坂道のアプローチ

 玄関前の坂道アプローチは、どうしても冬の時期に痛んでしまう。直接の原因は、霜で地盤がゆるんだところに、主屋裏への薪の積み込みや灯油配達のトラックの通路となるからだろう。車幅にあわせてコンクリート舗装してあるけど、往々にして道を外れて路肩を崩してしまうのだ。

 そこで路肩に石を積み、土を運びいれて補修し、ついで道標を立てたのは、舗装通路への誘導のつもりだが、効果のほどはわからない。
 そうした工事をすませたのは、まだまだ寒さがのこる春先のことだが、あとは斜面全体をセンチピートグラス(ムカデ芝)で緑化し、きっちり根張りさせて崩れ防止とする計画だった。

 草丈が25~30センチと低いところから放牧場への導入を決めたセンチピート芝は、評判どおりに雑草抑制と草刈り回数減に効果的だったが、予期しないモグラ忌避効果にはちょっとびっくり。ゴワゴワした硬い根っこなのか、あるいは臭いでもあるのか、とにかく繁茂した部分にモグラの穴や土の盛り上がりを見かけたことがない。

 一方、欠点がないではない。まず初期成育がおそろしく遅いのだ。発芽に時間がかかるうえ、せっかく苗を植えても雑草の陰になってしまうと枯れたりする。そのため生育期には日当たりを確保するため。ひんぱんに雑草刈りをする必要があり、そうした手間暇を3年間ほどもかけて放牧場が完成している。

 そして種が高価なのが最大の欠点だろう。第一、補修したアプローチに種から育てたのでは時間がかかり過ぎるし、ピット苗を利用すれば手早いけれど、さらに高価で手がだせない。そこで挿し芽による苗づくりを試みたが、なにしろ猛暑だったので作業がすすまず、計画どおりの緑化というわけにはいかなかったのだ。

 ところで今年は、放牧場の一部を(17歳の山羊が天寿をまっとうしたため)畑に転用するのだが、はがしたセンチピート芝を移植してしまえばいいかと思いついた。いわゆる張り芝作業と同じだったが、ふつうの芝のように上手にはがせず、すぐにばらついてしまって扱いにくかった。
 挿し芽のさいに述べたようにセンチピート芝はランナー(匍匐茎)で増殖するので、地下茎でつながっていないためだろう。さらには密に生えた根が土を大量にくわえこんでいるためひどく重く、スコップではまるで歯が立たない。バックフォーを使って慎重にはがし取り、土を叩き落としてから運ぶ、というちょっとした重労働になってしまった。

 しかし張り終えてみればわるくはない。このままうまく根付いてくれれば、来年の芽吹きどきにはきちんと緑化されているにちがいない。

おまけのトピックス
 袋栽培している秋ジャガイモがだいぶ成長したので、土寄せと追肥、猿対策の袋閉じの作業を行った。しかし種イモ栽培のほうだけで、挿し芽のほうは成長が捗々しくなく、この調子では収穫までたどりつけないかもしれない。

長音記号のバグ

 2018年の猛暑の夏は、ほとんど毎日、地下室冷気と冷風除湿機で涼しい一階の和室に逃げこんでやり過ごしたが、ここに置いてあるサブ・パソコンは、10年以上前のHP製ビジネス機。win7搭載済みを再生パソコンとして購入したのは、デュアルモニター用に2画面可能モデルだったからで、win10への無償アップグレードを経て、かれこれ7年ほども使用している。

 かように古い機種だけに、すべての動作がもっさりしている。加えて2GBというメモリではいかにも戦力不足なので、いまさらながらと思いつつ、オークション入手したPC2-6400 2GB×4 計8GBを増設した。

 取り付けてみると、システム表示では8GBを認識しているのに、3.23GBしか使用されていない。原因はOSが32ビットになっているためで、すっかり忘れていたけどwin10の無償アップグレードのさい、そのまま32ビット版に移行してしまったのだ。
 その右に表示された「x64 ベース プロセッサ」は、AMD社の64ビットCPU規格をあらわしている。つまり64ビットOSに対応しているわけだ。

