格安ベルトサンダー修理

 作業室の掃除ついでに、ふと思い出してベルトサンダーを修理した。格安の小型機で、軽くて扱いやすいので結構多用していたが、ときとして作動不能を起こすのが難点だった。しばらく放置したりすると起動するところから、スイッチまわりの接触不良だろうと見当はついている。

 それにしても最近、木工技術の劣化をつくづく感じる。以前ならカンナで仕上げるところを、ついついサンダーを手にしていることが多い。たとえばカンナでの仕上げは、ほんの5分ほどですむのだが、その前に刃研ぎが欠かせず、砥石や水を用意したあと、少なくとも30分の研ぎ作業を要する。それでたった5分というのだから間尺にあわない。

 そうした手間暇を惜しむ気持ちがサンダーに向かわせるのだろう。仕上げは断然カンナのほうがよいのだが、ほとんどの場合、オイルフィニッシュで仕上げるようになる。そのさいのオイル研ぎを丁寧にすればカンナ仕上げと変わらない、という事情も隠れているのかもしれない。

 ま、技術の劣化というより、気持ちの劣化とするのが正しいか。

 ともあれサンダーを分解する。スイッチを格納するカバーは、まず7本のネジを外し、反対の駆動ベルト側の3本をゆるめる。なお3本のうち1本は長さがちがうので覚えておいたほうがいいだろう。

 カバーをドライバーの先などでこじ開ける。スイッチ部とモーターだけの簡単な構造で、一見したところ断線等は見られなかったが、スイッチから出た1本のケーブルが所定の位置から外れているのが原因のようだった。

 スイッチを通った白ケーブルの先が、宙ぶらりんの状態になっていた。ケースにある切れこみから外れていたためで、ケーブルの揺れ具合によってはスイッチ内の接点が傾いて接触不良を起こすのだろう。

 結局、切れ込みにケーブルをきちんと収めて修理は終了。そのあとの導通テストでもなんら支障は出ないから、たぶん組み立て不良だろうと思われるが、あるいは作業のさいの振動で外れてくるのかもしれないので、ケーブルを収めた切れ込みに、接着剤を盛り付けておいた。いくらか外れ防止になるだろう。

緊急パン焼き・ダッチオーブン

「ウソ、まじ?」
 と大声で叫んだ奥さん、いきなり立ち上がるとバタバタとキッチンに駆け込んだ。
「どうした、どうした」
「ガス、止まちゃった。パンいまから焼くところだったのよ」
 いましも発酵がすすんだパン種は、まるまると膨らみ、あとは予熱したオーブンに入れるばかりになったところでの緊急事態発生だ。

 わが集落のような山里では、かろうじて電気と電話だけ、というお粗末な社会インフラでの生活を余儀なくされる。テレビの地上波は映らないし、ようやく設備された水道も湧き水が水源で、住民が交代で塩素を管理する簡易水道という具合。もちろん都市ガスなどあろうはずもなく、ボンベ設置によるプロパンガスなので、ときとしてガス切れという事態が生じる。
 ガス屋さんにあわてて電話を入れたところで、さて、膨らんだパン種をどうするか。

 不便であればこそ様々に工夫し、多様な備えもできている。ならば、と持ち出したダッチオーブンは、ふつうならバーベキューやキャンプ用品だろうが、冬のこの時期、欠かせない調理器具だ。
 常に焚いている薪ストーブとの組み合わせは最強で、肉の煮込みに、ローストにと大活躍で、もう8年前になる、あの東日本大震災もこのコンビで乗り切ったのだ。

 薪ストーブとダッチオーブンによるパン焼きは、前々から一度試してみるか、と思っていたのでちょうどいい機会だった。まずはプレヒート(予熱)が必要だが、薪ストーブより直接炎があたるほうが早い、と判断してカセットコンロを使う。上蓋にのせる炭は、薪ストーブに放り込んで着火させた。

 発酵途中のパン種は、ベタベタとやわらかになっていて手では触れない。下に敷いたオーブンシートを一つずつに切り、火傷に注意しながらフライ返しで移したが、これがかなり難しい。しかも全部は入りきれないので、半分ずつ焼くことにして薪ストーブに乗せる。

