ショルダーハム・レシピ変更

 年明けになっての初燻製を行った。正月料理の用意をするとき、一緒に漬け込みをする関係でちょうどこのころ燻煙作業になるのだろう。去年の記事をのぞいてみると、同じくショルダーハムをつくっていた。

 安価な輸入肉の肩ロース約2.5㎏を半分にする。脂肪の少ないほうを低温調理でチャーシューに使い、残りを燻製した。例年より量が少ないが、いくつか試してみたいことがあるためで、結果がよければもう一度つくるつもりだ。

●テスト① 漬け込みは乾塩法で行ない、岩塩に混ぜる三温糖をハチミツに変えてみた。以前、高知のログビルダーが、手造りベーコンにメープルシロップを使っていたのを思い出し、そこでハチミツではどうか、とテストすることにした。

●テスト② ネット情報を参考に、タマネギとともにリンゴのスライスを漬け込んでみた。たまたま冷蔵庫に入っていたので……。

●テスト③ 熟成は10日間、1時間おきに水を取り替えて溜め水で脱塩する。この時間を5時間から8時間に増やした。ちなみに肉は金網の上に置き、解けだした塩分が下に溜まるようにした。

●テスト④ 燻煙はいつものように60℃で6時間。70℃2時間のボイルを、低温調理の結果がよかったので64~65℃で3時間に変更した。また茹でるさい、肉を直接湯に入れず、ビニール袋に入れて湯煎状態にした。

 結果は上々だった。塩抜け具合もちょうどよかったし、味もわるくなかった。やはり「塩抜き」が味の決め手になるようだ。そして肉色がすばらしいのは、ボイル方法の変更だろうと思われる。
 リンゴの効果はよくわからない。ハチミツについては、いくつか思いあたるのでさらに調べてからの報告としたい。とりあえず、ショルダーハムのレシピは下記のように変更する。

※肩ロース 1㎏あたりのレシピ
岩塩    30g
ハチミツ  大さじ2(または三温糖15g)
黒コショウ、オールスパイス、セージ、ローレル 各2g
リンゴ、タマネギ   適宜
※冷蔵庫で熟成10日間 溜め水脱塩8時間、燻煙60℃6時間、ボイル64~65℃3時間

 ついでながら肉のしばり方はこんな感じ。

巨大大根

 お雑煮が三日もつづくと、すこしばかり胃がもたれてしまう。このあたりも加齢によるものかと思いあたり、だから七草粥なのだな、と納得してしまった。そこでふと春の七草のひとつ「すずしろ(清白)」、つまり大根を思い出したので、今回の話題にしてみる。

 お隣に届け物に行った奥さんが泣き泣き帰ってきたことがある。
「これ、持っていきなって言われちゃった」
 と大根2本を差し出した。そんなお返しをありがたく頂戴したのはよかったけれど、冬の大根の冷たさに持つ手は凍えて、ついには涙がちょちょぎれそうになってしまった。けれども両手は大根を持っているから拭くこともできず、帰り道の200メートルを涙ながらに歩いてきたらしい。

「ちょっと、なによ、この大根? 絶対持てない」
 と奥さんが、ついつい眉をひそめたのはそうした記憶のせいだったのかもしれない。8キロほど離れた農産物直売所にならんでいた大根は、それほど巨大だったのだ。
「これ、100円だってさ」
「安いけど、”す”が入っているんじゃない?」
 と気が進まない奥さんをお構いなしに、面白がって買ってしまった。となれば当然、調理役をも買って出なくちゃならない。

 大根を調理するさいには「お米のとぎ汁」で下茹でする。苦みやアクが抜け、やわらかさが増して味も染みこみやすくなる。米にふくまれた”でんぷん”の作用らしいので、生米ひと握りを入れ、小一時間ほど茹でることにしている。
 そう言えば、電子レンジで温めたり冷凍すると、大根の細胞壁が壊れて味が染みこみやすいと聞いてテストしたことがあるが、さほどの効果は得られず、何やら苦みも残った気配もあるのでそれっきりにした。

 それにしても見事な大きさだ。輪切りにしても”す”は立っておらず、筋のある皮部分を思い切ってむけるのがうれしいが、あまりに巨大過ぎて三分の一ほどで鍋一杯になってしまった。

 まず焼き目をつけた鶏手羽との煮込みにし、もう一つは、たっぷりの鰹だしに昆布を加えて煮込み、甘めの味噌にきざみ柚をそえて食した。

 どーんと食卓に置いてみれば、そりゃ、まあ、存在感たっぷり……。だが、味のほうもやたら巨大。つまり大味で、すこしも美味くなかった。

「見栄えはいいけど、味も素っ気もありませんね」
 と言われた記憶があるのだけど、はて、いつごろで何のことだったろうか……。