 64ビットへの移行は、win10をクリーンインストールする必要がある。当然ソフトやアプリをすべてインストールし直さねばならないわけで、このあたりが面倒だが、この際だからと決行することにした。
 じつは今年の春、バージョン1803にアップグレードをすませたところ、その後にバグが判明した。そこで以前のバージョン1709にもどしたいのだが、すでに「以前のwindows」は自動削除されてしまって復元が不可能だった。

 バージョン1803には、長音記号が縦組み表記で横に寝てしまう症状がある。小説などの文章作成では欠かせない縦組みだが、日本どくとくの表示だけにOSと相性がわるいのか、どうかするとプログラミングのミスが起こってしまうようだ。とくに長音記号は、欧文にはないためか不都合を起こすことが多く、win7の時代にも同じようなバグがあったし、Linuxのubuntuでも長音記号が他の字に変換されたりした。そのたびに日本人研究者が提供するパッチをあてて凌いできた覚えがある。

 もっとも今回のバグは画面表示だけのもので、印刷やEPUB変換しても現れない。その意味では実害はないのだが、どうにも気分がわるい。そこでいっそクリーンインストールしてしまえば、古いバージョンになるのではないか、と考えた。

 クリーンインストール自体は、動作の早いUSBメディアでISOファイルをつくってあるので3~40分程度ですむ。インストールの方法はいくつも発表されているし、途中プロダクトキーを求められても、再インストールなので「プロダクトキーがありません」を選択すれば、ちゃんとデジタル認証されることになっている。

 インストール後は、メモリ使用量もきちんと増加し、目論見どおりバージョン1709になってバグはすんなり解消されたけど、ソフトやアプリのインストールに丸一日も費やしてしまった。


 ちなみにwin10は、半年ごとにローリングリリースされるので、間もなくバージョン1809が提供される。たぶんバグは解消されるだろうから、今回の作業は無駄骨になる可能性が高いけど、ソフトやアプリの多いメイン・パソコンのクリーンインストールだけは、万が一にも勘弁してほしい。それともソフトやアプリをバックアップするような方法があるのだろうか。

秋ジャガイモの栽培②

 秋ジャガイモの植え付けは、猿対策用の袋栽培と決めている。この袋栽培についてはサツマイモで先行テストを行い、いまのところ順調に推移している。
 まずはその報告から……。

 ヤギ小屋近くと主屋裏にそれぞれ10数個の土のうを置き、6月初旬に植え付けてみたが、見た目の成長はわるくない。サツマイモは葉ばかりが繁りすぎると「ツルぼけ」となってイモが大きく育たないらしいから、この程度でよいのではないか。

 どちらの土のうも猿が近づきやすい場所だが、まだ荒らされた様子はない。とくに主屋裏は落花生と隣りあわせに植えてあり、1,2度あらわれた「はなれ猿」にほじくり返されて、「ゆで落花生」を楽しみにしていた奥さんがひどく悲しんでいたけど、袋栽培のサツマイモには手を出した気配がない。

 隣家のサツマイモ畑では、猿が掘り起こしたらしい状況が見られる。たぶん同じはなれ猿の犯行だろうし、十分食用に値するイモと見てかじったのだろうが、奇妙な植え方をした袋栽培には手を出し難かったものと思われる。

 そうした状況に心強くして秋ジャガイモを植え付けたが、自立しない土のう袋に土を入れるのが、あんがい面倒だ。災害マニュアルでは土のうづくりは二人一組でと書いてあったり、土のう袋を自立させる「袋スタンド」なども販売されているが、古いペール缶でこんなものを作成してみたところけっこう使える。

 ガソリンスタンドで無料入手したペール缶は、バケツ代わりに重宝しているが、すぐにサビて底に穴が開いたりする。それを利用して底を抜いたものだが、もちろん底を切りやすい樹脂製のバケツでもかまわないだろう。ただしペール缶ほど取っ手がしっかりしていないので、壊れやすいかもしれない。

