排気温センサー点灯

 軽トラックの排気温センサーが異常を知らせている。メーターパネルにはいくつかの警告灯が表示され、エンジンが異常なく駆動すればすべて消える仕組みだが、排気マフラーのマークだけが消えないのだ。

 排気温つまり排気ダクトに異常な高温が検知されると点灯する。ネット情報では枯れ草など燃えやすい場所を避けて停車し、エンジンを止めて排気ダクトを冷やしたあと、徐行して修理工場に行くよう勧めている。

 しかし排気ダクトを点検したかぎりでは、それほどの高温には至っておらず、火災が発生するほど差し迫った感じはない。調べた情報によれば、排気温センサー自体の故障が考えられるほか、ちょっとしたエンジン不調が原因となる場合が多く、とくに点火系のトラブルによって排気温が異常上昇することがあるらしい。

 たとえばスパークプラグから火花が飛んでいない場合、未燃焼のガスが排気ダクトに流れて燃えてしまうことがある。当然、排気温が異常上昇してセンサーが感知するわけで、こうしたトラブルが原因になることが多いとの記載がある。

 そう言えばエンジンの吹き上げ不調だった覚えがあり、あるいはスパークプラグが消耗している可能性も考えられ、とりあえず点検を試みることにした。

①まず点検道具として、ソケットレンチセットとT型ハンドルのプラグレンチを用意する。

②ホンダ製アクティ・トラックのエンジン部は、荷台下に格納されている。保護用のゴムマットを外したが、ほとんど掃除をしていないので汚れがひどい。

③点検口は、4か所の六角ボルトで固定されている。手持ちのソケットレンチの14ミリでゆるめたが、むろんスパナやめがねレンチも使用できる。

④アクティ・トラックのエンジンは3気筒。

⑤プラグ部分をケースで覆っているため、点火コードの先は長いソケットを通してプラグに接続する。コードを一つずつ引きぬいてテストしてみると、どれも同じように回転不調になる。つまり3本のプラグは正常に点火しているようだが、このさいだから全部のプラグを外して点検することにした。

⑥⑦⑧コードソケットをはずしてもプラグは見えない。T型ハンドルのプラグレンチを差し込んでの手探り作業になるが、さほどむずかしくはない。ただし深さがあるので、ある程度の長さのあるT型ハンドルが必要だ。

 外した3本のプラグを比べてみる。1本だけ明らかに黒ずんでいる。点火不良による汚れと見られ、未燃焼ガスが流れて排気ダクトで燃えたと疑われる。原因はこれだろうと思われるが、テスト時に回転不調を起こしていないのはどうしたことか。以前の一時期の故障だったのか、もしくはときどき点火不良になるのかもしれない。

 いずれにしろプラグ交換だが、黒ずんだ1本だけでよいかどうか。完全を期して3本すべて新品にしたが、該当するプラグは2本セット物しか販売されていない。余った1本は予備にすることで交換作業を終了させた。

 しかしセンサーは点火したままだ。そこでさらに調べてみると、排気温センサーにはバイメタルなどのセンサー式とヒューズ式があり、アクティ・トラックが採用するヒューズ式は、一度感知するとヒューズが焼け落ちて復帰しない。

 どうやらセンサー自体の交換が必要のようだが、とりあえずの原因を取り除いたと判断できるので、センサー交換は数ヶ月後の車検を待つことにした。