ときには小判を忍ばせた賄賂の残りだった可能性もあるわけで、昆布や鰹節などの日持ちのする乾物などが多かったらしい。

 献上も付届けも(フリーランスが長かったから、その機会も必要も少なかったけど)田舎に移住してからはまったく意識したことがない。そんな必要もないと思っていたが、すこし考えが変わった。

 近隣の農家が猿やいのししなどの獣害に困っているのは知っていたが、菜園をするようになると直接な被害として感じる。なるべく獣害の出ないような作物を作るようにしているが、そうもいかなくて今年もジャガイモ畑を荒らされ、悔し紛れの「猿来襲」をブログで報告した。

 惨状のわりにまあまあの収穫……に気を取り直したわけだが、考えてみればかれらは土地の先住者なのだ。全滅となると困るけれど、多少の献上は仕方がないのかもしれない。
 ワインを樽で貯蔵するさいの蒸発分を「天使の取り分」と言ったりするが、先住者にいささかの敬意を表するなら「野生の取り分」があってもいいような気分になっているのだ。

 そうした事情の「献残ポテト」、けっこう楽しく食した。以下はその報告。

①ご存知ポテトサラダ。メークインだったのでクリーミーな味。
②ハッシュドポテト。細切りにして片栗粉大さじ1を混ぜ、電子レンジにかけてからオリーブオイルで焼いた。
③照り焼き風ポテト。サイコロに切って揚げ焼きし、酒、みりん、しょうゆで味をつける。マヨネーズを加えると一気にジャンク風味。
④ハッセルバックポテト。切り離さないように切れ目を入れ、バター・チーズをはさんでオーブンで40分焼いた。スタイリッシュだが味はいまひとつ。
⑤定番の肉じゃが。
⑥何度もつくる鶏肉ポトフ

 一番の好みはジャーマンポテト。
 薄切りポテトは電子レンジでやわらかくし、自家製ニンニク・自家製ベーコンとお隣に頂戴した玉ねぎのみじん切りをよく炒め、投入したポテトに焦げ目がつくほど焼きあげ、仕上げにデッキ産のパセリを散らした。

 その味よりなにより、買ったものが一つもないのが気に入っているのだ。

冬支度の農作業

 季節外れの台風が足早に通り過ぎ、吹き返しがそのまま木枯らし1号になった。初霜は例年ならいますこし先のはずだが、翌朝3℃の予報にあわてて里芋の収穫をすませてしまった。

 昨年は収穫した半分ほどを畑に埋めてみたが、それほど好結果は得られなかった。すこし浅すぎたため雨水が入ったか湿気による腐りがかなり発生し、年を越して種芋に出来たのは、乾燥しやすい地下室保存とほとんど変わりがなかった。

 ちなみに里芋は猿の被害を受けない。かゆみをともなうヌルミ成分を嫌うとされているが、イノシシは無関係らしい。500メートルほど離れた隣集落では、畑に埋めた種芋をごっそり掘り返されたと聞く。そこで今年はすべて地下室保存とした。

 腕ほどもある茎を切り落としたあと、芋を傷つけぬよう掘り起こし、その株に泥をなすりつけ、泥団子状態にしてから土嚢袋に収納する。作業場になっている地下室の一番奥に積み上げたが、乾燥防止と保温のためプチプチで覆ってみるか、と思っているけど、かえって腐りの原因になりそうな気もしている。

 ニンニクの植え付けは、ひと月ほど前にすませてある。今年は畝にヤギ糞堆肥を入れ、さらに稲わらを燃やした。言ってみれば焼き畑もどきだが、効果があるかどうかはわからない。
 芽吹きは順調で、今月の末あたりに追肥を行なう予定だ。

 昨年、はじめて挑戦したソラマメは、生食用がすこぶる気に入った。10月中旬に種まきしたが、発芽からの生長が順調すぎる。台風がつづけて発生するなど高温がつづいたためだろうけど、あまり生長すると冬越しに失敗するとのネット情報もあり、いささか心配している。