 秋ジャガは、芽出しをした種イモと、成長した芽を挿してテスト栽培する。10センチほど折り曲げた土のうに土を入れて植えこんだが、ズッキーニを育てた畝の土を利用。酸性土でよいので石灰はなし、元肥もほどこしていない。
 苗の周囲にまいたモミ殻燻炭は、ネキリムシ除けだが効果のほどはわからない。

 イモから分離した苗は、期待したほど成長しておらず、ぶじに育つか心配だが、このまま植え付けてしまう。そして苗高が10センチを超えたころ、土寄せと追肥をほどこす予定だ。そのさい袋の折り曲げをもどして土寄せの余地をつくるわけで、その作業後に、苗の根元部分で袋を閉じてしまう。

 これが袋栽培の主たる目的。たとえ猿どもが苗をひっこ抜いても土の中で育ったイモまでは抜けないし、手を突っこんで掘り出すこともできない。もちろん紐の結びを解く、という能力を猿どもが取得すれば別だけど、それはそれでおもしろい結果だろう。

 とにかく猿どもには、苗を抜いてもイモにはありつけない、と経験させることが第一の眼目。はてさて結果は……。続報をご期待ください。

秋ジャガイモの栽培①

 相変わらず残暑がつづいている。今年は「暑くなるぞ」と予想して、いつも遅れるジャガイモの植え付けを早めたり、窓用エアコンを導入したりと暑さ対策をいろいろ考えた。その予想はドンピシャリだったわけで、ほぼ毎日、エアコン部屋に逃げ込んで「異常な夏」をやり過ごした。
 いまや異常は通常になりつつあるようで、地球温暖化をいよいよ実感する。

 一方、早植えしたジャガイモも順調に成長したが、相次ぐ猿来襲にあえなく全滅。そのリベンジとばかり、かねてからの猿対策のつづきと温暖化を逆手にとっての「秋ジャガイモ」に挑戦することにした。

 日光のような寒冷地では「秋ジャガ栽培」は無理とされていた。平地よりひと月ほども初霜が早く、3ヶ月はかかるジャガイモ栽培はあきらめていたのだが、この温暖化でたぶん初霜も遅くなるなるだろう、と都合よく解釈。「秋ジャガ栽培」にむいた品種「デジマ」をネット入手した。

「秋ジャガ」の種イモは、暑さで種イモが腐りやすいので切らずに一個丸のまま、涼しくなり始めた8月下旬に植え付ける、とのネット情報を受け、それならばと考えたのが、雑誌「現代農業」に紹介されていた「ジャガ芽挿し」栽培法だ。

 本来なら摘み取ってしまうジャガイモの脇芽を利用する栽培法で、種イモ一個から何本もの芽を育てるというユニークな方法。その種イモを涼しい地下室で発芽させれば、早めに植え付けても腐らないだろうし、成長した苗なら暑さに耐えられるのではないか、との思惑から始まったのだ。

 入手した種イモ6個(500㌘)を大きめのポットに入れ、洗い砂と籾殻燻炭を半々に混ぜた用土で植え付けた。軽い土質が根張りに効果があるようで、種イモが腐らないよう用土に水はやらず、湿った程度でよいらしい。
 半地下の作業場は25℃前後に保たれている。ポットを置いたのは8月上旬、およそ2週間で5~6センチほどの長さの芽に成長した。

 種イモから芽の部分をもぎ取る。絡みあった根を切らぬよう、慎重にほぐしながらポットに移植し、たっぷりの水をほどこした。
 種イモには芽を一つ残し、ふたたびポットに植え込んでおき、いますこし芽を成長させてから、通常の種イモ栽培をおこなう。同時に「芽挿し」と「種イモ」栽培のテストができるわけだ。

 ちなみにジャガイモは、25℃以上の気温では成長がとまるようだ。そこで挿し芽用、種イモとも地下室に置き、LED電球による人工照明を試してみた。
 その効果があったかどうか。また2週間後の芽の成長が、早いのか遅いのかもわからないし、あるいは用土の良しあしがあるのかもしれない。ともあれテスト栽培なのでこのままつづける。前述の「ジャガ芽挿し」情報では、いますこし大きい芽のようだが、そこまで待たずに植え付けることにした。

