サフランの秋
カメラマンだったころ、一度取材したいと思いながら、とうとう行かずじまいだったのが大分県竹田のサフラン農家だ。 秋が深まるころ、うす暗い納屋の中の何段もの棚の上には、栽培されたサフランの薄紫の花が咲きほこる。香辛料にす…
続きを読む →カメラマンだったころ、一度取材したいと思いながら、とうとう行かずじまいだったのが大分県竹田のサフラン農家だ。 秋が深まるころ、うす暗い納屋の中の何段もの棚の上には、栽培されたサフランの薄紫の花が咲きほこる。香辛料にす…
続きを読む →いずれやらねば、と思っていた懸案にやっと手をつけた。ひどい風雨のときだけだった下屋の妻壁からの雨漏りが、このところ頻繁におこるようになった。外壁に丸太部分が露出したため、妻壁側との防水が完全ではなかったらしい。 あき…
続きを読む →すっかり失念でした。二回にわけた「薪割り」の投稿、予告ではケヤキを囲炉裏では燃やさない、という事象について書く予定で、そのためすこし調べもしたが、けろりと忘れてしまった。驚いたことに都市部に多いケヤキ並木の落ち葉処理に、…
続きを読む →四月に入ってすぐ、ジャガイモを植え付けた。他の地方にくらべて遅れ気味のようだが、なにせ日光は春が遅い。せっかく萌芽したところを遅霜にやられて全滅したことが何度もあるので、気温の見きわめがとてもむずかしいのだ。 じじつ一昨…
続きを読む →カメラマンの修業時代に、デザイナー志望の仲間と「レコードジャケット」づくりに熱中したことがある。ただし仕事ではなく売り込み用のサンプルであって、あれやこれや工夫してつくりあげると、わずかなコネを頼りにレコード会社に持込…
続きを読む →イソップ物語をあらためて調べたとき「ほう、そうだったのか」とひどく驚いた記憶がある。今月に電子配信した『本多の狐』やその続編『竜の見た夢』を書いたころの話だ。『天草本伊曽保物語』と呼ばれる資料が、吉利支丹信徒に読まれた…
続きを読む →応募した作品が授賞して小説家デビューをはたしてホッとしていると、こう言われることが多い。 「次作は続編を……」 これは担当編集者のきまり文句のようなもので、もちろん新人作家としたら否応もないものだ。はい、わかりました…
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