 今年のニューカマーは芽キャベツ。種まきは間に合わなかったので苗を購入したが、すこし生長が遅れているようだ。11月には茎の太さ3センチほどになるらしいが、まだ1センチほどにしかなっていない。肥料食いのようだから追肥をしてみたが、はたして間に合うかどうか。

 来春1月ごろが収穫目標。里芋のホワイトシチューに芽キャベツの彩り……がはたして実現するかは、これまた結果をみてのお楽しみだ。

いまさらのバンドソー③

 中古入手したバンドソーCB65Fには、ご多分にもれず取扱説明書が付いておらず、そのためいろいろ探し回ることになった。
 それにしても取扱説明書はおよそ冷遇されている。ろくに読まれず、そのまま捨てられたり忘れられたりするのは、かつて広告物制作にたずさわり、取説やマニュアルづくりの経験があるだけに悲しい。

 世間では「マニュアル人間になるな」などと言ったりする。マニュアルに書かれた決まったことしか出来ず、予想外の事態に対処できないような人間では困る。自分で判断しろ、ということであるらしい。むろんマニュアルは無視してもよいとの意味ではない。
 そもそもマニュアルには、一番大切な事柄を書いてあるもので、それ以外の事態や対策をすべて書くのは不可能ごとだ。つまり予想外とされる事態の多くは、マニュアルに記載された絶対守るべき事項をおろそかにした結果であって、「マニュアル人間」からの脱却は、マニュアルを完全に理解してからの話だろうし、そのためマニュアルはいつも手許に置いておくのがいいと思う。

 CB65Fの取扱説明書は「木工屋 hiuma」さんから譲っていただいた。ネット上を探しまくり、厚かましくもコピーをお願いしたところ、こころよく送ってくださったのだ。まことに深謝……。

 まずは一読する。その結果10ページ下段にある「オビノコの刃幅1.25㎜」は「12.5㎜」の間違い……などとつい校正してしまうのに苦笑する。
「ガイドの使い方」にある図解によれば、ガイドの先端は、のこ刃より先には出ていない。加えて切断材とはがき一枚のすき間をもたせ、ガイド末端を1㎜ほど傾けるのが挽き曲りを防ぐコツらしい。

 また標準装備された「挽材案内装置」は、挽き曲りを防止するため木材を押しつける働きがあるようで、その量は5~10㎜が適当と書かれている。この数字はどうやら押しつけるスプリングの曲り量らしいが、それでいて「はがき一枚」のすき間、というのはどうした意味だろうか。

 自作した平行ガイドには、のこ刃の先まである長めの板を設けてある。これがどう影響するかは、むろん取説には書かれていないが、あくまで「挽き曲りを防ぐコツ」であって安全性には問題はないらしい。だからこそ市販されている多くの平行ガイドも長いのだろうと判断した。

 のこ刃は「岩崎目立加工所」に3種類注文した。のこ幅10㎜・16㎜(各1102円)・50㎜(2424円)+送料・消費税とかなりの格安。いろいろ試そうととりあえずの購入だったが、注文後の連絡・届いた品物の丁寧な梱包ぶりはとても好感が持てた。

 まずは幅50㎜刃を取付けてみた。0.8㎜とやや厚みがあるのこ刃だけに、弾力が強くて取り扱いに苦労した。鋭い刃先で指を傷つけぬよう皮手袋を使い、純正のこ刃65㎜と同様、のこ車から刃先がすこし出るように調整した。これは刃に設けられたアサリ(抵抗を少なくするため刃を一枚ずつ左右にひろげてある)がのこ車でつぶされるのを防止するためらしいから、50㎜幅ながら純正65㎜と同じよう処置することにした。