 ちなみに使ったダッチオーブンには底部の突起がない。キッチンタイプと呼ばれているもので、薪ストーブの鉄板に密着するため安定がよく、熱効率が断然よい。上蓋に赤々と熾った炭火を載せたが、薪ストーブからの熱ではたして焼けるものか。全体に熱がまわりきらないのでは、と心配しつつ約20分加熱させた。

 そのころにはガス屋さんのボンベ交換がおわり、ガスオーブンでのこったパン種を焼けることになった。図らずもは焼き具合を比較できることになったわけで、ダッチオーブンの焼き色がやや浅めなのは、上の炭が足りなかったせいだろう。

 ともあれ薪ストーブでパンが焼けるのは、危機管理上かなり心強い。切ってみれば,膨れ具合や気泡の入り方に差はほとんどなかった。
 そのころになって気がついたけど、大きめのオーブンシートにパン種をのせて入れれば、火傷の心配せずにすんだかもしれない。


年忘れ料理

 毎年のことだが、歳末は料理でやり過ごす。まずは合鴨を低温で調理し、その合間をえらんで黒豆や昆布巻きをつくり、いわゆる「お節」がわりとする。
 合鴨の低温調理は、恒例になった年忘れの一品持ち寄りパーティー用だが、お節や年越しそばにも利用するので、味付けにすこし工夫した。

①使うのは合鴨の抱き身。鴨ロースとして売られているが、いわゆる胸肉で翼を動かす筋肉。当然、野生の鴨が最上等でかなり高価。むかし狩猟家から譲ってもらったことがあるが、いまでは輸入品の冷凍合鴨で我慢している。なにしろ500円ほどとお安いのが一番。

 まずは冷蔵庫に移してゆっくり解凍する。出来れば丸一日、すくなくとも一晩かけて解かす。水に漬けたりすると細胞が壊れ、てきめん食味に影響する。
 しみ出たドリップをきれいに拭き取り、2時間ほど常温に放置する。肉の内部まで同じ温度にするのが低温調理のポイントの一つ。

②お湯に漬け込むため、ビニール袋に別々に入れる。以前、ひとまとめに試してみたが、重なった部分の熱の通りがムラになってしまった。ビニールは破れやすいので2重にしたほうが安全。
③お湯は60℃。肉を入れたときに冷めるので、やや高めに設定する。もし低くなりすぎたら熱湯を追加してもよいが、とにかく60℃を超えないこと。

 漬け込み時間は2時間。わが家では保温調理器使っているので、一時間に一回、熱湯を注ぎ入れて60℃を保っている。最近では電気式に温度調節が可能な製品も売られているが、大きな寸胴鍋を利用して、とろ火で温めながら60℃を保つ方法でも十分可能だ。

④⑤皮に包丁目を入れ、熱したフライパンで焼く。皮から脂がしみ出てくるので油は入れず、筒切りした長ネギを一緒に焼く。
 ついで鴨肉は取り出し、酒1,みりん1,しょう油1の漬け汁を入れる。しみ出た鴨の脂や焦げ目をこそぎとり、ネギの風味が移し採るためいったん沸騰させる。

⑥あら熱をとった漬け汁に鴨肉を漬け込み、一晩置く。ビニール袋なら漬け汁が少なくてすみ、抱き身三枚使った今回は、酒、みりん、しょう油をそれぞれ半カップ使用した。

 こうした調理法では、まず焼き目をつけてから漬け込む場合が多い。しかし低温調理の場合、腐敗菌が繁殖しやすい30~40℃の通過時間が長くなるため、あとで表面を焼くほうが殺菌効果が高いと言われている。
 また漬け汁に酢を合わせるとやわらかに仕上がる。ここで使用しない理由は後述する。

 60℃・2時間で調理した鴨肉は、肉色があざやかなピンクに、しっとりやわらかく仕上がる。一晩漬け込めば味もしっかり乗っているが、漬け込み時間が短いときには、漬け汁を煮詰めてタレとしてもいい。

 隣村のログビレッジで開かれる年忘れパーティには、こんな感じに薄切りして持ち寄った。それを終えて帰宅後、漬け汁を出汁でうすめ、裁ち落としの鴨肉を入れた「鴨汁そば」で年越しをするのが恒例になっている。

