薪割り2017

 コロ薪小屋の完成をうけて、今年も薪割りをはじめた。しかし秋に割ったばかりの薪をすぐ燃やすことはない。水分が抜け切れていない薪は燃えにくく、無理に燃やしても温度があがらず、煙ばかりが多くて煙突を詰まらせる原因なるからだ。

 わが家では、春先から梅雨前を薪割りの季節とし、1年から2年間ほど乾かしてから燃やすようにしている。しかし今年は、原木入手が梅雨時になってしまい、すこしでも早く割ってしまいたい事情は前に書き触れた。

 使っているのはやたら重い薪割り機だ。車輪付だが、敷地は舗装されていないので役には立たず、バックフォーがなければセットすら出来ない。
 と書いて思いついたが、この薪割り機導入の顛末にふれるのも一興か。

 田舎暮らしをはじめて20年ほどは、手割りで過ごしてきた。薪を割ること自体を楽しんだ時代もあったが、年に6トン近くの薪づくりだから、70歳近くになるとさすがにしんどい。いよいよ薪割り機導入かと考えた。

 油圧式のエンジン薪割り機については、前々から考えていた。しかし、これまで使っていた広葉樹を割るとなると、破砕力20トン級が必要だし、そうした大型機の国産機はなく、多くはアメリカやカナダ製で5~60万円とべらぼうな価格。とても買えやしない。

 そんな気持ちがオークションで見かけた薪割り機に入札させたらしい。たしか5万5千円ほどの最低価格だったから、どうみても冗談半分。しかし、どうしたはずみか落札してしまうのだから、いやもう、びっくり。

 運賃2万円で運ばれてきたのは、重さ350キロ・破砕力270トンの大型機。ただし半製品で自分で組み上げねばならず、その説明書も怪しげな英文で書かれている。そう、中国製だったのである。

 なんとか組み上げ、油圧の作動油やエンジンオイルを別途購入。エンジンをスタートさせると、割り刃は遅いものの動きはスムーズ。早速はじめた割り作業も問題なかったが、ほどなく故障。

 しかもぞくぞく発生。作動油の低圧ホースのひび割れ・シリンダー固定のU字ボルト破損・振動による各所のボルト脱落etc.……。1年目は薪割り作業より修理のほうが時間がかかる始末。それが中国製の現実なのだろうが、なに、かつてのmade in Japanもそうだったのだ。

 以来、曲がりなりにも5年ほども使えているから、元は取れた感じだろうか。なにせ破砕力27トンは強力で、繊維のねじれたケヤキやカシ材もむしりとるように割れてしまう。割り刃の遅い動きにイライラさせられたが、慣れてしまえばさほど気にならず、かえって安全かと思えるようになった。

 かかりが悪かったエンジンだが、停止するとき電気スイッチを使わず、燃料コックを閉めて自然停止させれば、スムースに再起動する。キャブの燃料を空にさせてしまうのがコツのようで、今年の作業はごくごく快調だった。

 やや余談だが、玉切りのさいの切り屑は、「なるべく回収してね」とヤギ担当の奥さんに言われている。ヤギ糞掃除に使うととても具合がよいらしい。

 先週まで話題にしていた寸足らずのコロ薪は、全薪量の10分の1ほどもある。こんな感じに新設されたコロ薪小屋に納まり、やがては火持ちのよい薪として重宝するのだ。

コロ薪小屋再建③

 古いコロ薪小屋は、母屋裏手の斜面にむりやり建てたものだ。ブロックを礎石代わりに置いてみたが、土固めもせず高さも十分ではなかったため、運び入れた薪の重さでブロックが沈み込んでしまった。ジャッキで上げてレンガを差し入れてみたが足らず、バックフォーで引っ張って斜めになったポストを起こしたりした。

 つまり斜面なりに傾斜した床に、まっすぐポストが立っている状態。いわゆる菱形小屋になっていたわけで、それでも10年以上は薪小屋として使えたのだから、まあまあ文句は言えない。

 パレットを利用するのだから斜めにポストを差し込むわけにはいかない。いろいろ考えたすえ、こんなふうな階段式土台ということになった。余ったU字溝を礎石に利用し、パレットの一部を重ねれば何とか水平になる。これでポストは垂直に建てられるわけだ。

 ただし樹脂製のパレットは堅いようでも案外やわらかい。底面に空間が出来たまま重量をかけると、長い間には変形してしまう。そこで底面全体で保持できるよう段差部分に土を運び入れたが、これがけっこう重労働だった。

 U字溝のずれ止めにプラスチック杭を打ち込み、ポスト4本を垂直に建て込んでしまう。むろん段差があるのだから、ポスト長はパレットの厚さ分(15センチ)を考慮するわけだが、4本とも寸法や形状が違う。たとえば斜面下側の2本は15センチ長くするが、片流れの下にあたるポストは勾配分短いことになる。

 また片流れ屋根なので工程はかなり簡単だが、ポストだけだと不安定なので、壁となるラティスをある程度張ってしまってから屋根工事に取りかかった。仮筋交いを打ち、ポストの垂直を確かめながらラティスやザラ板を張ってゆく。

 正面の柵は、材料とするラティスの関係で半分ずつの2枚となったが、あるいはこのほうが使いやすいかもしれない。敷居がわりの2×6材にずれ止めを打ち、上部は針金で止める。蝶番でドァーを取り付けるより丈夫だろう。