 もちろん、かねてからの猿対策、つまり「袋栽培」を再度試すことになるが、そのくわしい様子は次回に掲載する。また先行している「サツマイモの袋栽培」についての中間報告もあわせてお伝えしよう。

ブレード破損・セリ自作

 バンドソーのブレードは、使用しないときにはテンション(張り)をゆるめておかねばならない。耐久性を高めるためで、使用時に規格どおりにテンションをかけてから切断する。この約束事をころっと忘れた。

 ブレードがゆるんだまま回転させ、さらには堅いケヤキ枝を切断しかけたところで、ハッと気がついたが、すでに遅かった。
 ゆるんだブレードが暴れ、バツンと大きな音とともに破断。どうやら暴れた拍子にセリ(ブレードのぶれ止め)に触れたようで、セリも破損してしまった。

 大きな音におどろいたが、保持した手がブレードと離れていたので衝撃は少なく、さいわい怪我もなかった。いやいや、気をつけなくてはいけません。
 破断したブレードは、溶接修理が可能か問い合わせたが、溶接すると全周が短くなり、結局使用できない、と返信があり新しいブレードを注文する。

 バンドソーCB65Fのセリは、切断するすぐ上と定盤下の2カ所に六角ナットで固定され、左右それぞれ0.5~0.8ミリの隙間をもたせるよう決められている。
 標準の65ミリ幅の装着時は、二股になった面でブレードを押さえる。おそらく接触面を少なくして、抵抗を抑えるためだろう。写真のような幅の狭いブレードの場合は、反対側の全体面でぶれを防止することになる。

 したがってブレード交換時には、このセリもセットし直すことになるが、上下2か所、4枚のセリを止める六角ナットを外し、逆につけなおすのがけっこう面倒な作業だ。

 ともあれ破損したセリを新調しなくてはならない。当然、部品として入手できるだろうけど、おそらく(問い合わせていないけど)結構な価格になるだろう。そこでいっそ自作することにした。

 材質はベークライト。ブレードとこすれる場所なので耐熱性を持たせるためであろう。近くに素材店がないので、いつものようにオークションで探した。送料込み600円ほどで入手できたが、厚さが9ミリある。標準部品は6ミリ厚だが、問題はないはずだ。

 標準部品の型をマーキングする。六角ナットで絞めこむ幅に、16ミリ幅のブレードで切れ目を入れるが、こうした細かい作業もバンドソーなら、手持ちで安全にできる。スライドソーを使っていたころは、ずいぶん苦労してクランプで固定していた。
 切れ目の終りに穴を空けて完成。二股になった接触面がすこし大きいが、もし問題があるようなら改めて追加切断することにした。

枝ログのスツール

 地下室に大量にストックしてある枝ログを使ってしまおうと、ストーブ前に置く小さな椅子をつくってみたが、たいした量を消費できなかった。そこで枝ログを組み合わせたスツールを考えた。
 例によって拙いスケッチを描くが、この作業によって作品の全体像が把握できるので、けっこう気に入っている。プロの木工家は模型をつくるそうだが、一度やってみてもいいか。

 4本の脚部に、太さの3分の2の深さで穴を開けた。下にむかって広がるよう枝ログを固定する枕部分の高さを変えてある。2か所の穴を開けるのに枝ログを動かすと位置がずれてしまう。下に敷いた板ごと移動させるようにした。

 横桟になる枝に太さ1インチの丸ホゾをつくる。テノンカッターを使い、穴の深さに合うようホゾの長さを調節。それぞれ木工ボンドを塗って組み上げるが、後になってゆるむようならピンを打ちこめばいいだろう。

 はしご状の脚部を上下2本のつなぎ桟で固定する。横桟の内側に穴を開けるのがすこし面倒だったが、手で固定しただけでもうまくいった。
 組み上げてみたら案外がっしりしている。座板を乗せてからでは刷毛が届かない部分があるので、この状態でオイルを塗ったほう簡単か。

 座板に通し穴をあける。脚部を逆さにして現物あわせに円を描いておくが、位置が変わると入らない。より正確にするには、円の中心にガイド穴を開けたほうがよいかもしれない。また固定するための穴ではないため、すこし大きめにし、半円にしても面白いデザインになるだろう。