 冷たいそばを温めた鴨汁でいただくのは、日光に移住してから知った。東京で食する「鴨南蛮そば」に似ているが、そばが冷たいほうが、そばの風味が際立つように感じる。
 このため漬け汁に酢を使わないのだが、鴨肉にはややパンチ不足。オレンジかレモン汁を別途加えるなどの研究が必要かもしれない。

 そのほかに、ニシンの昆布巻きをつくり、黒豆を黒砂糖で味付けし、小さなダッチオーブンを薪ストーブで煮たりしたが、新年の食卓はこんな感じでお節料理とはとても言えない。歳のせいだろうけど、鴨肉のお雑煮だけで十分満腹してしまうのだ。


水道栓修理

 先日、すきま家具をつくった洗濯機の水道栓から水漏れがするようになった。家具設置のさいに水道を止めはしたが、特別に動かしたわけではないのに、水道栓と接続カプラーのあたりから、ポタリと漏れているのを発見。当然、正月休みになる前に修理しておかねばならないだろう。

 まずは漏れ箇所から、ねじ止め元栓とカプラーとのパッキングを疑った。こうした交換品のほとんどはホームセンターで購入できるし、地方ほど大きなホームセンターが多い。たとえばわが家から車で15分ほどの場所に3軒もあるのでとても助かる。
 ところが水道部品コーナーをいくら探しても件のパッキンはみつからない。となれば他店に行くしかないが、念のためと探した洗濯機部品コーナーに陳列してあった。部品代190円也。

 パッキング交換など修理とも言えないものだが、それで水漏れが止まらないとなると、ことは面倒になる。あっちこっち外して試すわけだが、水道栓を閉めるのはもちろん、安全のために室外の水道元栓を閉めたり開けたりしたので、こちらのほうがよほど手間がかかる。

 ちなみにわが家の水道は、集落が管理する簡易水道とポンプで汲み上げる井戸水との2系統がある。コーヒーや料理する水に塩素はいらない、と別系統にしてあるのだが、簡易水道に故障・断水が多いので、一種の危険分散になってとても心強い。むろんトイレや洗濯水は塩素入りの簡易水道を使用している。

 ともあれ漏れ箇所をみつけなくてはならない。結果、L型に曲がった吐水口の先端部に穴が開いていたのが原因だった。四ケ所あるネジ止め跡のひとつにひびが入り、突き抜けた穴から漏れている。
 すき間家具を設置したさい、ホース等を動かしたことで取り付けネジ部に力がかかり、ひび割れが生じたのかもしれない。

 この洗濯機は、10年前購入した電気店が設置したものだ。そのさい水道との接続は、洗濯機に付属したカプラー付きホースを使い、運んでくれたお兄ちゃんが取り付けてくれたわけだが、金属製の吐水口に大きなへこみ跡がついているくらいだから、よほど力任せにネジを閉め付けたのだろう。四本のネジは、吐水口先端ノズルの出っ張りにかかるよう、すっぽ抜けない程度に閉めておけばいいもので、いくら強く締めても水漏れには関係ない。

 原因がわかれば修理はいたって簡単。まずはホームセンターに取って返し、外した部品と同じものを購入する。ちなみに「吐水口回転型水栓」と呼ぶパーツで、先端ノズルだけなので780円也。

 先端ノズルの取り付けは、サイズを合わせたモンキーレンチを使って閉める。回転部にゴムパッキングが入るので、不必要に締め付ける必要はない。もちろんカプラー取り付けネジも同様で、4本を平均して閉めるのが大切。あとはホースを取り付け、水漏れがないことを確かめて修理は終了。

 こうしたわけで技術的には簡単な修理だった。最大の難関は、漏れ箇所を特定することだったろうか。あとはホームセンターへの行き来が大変だったけど、冒頭の写真に水滴イラストを入れ込むのに、描いたり合成したりで、かれこれ半日を要した。これが一番の手間だったかもしれない。


すき間家具

 つくろう、つくろうと思っているうちに年末になってしまった。別段、いつまでと決めていたわけではないが、極まりをつけておくほうが気持ちよく新年を迎えられるか、と手をつけることにした。

 風呂場の脱衣所に置いた洗濯機は、ログ壁との間に排水口があるのでピッタリつけられない。こうした空きスペースというのは、いつの間にか物が置かれて雑然としてしまうもので、「ちっとも片付かないわ」と前から奥さんに言われていたのだ。