 そんなこんなでコロ薪小屋が2棟完成したが、このあとの薪割り作業を考えると、いささかうんざりしてくる。

コロ薪小屋再建②

 4本のポストを梁でつないだあと、4寸の角材で束柱を建てた。屋根勾配を3寸としたのは、昨年のデッキ屋根工事で残った材料なので、それ以上の長さに出来なかったためだが、後述する「棟包み」とたまたま一致した。

 梁と棟木とした2×6材に差し込むためのホゾを彫る。当然、上下の向きを90度変えておき、取り付けたあとはビス留めしておく。

 つづいて垂木を取り付ける。材料はいんご(1寸5分角)を使い、横桟はいんにっさん(1寸2分×1寸3分角)を使った。この二つはさすがに手持ち材がないので、屋根材のポリカ波板とともに新たに購入。

 長いビスを使って脳天止めしたが、不安定なので屋根上には乗れない。脚立や足場を利用するわけだが、45センチ間隔の間に入り込むのに苦労した。近ごろの肥満気味を実感する。
 また部材は塗装をすませてから固定した。とくに足場が必要な場所は前もって塗装するほうがずっと楽で、低い位置なら奥さんにお願いする、というのがセルフビルダーの常套手段だ。

 それにしても使っているインパクトドライバーはいかにも古い。20数年前の母屋建築時に購入したものだが、まだまだ使えている。

 古いと言えば、壁に張ったラティスも旧コロ薪小屋に使っていたものだ。腐りにくいウエスタンレッドシーダー製だが、15年近くも雨に濡れたため、腐食部分を斬り落として再利用した。

 寸法の合わない部分や足らない所には、ヤギ小屋に使ったザラ板(モルタルや左官下地の板。ラス板とも言う)を張る。余り物や古材をフルに使った「古フル建築」とでも名付けようか。

 屋根には長さ6尺のポリカ波板6枚を張った。3枚で1間四方になるので、切り妻の両方に流し、ステンレスの波板ビスで固定した。セルフビスのはずだが、滑ってしまうので下穴をあけたほうが仕事がずっと早かった。
 ちなみに購入したポリカは両面耐候性だった。低価格のポリカには、耐候性能が片面だけというのがあるので要注意。

 切り妻の合わせ部分には、安かった既製の「棟包み」を使用した。内側に木桟を取り付け、かぶせたあと横から傘クギで固定。足らない部分に塩ビ板を使ってこんなふうに取り付けてみたが、はたして正しい使い方なのかはわからない。

 雨漏りしなければ「それでよし」としたが、残る1棟にはちょっとした問題があるのだ。

コロ薪小屋再建①

 とにかく早いところ薪を割らなくちゃならない。ひさしぶりに薪の原木が入手出来たのはいいのだが、まずいことに梅雨時だったのが原因だ。これを断ると何時になるかわからないので運んでもらったが、ご承知のように夏の天候不順で、キノコが生えかかっている。

 その薪割りの前には、コロ薪(薪の端材)を収納する小屋を建て直すつもり……と昨年9月の投稿にも書いてある。母屋裏手の斜面に建てたものだが、土台としたブロックが沈んでポストが腐食し、床も抜けてしまっている。補強ではとても追いつかない状況なのだ。

 新しい小屋は、基礎にパレットを利用する。樹脂製で腐らず、空洞部分があるため湿気対策にも有効だろう。薪の置き場も少ないので、切妻と片流れと屋根型をかえて2棟建てようかと考えた。

 主な材料は、昨年解体した旧デッキで使っていた丸太プランター材。腐食防止の注入材だからまだまだ使え、これを製材してポストや梁に利用する。
 すこし余談だが、新しいチエンソー製材アタッチメントをamazon,comで見かけた。手持ちの製材アタッチメントのようにアルミレールを使用せず、2×6材そのものをガイドにする形式のようで、機構が単純なのは好ましい。低価格だし、案外使えそうな感じだった。

 チェンソー製材したポストは、パレットに差し込むためのホゾを刻む。ちなみにパレットにはさまざまな形があり、ポストを差し込めろようなものを選んでオークション入手したのだ。

 ホゾ加工は、さすがにチェンソーではむずかしい。そこで一度買い損ねたブラックアンドデッカー製の電動レシプロソーを改めて購入した。どちらかといえばアマチュア向きの機器のようだが、その低価格ひかれたわけで、おどろいたことに注文したら翌日午前中に配達されてきた。

 あまり芳しくない製品レビユーだったが、まあまあ使える。例えば「振動がひどく危ない」との評価があったが、チェンソーを使いなれた身にはオモチャのようなもので全然気にならず、丸ノコより安全だろう。

 切れ味は値段相応といったところ。切り始めに振動でずれやすいので、手鋸の要領で切り目を入れてからスイッチONするとよい。また切断中は、手鋸のように前後させて鋸くずを排出させる。そのさい押しているときのほうが切れている感じがする。
「なるほど」洋風のノコギリは押して切るのだった。

 ちなみにパレットの穴に合わせたホゾは、5センチほどの長さしかないが、ずれ止めのためだからこれで十分。
 またパレットは、平らに整地したあと防水シートを敷いたうえに設置してある。すこしでも湿気が上らないようにと考えたわけだ。

 製材と刻みをすませたポストを4本をパレットに差し込み、梁をコーチボルトで取り付けてその日の作業は終了した。