 座板の穴はカドをなめらかに仕上げ、オイルを塗ってしまう。見えない裏からつなぎ桟とビス止めするが、座板に突き出た脚部をダボ切りノコで切断、カドをまるめるなどの仕上げをしてから止めた。

 座板が水平になるよう脚部にクサビをおき、ぐらつきを調節する。木片を台にしてぐるりに印をつけ、狂わぬようノコで切断。きっちり固定するほうが安全だが、今回は脚部がひろいのでそのまま切断した。

 脚部の枝ログに曲がりがあるため、いくらか不安定な感じになるが、座ってみると思いの外がっしりしている。枝ログの太さにもっと変化をつけたほうが面白いかもしれない。座板の木目と、大きく開けた穴があんがい印象的に仕上がり、気に入っている

子供用椅子?

 テスト加工した丸ホゾで何かつくろうと、こんな小さな椅子を考えた。子供用にも見えるが、いやいや、立派な大人が使うことになるだろう。
 ストーブ前に置くものだが、田舎暮らしを好む連中ときたら、焚き火やら薪ストーブとなると目の色を変えるほどご執心する。オモチャを欲しがる子供とすこしも変わらないから、子供用と言ってもたいして違いはない。

 栗の根元を挽いた板(30ミリ厚)を座板に使う。大まかな形をチョークで描き、バンドソーCB65Fで曲線切りした。
 使用した刃は16ミリ幅だが、挽き割り用の65ミリ幅から交換するのが少し厄介。刃を入れ替えたときには、ぶれ止めとなる「セリ」4カ所の向きを変えなくちゃならず、この作業に1時間ほども費やしたが、切るのはたった3分もかからない。

 1インチの座ぐりビットで穴を開ける。スケッチにあったように脚に角度をつけるため座板は斜めに保持した。下に段つけ用の板を差し入れての手持ち作業だったが、もちろんクランプで固定するほうが失敗はすくない。

 脚4カ所の穴開けをすませたところで座板削りをした。本来ならお尻にあわせて深めに削りたいところだが、板厚の関係で形だけの彫りですませる。またデザインが決まっていない背もたれ用の穴は後の作業とした。

 脚用の枝にテノンカッターで丸ホゾを削り、仮装着してみる。枝の曲がりが外向きになるようセットするが、ほんの少しの曲がりでも安定感がずんと違ってくる。

 クサビを入れる向きを書いておき、裏側にも枝の曲がりが狂わぬよう印をつけておいた。
 のこ目を入れてからボンドで接着。クサビは黒檀の端材でつくり、ボンドを塗って叩き込んでおく。このときには背もたれ用の穴も開けてある。
 よく乾かしてからアサリのないダボ切りノコで切断する。ちなみに普通のノコギリは、刃の動きに抵抗がないよう刃を左右に押しひろげてアサリをつくる。そのため板面に押し当てると傷がつきやすく、それを防ぐため古葉書を敷いて切ったりした。

 座面が水平になるよう脚元にクサビを入れ、ガイドの板に沿ってぐるりに線をひく。4本の脚すべてに印をしてから切断。この作業は面倒でもクランプで固定したほうがいい。少しのガタつきも座り心地に影響する。
 背もたれの固定も脚と同じだが、最上部の横木の接続は、はじめにクサビをセットしてから横木をかぶせて叩き入れる。いったん入れたら絶対に抜けない「地獄ホゾ」だ。

 白木のままでもよかったのだが、欲をだして柿渋で塗ったのがよくなかった。ありふれた民芸家具みたいで安っぽく、貴重な黒檀を使ったクサビが全然見えない。失敗した。

丸ホゾ加工

 もともと整理整頓は苦手な方だが、地下作業場の一角を占領している枝の自然木はどうにも片づかない。
 杉丸太の皮むきに高圧洗浄機をレンタルしたのは、もう15年ぐらい前のはずだが、そのときに広葉樹の細枝の皮をむいて白木に仕上げ、乾燥させるつもりで地下室に放置したままになっていたのだ。