 棚を造り付けるかとも考えたが、排水口のメンテナンスを考慮して、移動できるような棚家具……いわゆる「すき間家具」にすることにした。いろいろ考えているうちに、二段にする棚に金属メッシュを使用することを思いついた。これを取り外せるようにしておけば、簡単なメンテナンスなら移動せずに行えるだろう。

 金属メッシュは、ホームセンターで購入した既製品を使い、これに合わせてサイズを決めた。すき間にはめ込む家具なので、細い脚部にしても左右に動く心配はなく、木ネジ止めにしてもさほど見苦しくならないだろう、と例によってポケットホールジョイントを利用して簡単に組み上げる。

 なんだか最近は、こうした手抜き工法ばかりになっている。ついつい手早い完成を思うからだろうが、来年あたりは本格的な「ホゾ組み」で何かつくろうか、などと鬼に笑われそうなことを考えながら作業をすすめた。

 上板には、作業場の片隅に転がっていた適当なものを引っ張り出したが、それがアルダー材だったので少しおどろいた。四半世紀前の母屋建築時に格安材を大量購入し、内部造作や建具にさんざん使った残りだったからで、自動カンナで削り、ビスケットジョイントで張り合わせた。
 切削性のよさは折り紙付きだから、最後の手がんな作業もじつに簡単。ついでオイルで仕上げたが、いかにもアルダー材らしいおとなしい木目と色調を懐かしく感じた。

 脚部を組み上げたところで、スペースに仮置きしてみた。ログの出っ張りが一様じゃないので心配だったからだが、案の定、一番下の太くなったログが邪魔をしている。排水ホースの関係で広げられないので、ログを削るしかないが、このあたりが平面になっていないログ壁の欠点だろう。もっとも10mmほど削ったところで、強度その他にまったく影響がないのもログの特徴ということになる。

 ちなみに床に開いているスリットは、OMソーラーの床暖気の吹き出し口。寒さがきびしくなる今ごろには、とても頼りになる暖房装置だ。

 こんな感じに完成・設置したわけだが、奥さんがしみじみと言った。
「あら、やっとね。洗濯機買った10年前にもつくるって言っていたわね。やっと出来てよかったわ」
「ウム」
 と黙ってうなずくしかない。つまりは10年越しの極まりをつけたということらしい。


冬のデッキファーム

 一階居室の南面にしつらえたデッキは、外から見るとほとんど二階のように見える。建物自体が斜面に建てられているためで、さらに低い駐車場からだと5メートルもの高さになってしまい、玄関までの登りが少々しんどくなってきたけど、それとは別の話をしたい。

 これだけ高さがあると、眺めがよいのはもちろん、風が気持ちよく吹きぬける。そのせいか虫が寄り付かないので、大きめのポットをならべて植え付けたハーブや野菜は、まったくの無農薬で栽培できている。

 2年前に屋根を架けたので、デッキ床の張り替えや雪かきの必要がなくなったが、そのぶん水やりの手間が増えた。むろん陽ざしも入りにくくなるので夏野菜はミニトマト中心にしているが、低い冬陽になったいまは、朝食用のサンドイッチによく使うサニーレタスや、パセリやローズマリーのキッチンハーブを育てるにちょうどいい。

 種まきしたサニーレタスは、まだ芽吹いたばかりだが、あとひと月ほど後には食卓にのせたい。そのためには透明な育苗ドームで寒さ除けをしたほうがいいかもしれない。

 10月の末ごろだったか、ホームセンターで売れ残りの苗を買った。たしか一株20円だったので、ま、いいか、と思ったわけだが、そのスティックカリフラワーなんぞは、育てたことはもちろん食べたこともない。
「いやぁね、前に料理したことあるわよ」
 と奥さんに言われてしまったけどまるで覚えていない。

 だいたいカリフラワーやブロッコリーの、あのモソモソした食感が好みじゃないので、たぶん手を付けなかったのだろう。よしんば食べたとしても、わざわざ記憶にのこすほどのものではないのだ。

 そうした好みでもない苗を買ったのは、ひとえに安かったからで、いつものわるい癖が頭をもたげてしまったわけだ。売れ残りの枯れかかった苗だったが、大型ポットに自家製堆肥をほどこして植え付け、枯れない程度に水やりをつづけた。