 また取説には、のこ刃のぶれ止めとなるセリは、65㎜幅とそれ以外の細刃では反対に取付けると記載されている。購入機には6㎜の細刃が装着されていたため、セリも反対になっていた。切削テストのあとに気がついて二股側につけ直したが、取説がなければ気がつかなかったかもしれない。

 切削は杉材でテストした。モーターの駆動音はかなり大きいが、チェンソーのエンジン音ほどではなく、のこ刃も下にむかって走るだけなので、回転するチェンソーやテーブルソーのようなキックバックは起こらない。そうした安全性がバンドソー購入の大きな理由なのだ。

 切削速度は思っていたより速い。切削面の仕上がりは他機種を知らないので比較は出来ないが、チェンソーを使い慣れた身には十分満足できる。全刃チップ付(6439円)も用意されているので、堅い材で支障があるようならぜひ試してみたい。
 心配したドリフトはわずかに起こるようだが、テスト切削では紙一枚はさむ程度で解消でき、自動鉋で仕上げるのだからまったく問題はない。

 とりあえず薪材の丸太を板に挽いてみるつもりだが、本格使用がいつになるかはわからない。冬ごもりの季節は小説書きと決めているのだ。

いまさらのバンドソー②

 腕力(うでじから)にはまったく自信がない。持つのは箸とペン……などと言うつもりはさらさらないけど、3×6合板一枚運ぶのがやっとなので、そんな男がログハウスを造ったと言ってもなかなか信じてもらえないのだ。

 という話はともあれ、入手したバンドソー日立CB65Fは73㎏もの重量がある。とてもじゃないが持ち上げられない。もちろんバックフォーはデッキ下には入れず、アームも届かない。
 完成した台座を前にしてしばし考えることになる。

 薪割り機移動のためのハンドウィンチや滑車があるが、吊り揚げるとなるとやはりチェーンブロックだろう、と近所の自動車修理所から借りてきたが、吊り下げる場所がない。デッキを支える丸太にフックをねじ込んだが、やや場所がちがう上、はたして70㎏の吊り揚げにフックが耐えられるか不安がある。

 そこで「建て起こし」を考えついた。丸太の柱などの全体をつり上げるより、上部先端を引き起こして立ち上げる方法のほうが(どのくらい減るかは知らないけれど)少ない力で作業できる。この方法ならねじ込みフック+滑車+ハンドウインチで行けそうだった。

 まずバンドソーを横に倒し、完成した台座を取り付けてしまう。バンドソー側に用意された取付け穴は12㎜だが、10㎜のボルト4本を使用する。これなら台座側が多少狂っても取付けられる。
 スプリングワッシャをかませてしっかり固定したあと、スリングベルトを巻き付けてゆっくり引き起こし、45度ぐらいになったところで肩を入れて直立させた。
「案ずるより産むが易し」……あんがい簡単な作業だった。

 さび付きを処理したあと平行ガイドを造ることにした。CB65Fの作業テーブルは、鉄板をプレスして作られている。そのためきっちり直角になっていないので、おそらく既製のリップフェンスが使えないだろうし、そもそも「買うより造る」がモットーなのだ。

 そこで古い丸のこスタンドに付いていた鋳鉄製の平行ガイドに目をつけた。同じようなプレス鉄板用だからと試してみたが、バンドソーの折り下げ部のほうが3㎜ほど長い。つまり取付け穴を長穴に改造する必要があり、チェンソーの目立てヤスリがちょうどよかった。

 フェンスになるナラ集成材に穴加工を施し、六角ボルトを通してナットではなくノブで締め付けた。ホームセンターで売られていたプラスチック製ノブの利用は、たぶんドリフトの調整が必要になるだろうから、そのさいスペーサーをはさみ込むのに便利だろうと考えたのだ。