 多くは薪用に仕入れたケヤキやナラ、サクラのはずだが、皮をむいてしまったので見分けがつかなくなってしまったし、ときおりドアや窓、引き出しなどの取っ手に使用しただけでほとんど減っていない。

 そうした自然木の枝を片づけがてら何かに組み上げてみようと思い、となれば丸ホゾが必要になろうから、といくつかの方法を試してみた。

 このテノンカッターは、自然木で柵をつくるつもりで購入したが、設計変更で使わずじまいになっていた道具だ。
 たしか『手づくり木工事典』の著者・芝地正履(しばち まさぶみ)さんが代表を務めていたTAMA CRAFTで購入したものだが、もう何年も前に販売は停止してしまったらしい。いまはオフ・コーポレーションで買えるようだが、すこし価格が高くなったような気がする。

 言わば大きな鉛筆削りのようなもので、カッターをドリルにセットし、万力に固定した枝に押し当てて削る。いくつかサイズがあり、一番大きな1インチを使ってテストしてみた。

 刃の調整・固定ネジをしっかり締め、水準器をみながら水平に注意する。また太い枝は、あらかじめテーパーに削っておく必要がある。
 アルミ製のカッターが重く、回転時にかなり振動するが、傾かないよう保持して一気に削るほうがうまく削れた

 前述のオフ・コーポレーションに「埋め木カッター」を利用した丸ホゾづくりが掲載されているが、やや高価なのが欠点。そこで「のほほん木工房」さんが紹介する激安ホールソーでの丸ホゾ加工を試してみた。

 激安だけに切削力に劣るので、硬いケヤキの枝は無理かと思ったが、案外スムースに削れた。周囲を切り落とせば丸ホゾが完成する。テノンカッターと違い、胴付きなので組み上げたとき丈夫になるはずだ。
 すこしばかり木肌が荒れてしまうが、ホゾ穴に組み込んでしまえば問題はない。中央に大きなガイド穴が空いてしまうのが最大の欠点か。

 また「のほほん」さんは、こうした加工をドリルを逆さに固定した「逆ドリル」で行っていた。曲がった自然木を固定するのはいささか面倒なので、あんがい効果的な方法かもしれない。いずれ試してみるつもりだ。

ズッキーニ花料理

 猛暑つづきで夏野菜のズッキーニが大豊作だ。グリルにしたり、マリネにしたり、はてはぬか漬けにしたり、とあれこれ工夫して食べているけど、毎日5、6本も採れてしまうので完全に持てあまし気味。知り合いに送ったり、強制的プレゼントしたりするけど、いっそ花のうちに食べてしまえば「渉(はか)が行く」のではないか、とおもった。

 ズッキーニの花料理はいくつか聞いたことがある。天ぷらにしたり、詰め物をしてフリッターにするレシピがあるけど、なんだかコッテリ重そうだし、この暑さの最中に油で揚げるのもすこしばかりおっくう。

 うってつけの花料理がイタリア発のあるブログに掲載されていた。主宰者のお名前が母屋をセルフビルドしたときのOMソーラーと関わりあるようにおもえて(本当に関わりあるか不明だけど)前々から愛読していたブログで、文章と写真に醸し出されるユニークな視点と、日本人から見たイタリア生活が興味深い。

 たとえばソラマメを生で食べるのをはじめて知り、生食用ファーベの種を取り寄せて栽培するきっかけになったわけだが、つい先だっての記事で、大量のソラマメをむいた空の莢(さや)を鶏のエサにしようとしたら、「Noooo!!」と叫んだイタリア人夫君がひどくユニーク。莢を奪い返すと手早く料理して、素敵な一品に仕上げてしまうのだ。

 料理人にして木工家、加えて稀代の好奇心の持ち主で、石窯を手作りしたり、粉ひき水車小屋の復活には、水車タービンまで製作する多才ぶり。そうした田舎暮らしの達人の花レシピがいかにも美味しそうだし、いかつい指で仕上げる料理の繊細さには、いつもながらいたく感心する。