 その甲斐あってか、害虫被害にもあわずによく育ち、葉の真ん中に花蕾(からい)らしきがふくらんできた。これを頂花蕾(ちょうからい)と呼ぶようで、大きく育てて茎ごと収穫すると添付ラベルに書いてある。採り遅れて蕾(つぼみ)がゆるんでしまうと、花が咲いて味がわるくなるらしい。

 かるく塩ゆでして海苔入りマヨネーズ・ソースで食した。花蕾のモソモソ感は多少のこっているが、茎部の歯ごたえはわるくなかった。しかし、まあ、どうしても栽培したい、と思うほどの味ではなかった。

おまけのトピックス

 こちらはどうあっても栽培したい「生食用そらまめ」。ポット苗の根も十分育ったので、アブラムシ除けのシルバーマルチに定植した。寒さ除けにトンネルをほどこしたら、すぐに初雪となった。
 このまま順調に育ち、鹿や猿どもに荒らされなければ、5月ごろ収穫予定だ。


薪づくり2018

 2018年の薪づくりをやっている。ご近所が伐採した栗の木を頂いてあるが、近いこともあって薪になりそうな直径10センチほどの枝まで運んであるので、まずはそのあたりから片付けはじめた。

 伐採が5月とあって季節もよくなかった。すでに水を吸いあげてやたら重く、運ぶのに苦労したし、いくら腐りにくい栗の木でも、白太(樹皮に近い若い木質)の多い枝部分は、早めに処理しておくに越したことはない。

 運動不足の冬に割ってやるか、と思っていたが、今年は雪が多そうな予感がしている。しかも酷暑の夏だっただけに、水分の多い樹皮にキノコが生えだしていた。そこで手をつけたわけだが、さいわい木質部に腐りはないので枝部分だけ処理し、残した太い幹部は来春に割る。

 薪づくりは、ストーブに入る長さ(36~37センチ)に切り揃える「玉切り」から始め、短くて薪棚に積めないコロ薪(端材)とを選り分けるが、枝部分は曲がりや別れが多いぶん手間がかかる。さらに今年の原木は短尺だったので、どうしてもコロ薪が多くなってけっこう時間がかかった。

 栗の樹皮は厚く、しかも枝には量が多い。冬伐りなら樹皮がかたく締まり、そのまま乾燥させることもあるが、今年のように水分を多く含んでいると、乾燥中に剥がれだし、当然のことに虫も入りやすい。
 いずれは燃やすため室内に持込むわけだが、ボロボロ崩れたり、虫が這い出してくるのには閉口する。「きれいに剥がしておいてね」と奥さんにも言われている。

 薪割り機にかけると大部分の樹皮は自然に剥がれてくれるが、節などに固着した部分は、斧などで取り除いてやらねばならない。この作業がちょっと面倒だし、量が半端ではない。結局、軽トラに3台分ほどの量を処理する羽目になった。

 割ったあとは積みあげ作業だ。今年は玄関わきのコンクリート基礎に沿って積みあげるが、斜面下の作業場で軽トラックに積み込み、ほんの30メートルほど移動させては積みあげてゆく。
 もちろん手作業になり、薪1本で2キロ近い重さがある。それを一本ずつ運び、積むのだが、全体で何キロの重量になるのだろうか。積んだ本数を数えてみるか、と毎年のように思ったりするが、試したことはない。

 玄関わきには軽トラ5台分が積み上がった。これで3ヶ月分、いや2ヶ月半ぐらいで燃やしてしまうだろう。小屋に運び入れたコロ薪が約1ヶ月分、残りの幹部で2ヶ月分ほどの薪になるだろうか。こんなふうにして毎年の薪づくりが行われるのだ。

 見やすいところに年号を書き入れておいたが、ちなみに今年は、15年に割った残りと16年物を燃やす。18年と書き入れた今年の薪は、2020年の東京オリンピックが終了した冬に焚くことになるだろう。


秋ジャガイモの栽培③・収穫

 今年初めて試した秋ジャガイモを収穫した。葉が黄色く枯れてからと決めていたが、何度か霜が降りて霜害の心配があるので作業を早めた。8月上旬に種イモ(でじま)の芽出し作業をはじめてから112日が経過していた。