 とりあえず完成させた形状は、およそはネットで検索した平行フェンスに準じていて問題ないはずだ。ところが「ひょっとして違うのか」という懸念が浮上した。

いまさらのバンドソー①

「午後に届くらしいわ、家財便」
 電話を受けた奥さんが不審そうな顔でつづけた。
「バンドソーってなあに、オークションでまた買ったの?」
「ああ、木工機械……。板に挽くもの」
「この前はチェンソーで切っていたじゃないの」
「細かに切るのは無理だからね」
「ふーん、板ならいっぱいあるじゃない。第一、何を造るのよ」
「…………」
 すぐには答えられない。必要な家具はあらかた揃ってしまい、いまさらバンドソーを入手しても造るものがない。

 運ばれてきたのは日立バンドソーCB65Fの中古格安品。コンパクトな形状ながら挽き割り250㎜の性能があるのが気に入ったが、なにせ70㎏を超える重さがある。積んできたトラックは低床タイプで県道から入れず、係員二人がかりで坂道を運んでくれた。

 設置したのは、物置状態だったのを前もって片付けてあるデッキ下。運びこみやすいよう柵は取り外しタイプにし、地面には軽トラ用のゴムマットを敷いて湿気除けとした。

 さっそく動作点検をする。6㎜の細いブレードが付いていたが、平行フェンスや取扱説明書は付属していない。モーターの動きに異常はなかったが、ブレードの横ぶれ止め(セリと呼ぶらしい)を上下させる軸およびブレード背後のベアリング軸が固着し、セリ自体もブレードにこすられて損傷していた。
 とりあえず潤滑油をスプレーしてみたが、さび付きはとれない。しばらく放置して台座を造ることにした。

 どのくらいの台座が作業しやすいかわからない。本体の作業テーブルは高さ35センチほどで、あまりに低くすぎるだろう。調べたネット情報では胸の高さが多いようだから、とりあえず65センチ高の台座を造ることにした。

 材料はありあわせの45×90㎜のスギ材。ルーターで溝を掘ったのは、強度補強に12㎜の針葉樹合板をはめ込むため。汚れていたのでオイルステインで黒く染め、表面から止めたクギも黒マジックでごまかした。
 いつものようにポケットジョイントで組上げ、中に棚を造るだけにするつもりだったが、勢いづいて扉も製作する。あいにく1寸厚の板しかなかったのでやや無骨な扉になってしまう。こうしたときバンドソーがあればすぐさま挽き割りできるわけだ。

 仕上げの塗装もないので簡単に完成したが、70㎏をどうやって持ち上げるかが問題だった。

ソファ改造

 10月になって本格的に薪ストーブを焚くようになると、ストーブ前に置いたソファがとても近しく思えてくる。なにやら食べながらグダグタと過ごす時間が多くなるからだが……、
「やはり邪魔だな。いっそとっ払うか」
 と前々から考えていたことがある。

 ソファと言っても出来合いの座椅子を利用し、自作した木枠にセットしたものだ。母屋を建ちあげたすぐあと作ったはずで、ナラ材をホゾで組みあげ、やや幅広の手すりはアルダー材を使った。

 ストーブ前には二人用と一人用を並べ、曲りケヤキの一枚板のテーブルとほどよいセットになっている。5,6年ほど前、座面がへたったのでポケットコイル座椅子と交換しているが、かれこれ20年ほども親しんでいたわけだ。

 しかし邪魔なのだ。間にある手すりは、コーヒーカップを置いたりするのに便利だが、寝っ転がるときに足がのばせないのである。

 そこでデッキに引っ張りだしての改造ということになったが、さしたる加工ではない。
① アルダー材の手すりをクランプを押し広げるようにセットして取り外す。
② ナラ材の柱を切断する。
③ 改造した手すりを取り付け直す。本来ならホゾを作り直すべきだが、見えない裏側からのビス止めとした。
④ 一人用も同じ作業で改造する。