 さっそく達人レシピを真似てみる。あいにく雄花が少なかったので、隣に植えてあるバターナッツの花を2本加え、リコッタチーズの代わりに小さく切ったカマンベールチーズを花に詰める。かるく小麦粉を振り、卵をくぐらせてパン粉をまぶし、少量のオリーブオイルを振りかけて、200℃のオーブンで10分焼いた。

 色よく焼けたパン粉が食欲をそそり、サクサクとした食感ともっちりしたカマンベールチーズの味が絶妙だった。詰めたチーズが小さすぎたのがすこし残念。達人レシピにあるようにリコッタチーズとパルメザンチーズ詰めをぜひとも試したいものだ。

 ちなみに小さな実がついた雌花も食べられるが、めしべが苦いようなので取り除くほうがよい。ちょうど隣村で持ち寄りパーティーがあったので、卵をくぐらせパン粉をつけた状態で持ち込み、現地のオーブンで焼きあげた。
 軽い食感がなかなかに好評だった。

窓用エアコン・分解掃除

 当たってほしくない予想だったがドンピシャリになってしまった。関東地方がやたらと早い梅雨明けをむかえたあと、西日本を豪雨が襲い、甚大な水害被害をもたらした。
 そのあと尋常じゃない酷暑がやって来て、連日の体温越え……、命に関わる危険な暑さ……、命を守る対策を……と気象庁が声を枯らして呼びかけている。

 関東地方の梅雨明けが平年より20日も早いのには、大いにびっくり。毎年梅雨明け宣言(平年7月20日ごろ)を聞くと、家中すべての窓にすだれを架けまわすが、3年ほど前にアルミ製に取り替えた。
 格段に強い反射率が、差しこむ日射熱をかなり防いでくれるようで、測ったわけではないけど室内温度が3~4℃も低くなる。

 これで凌いできたが、年々の温暖化には対処できない。そこでエアコン設置を考えたけど、そのためには室外機専用コンセントが必要とのことだった。
 四半世紀前のセルフビルド当時の日光では、一流ホテルでさえエアコンを設置していなかったくらいだ。もちろん室外機の電源など考えもしなかったわけで、ブレーカーから直接のコンセントを設置する工事には、エアコン本体と同じくらいの費用がかかりそうだった。

 ならば……とテスト済みの窓用エアコンを採用、これなら室内コンセントが使用でき、却下理由の足りない冷房能力は台数を増やせばよい、と3台の調達を計画、大雪に埋もれた2月末にオークション応札。
 この作戦が奏功したようで、使用期間1,2年ほどの中古機3台を、落札価格3~4,000円送料3,500円ほどで入手。当初予算の三分の一で済ませた窓用エアコンながら、いずれも順調に稼働して酷暑しのぎに役立っている……、というのは本筋に入る前の長い余談。

 去年テストした窓用エアコンは、かなり旧式だから廃棄処分するつもりだったが、いつもの「ねっケチ(根っからのケチ)」精神が頭をもたげてなかなか捨てられない。とりあえず分解掃除を試みて、その結果でどうするか決めることにした。

 ネット情報どおりに分解。春先に設置した3台も同様に分解掃除しているけど、それとは比較にならないくらい汚れている。中古購入以前から掃除していないようで、大きな運転音も無理ないと思わせた。
 風を送るシロッコ・ファンは、内側のねじで固定されている。外して洗剤を塗りつけて洗浄するが、ブラシではうまく洗えず、面倒ながら綿棒でひとつひとつ洗う方がずっと早かった。

 運転中のガラガラ音を防止しようと、シロッコ・ファンと軸受けにグリスを塗った。パソコン用のモリブデングリスを使ってみたけど、これでよいかは保証できない。
 冷却フィンの汚れはコンプレッサーで吹き飛ばしたあと、エアコン用泡洗剤を使うつもりだったが、電気配線部が濡れそうだったのでとりやめ、カビ取りにアルコールを吹き付ける予定だったが、ほとんど見えなかったので歯ブラシでていねいに掃除するだけにした。

 結果、運転音は格段に静かになり、廃棄処分は取りやめて、ほとんど使われていない客間に設置されている、