 この秋ジャガイモ栽培では、地下室で発芽させた挿し芽と芽を残した種イモを、それぞれ猿害対策として考えた袋栽培をするという多目的テストなので、あまり収穫には期待してはいなかった。
 じっさい土寄せと追肥の状況を掲載した9月22日の記事には、ちょっと弱気になって「挿し芽の成長が捗々しくなく、収穫にはたどりつけないかもしれない」などと書いている。

 その後、弱々しかった挿し芽も順調に成長し、やがて種イモ組と変わりないほど葉を茂らせた。そうした折にふと気づいて挿し芽組みの一部を、日当たりのよい石垣のそばに移してみたりした。こんなことができるのは袋栽培ならではだろうけど、太陽熱を蓄熱した石垣の暖かさを利用する「石垣イチゴ」を真似てみたわけだ。

 結果、すこし枯れはじめたものに比べ、石垣ジャガはまだ青々と葉を茂らせているから、ある程度の効果はあったのだろう。収穫作業は、袋をひっくり返すだけだからじつに簡単だし、クワやシャベルでイモを傷つける心配がないのもいい。

 挿し芽組には、いずれも2個のイモが付いていた。「でじま」は大きく育つ種類のようで、かなり立派なイモに育っていたが、石垣ジャガのほうが2個目の肥り具合がよかったかもしれない。さすが種イモ組は育ちがよく、どれも3個の収穫があり、小さな4つ目つきのものもある。そして種イモが腐らずに残っているのは、涼しい地下室での芽出しが効果的だったのかもしれない。

 種イモ6個からこの程度の収穫は多いのか少ないのか。それはわからないものの、ふつうは抜き取って無駄になってしまう脇芽からも収穫できたのは、大成功と言っていいだろう。雑誌「現代農業」と考案者坂本堅志氏にお礼を申し上げよう。

 ひと苗あたりのイモ数が少ないようだが、猿害対策(夏以降、猿どもは一度も現れなかった)の袋栽培ゆえの影響があったとも考えられる。イモ類にむいたカリ肥料などを研究すれば、いますこし収穫量が増えるかもしれない。

 収穫したイモの一つがこんなふうに裂けていた。病気かと心配して調べたところ「裂開(クラッキング)」と呼ぶ現象のようで、高温などで成長が止まったあと、雨ふりがつづいたりしたときの二次成長により裂けてしまうらしい。
 イモそのものに異常があるわけではなく、食べてもまったく問題はないようだが、このまま保存し、来春の挿し芽採りの種イモにするつもりでいる。


ソラマメ・遅れた播種

 ソラマメの栽培は今年で3回目になる。そろそろ本格栽培のつもりで自家採種までしたのに、いきなりつまずいた。去年までは10月に入ってすぐに種まきしていたが、暖かい今年は半月ほど遅らせようか、と思ったところでコロリと忘れてしまった。

「あ、いかん」と気がついたときには10月も終わりに近く、あわてて種をまいたが、気温が低くなりすぎて発芽は遅れ気味。ここまで育つのに20日近くも要してしまった。

 生で食べるソラマメ(ファーベ)を楽しんだあと、莢の幾つかを収穫せずに完熟させて自家採種した。なんだか黒ずんでしまっているけど、いいのか悪いのかわからない。すこしばかり心配になって市販の種を購入しておいたが、それが幸いしたかもしれない。

 種の植え付け方はいつも通り。黒いお歯黒部を下にして、3分の1ほど土からお尻を出しておく。種を前もって水に浸すと発芽しやすいようだが、土に植え付けてから水をたっぷりかける方法を試してきた。そのほうがカビたり腐ったりしない、とどこかで読んだ記憶がある。

 しかし気温の低さが災いしてか、5日が過ぎ、1週間経っても変化がない。あわてて水やりをしたり、足らずに育苗トレーを室内に持ち込んだりする。冷えた日の夜間だけ薪ストーブで暖まった室内に置こう、と考えたわけだが、どうもそれが悪かったらしい。

 2週間目ごろから徐々に発芽(すでに根は出ていた)も始まったが、4,5粒に白いカビ状のものが付着し腐ってしまった。うろたえて水やりが多すぎたか、ストーブの熱がよくなかったか。赤褐色に塗られた防カビ剤も効かなかったのだ。