 そんなこんなの2時間の作業で完成。しかしかなり古いのでやがては作り直しになるだろう。

「これでいいわ。今度の買い物でポテトチップス買わなくちゃね」
 とは、試しに寝っ転がった奥さんがのセリフ……。

ソーチェン交換

 薪づくり作業をすませたのでチェンソーの手入れをした。恒例になっている年に一度のメンテナンスだが、作業中に何度も目立てをしたさい「そろそろか」と気づいていたソーチェンの交換もしておいた。

 チェンソーはいつの間にか3台にもなってしまった。いずれもハスクバーナー製で246,346XPG、372XPGだが、新品で購入したのは、一番大きな372XPGだけ。もっともこれも米国の友人に購入してもらったもので、日本で買うより半値ぐらいで手に入れている。しかし、米国仕様のため部品入手にいくぶん手間がかかるのが難点だ。

 あとの2台は、女流ビルダーを目ざしてカナダまで行ったものの、あえなく挫折。その後始末にゆずってもらったといういわく付だが、機械そのものになんら問題はない。かれこれ8年ほども使っている。

 よく使うのは、やはり一番軽量の246だろうか。どちらかと言えば入門機に相当する機種だが、46ccエンジンに15インチバーの組み合わせはなかなかに使える。40センチ超のケヤキ材も問題なく処理できるほどで、今年の薪づくりは246だけですませてしまった。

 ちなみに346XPGは50.1cc・18インチ、372XPGは70.7cc・24インチ。名称にXPが付いているのはプロ仕様のようで、Gはグリップを暖かくするヒートハンドル機能。
 また346は排気デコンプ(シリンダー内の圧力を逃がす装置)がない割りに始動が軽い。スマートスタートという容易にエンジン始動を行える機能があるためらしい。

 ともあれチェンソーの切れ味は、一にも二にも刃の目立てによる。薪づくりのように堅い広葉樹を切断する場合、燃料を入れる度に行なうようにしているし、やわらかいスギであっても縦挽きでは負担がかかるため、おなじような頻度で目立てしている。

 写真のように刃が三角になるほどに摩耗したら交換どきだろう。新しい刃には、交換の目安として筋が入っている。今回は3年ぶりぐらいの交換か。

 あとは各所をエアーで吹き飛ばして掃除し、ガイドバーのミゾ掃除やグリス補給。つづいて燃料フィルターやエアフィルターを生ガソリンで洗うなどの手入れをしたが、キャブの分解は自信がないので手を出さないことにしている。

薪割り2017

 コロ薪小屋の完成をうけて、今年も薪割りをはじめた。しかし秋に割ったばかりの薪をすぐ燃やすことはない。水分が抜け切れていない薪は燃えにくく、無理に燃やしても温度があがらず、煙ばかりが多くて煙突を詰まらせる原因なるからだ。

 わが家では、春先から梅雨前を薪割りの季節とし、1年から2年間ほど乾かしてから燃やすようにしている。しかし今年は、原木入手が梅雨時になってしまい、すこしでも早く割ってしまいたい事情は前に書き触れた。

 使っているのはやたら重い薪割り機だ。車輪付だが、敷地は舗装されていないので役には立たず、バックフォーがなければセットすら出来ない。
 と書いて思いついたが、この薪割り機導入の顛末にふれるのも一興か。

 田舎暮らしをはじめて20年ほどは、手割りで過ごしてきた。薪を割ること自体を楽しんだ時代もあったが、年に6トン近くの薪づくりだから、70歳近くになるとさすがにしんどい。いよいよ薪割り機導入かと考えた。

 油圧式のエンジン薪割り機については、前々から考えていた。しかし、これまで使っていた広葉樹を割るとなると、破砕力20トン級が必要だし、そうした大型機の国産機はなく、多くはアメリカやカナダ製で5~60万円とべらぼうな価格。とても買えやしない。

 そんな気持ちがオークションで見かけた薪割り機に入札させたらしい。たしか5万5千円ほどの最低価格だったから、どうみても冗談半分。しかし、どうしたはずみか落札してしまうのだから、いやもう、びっくり。