 結果、16粒中11粒が発芽して育苗中。発芽率70パーセント強といったところか。こうした種の発芽率は、だいたい80パーセントが普通だから、まあまあの結果ということにしておこう。

 一方、自家採種組はまったくの惨敗だった。発芽したのは16粒中たった3粒というのでは、自家採種などと大きな声で言えない。播種の遅れや防カビ剤なしを差し引いてもひどい結果で、採種の方法が間違っていたのか。それとも採った種の保存方法が悪かったのか。

 ちなみに種は軒下に吊った網に入れておいたのだが、あるネット情報では冷蔵庫での保存をすすめている。今年はそれを試すことにする。

おまけのトピックス。
 先日食べたスギタケを放射線検査に出してみた。いまさら、と思わぬでもないが、市の施設が無料で測定してくれる。来年以降も食べるための検査だが、こうした施設が存在すること自体が普通ではない。
 それにしても測定する検体を500グラムも用意しなくてはならず、測定時に粉砕されて返却もされない。先日、土鍋で調理した3倍ほどの量が必要なのだ。
 しかし、まあ、不検出だったので少しホッとしている。


ケヤキの落ち葉掃き

 つい先日、上記のヘッダー画像を入れ替えたが、中心に写るケヤキがものすごい量の落ち葉を降らせている。その片付けは、わが家にとって冬支度の最初の作業と位置づけているが、しかし樹木というものは、年毎に成長するもので、それにともない散らす落ち葉も年毎に増加している。それを処理するこっちの体力が問題で、年毎に低下の一途をたどるとなれば、いずれ何らかの対策が必要になるだろう。

 それにしても、たった一本でこの量なのだから、都市部に多いケヤキ並木となったらどれほどになるのか、他人事ながら心配してしまう。そのほとんどが焼却処理されているようだが、そのさいダイオキシン類が発生すると問題になったことがある。

 ケヤキの枯れ葉には微量ながら塩素が含まれ、低温(300~500℃程度)で焼却したさいダイオキシン類が生成されるらしい。ちなみに「ごみ焼却」は、通常700℃以上の高温で燃やされているため、そのときには発生しないようだが、冷却装置や低温で作動する集塵装置内での生成が避けられないのだ。

 もっともケヤキの塩素は微量で、塩化ビニール類での発生に比べると、800分の1というからほとんど問題はない。ところがたとえ微量であっても発がん性のある物質なのだからきちんと処理すべきだ、と声高に発言する人々もいるわけだ。

 そう言えば、わが集落ではケヤキの薪は囲炉裏では燃やさない。煙が眼にわるいから、と聞いたことがあるが、ひょっとしたら発生するダイオキシン類が原因になっているのだろうか。このあたりよく調べてみないとわからないが、もともとすべての煙には有害な一面があるのも事実だ。

 たばこの煙は、目にしみるだけでなく肺がんの原因でもあるし、燻製の煙が腐敗防止に役立つかわり、すくなからず発がん物質を含んでいる。それを承知で暮らしてきたのだから、枯れ葉に含まれる微量塩素に目くじらを立てる必要はないのかもしれない。

 ついでながら塩素と塩はちがう。塩つまり食塩は、塩素とナトリウムが結びついた塩化ナトリウムのことだ。塩は安定した化合物で、融点800℃、沸点1413℃と高く、焼却炉程度の熱では塩素の遊離はない。したがって焼き鳥やサンマに塩をふりかけて焼いても、食塩からの新たなダイオキシン発生はないということになる。万が一、高温になって塩素が分離されてもダイオキシン類の生成温度を超えているし、鶏肉や魚はあとかたもなく燃え尽きてしまっているだろう。

 ともあれ、わが家のケヤキの枯れ葉は焼却されず、ダイオキシン類発生の心配はない。軽トラに4、5台分も運んでヤギ糞堆肥として役立てきたが、そのヤギもいなくなったので、たぶん最後の堆肥づくりとなるだろう。

 そこで今年は、茗荷畑のマルチ代わりに敷詰め、風で飛ばされないよう、こんなふうにネットで抑えた。ヤギ放牧場に害獣除けに張ってあったネットの再利用だ。