 運賃2万円で運ばれてきたのは、重さ350キロ・破砕力270トンの大型機。ただし半製品で自分で組み上げねばならず、その説明書も怪しげな英文で書かれている。そう、中国製だったのである。

 なんとか組み上げ、油圧の作動油やエンジンオイルを別途購入。エンジンをスタートさせると、割り刃は遅いものの動きはスムーズ。早速はじめた割り作業も問題なかったが、ほどなく故障。

 しかもぞくぞく発生。作動油の低圧ホースのひび割れ・シリンダー固定のU字ボルト破損・振動による各所のボルト脱落etc.……。1年目は薪割り作業より修理のほうが時間がかかる始末。それが中国製の現実なのだろうが、なに、かつてのmade in Japanもそうだったのだ。

 以来、曲がりなりにも5年ほども使えているから、元は取れた感じだろうか。なにせ破砕力27トンは強力で、繊維のねじれたケヤキやカシ材もむしりとるように割れてしまう。割り刃の遅い動きにイライラさせられたが、慣れてしまえばさほど気にならず、かえって安全かと思えるようになった。

 かかりが悪かったエンジンだが、停止するとき電気スイッチを使わず、燃料コックを閉めて自然停止させれば、スムースに再起動する。キャブの燃料を空にさせてしまうのがコツのようで、今年の作業はごくごく快調だった。

 やや余談だが、玉切りのさいの切り屑は、「なるべく回収してね」とヤギ担当の奥さんに言われている。ヤギ糞掃除に使うととても具合がよいらしい。

 先週まで話題にしていた寸足らずのコロ薪は、全薪量の10分の1ほどもある。こんな感じに新設されたコロ薪小屋に納まり、やがては火持ちのよい薪として重宝するのだ。

コロ薪小屋再建③

 古いコロ薪小屋は、母屋裏手の斜面にむりやり建てたものだ。ブロックを礎石代わりに置いてみたが、土固めもせず高さも十分ではなかったため、運び入れた薪の重さでブロックが沈み込んでしまった。ジャッキで上げてレンガを差し入れてみたが足らず、バックフォーで引っ張って斜めになったポストを起こしたりした。

 つまり斜面なりに傾斜した床に、まっすぐポストが立っている状態。いわゆる菱形小屋になっていたわけで、それでも10年以上は薪小屋として使えたのだから、まあまあ文句は言えない。

 パレットを利用するのだから斜めにポストを差し込むわけにはいかない。いろいろ考えたすえ、こんなふうな階段式土台ということになった。余ったU字溝を礎石に利用し、パレットの一部を重ねれば何とか水平になる。これでポストは垂直に建てられるわけだ。

 ただし樹脂製のパレットは堅いようでも案外やわらかい。底面に空間が出来たまま重量をかけると、長い間には変形してしまう。そこで底面全体で保持できるよう段差部分に土を運び入れたが、これがけっこう重労働だった。

 U字溝のずれ止めにプラスチック杭を打ち込み、ポスト4本を垂直に建て込んでしまう。むろん段差があるのだから、ポスト長はパレットの厚さ分(15センチ)を考慮するわけだが、4本とも寸法や形状が違う。たとえば斜面下側の2本は15センチ長くするが、片流れの下にあたるポストは勾配分短いことになる。

 また片流れ屋根なので工程はかなり簡単だが、ポストだけだと不安定なので、壁となるラティスをある程度張ってしまってから屋根工事に取りかかった。仮筋交いを打ち、ポストの垂直を確かめながらラティスやザラ板を張ってゆく。

 正面の柵は、材料とするラティスの関係で半分ずつの2枚となったが、あるいはこのほうが使いやすいかもしれない。敷居がわりの2×6材にずれ止めを打ち、上部は針金で止める。蝶番でドァーを取り付けるより丈夫だろう。

 そんなこんなでコロ薪小屋が2棟完成したが、このあとの薪割り作業を考えると、いささかうんざりしてくる。