寒い日の具沢山スープ

 先週、異常なほどの暖冬ぶりに書きふれた。いわゆる南岸低気圧が雪を降らせたあと、大雨になった翌朝の気温がプラスになった。まだ寒の真っ最中の話であって、こんなことは日光に移住してはじめての経験だから、異常気象と思ってもまったく間違いではない。

 ご近所の天然氷の収穫は無理かもしれない、とも書いたところ、寒気が流れ込んで段々に寒くなってきた。四,五日前から朝の気温がマイナスになり、昼間に日差しがあっても薪ストーブを焚きっぱなしになる。お天気の帳尻あわせとはこのことだろう。

 やっと冬らしくなった今朝は、マイナス9.4℃を記録。これでも平年より2,3℃ほども暖かいが、天然氷池には天の恵みだ。氷の厚さもかなり増しただろうから、このまま収穫までがんばってもらいたいが、あまり熱く応援すると氷が溶けてしまうといけない。冷ややかに見守ることにする。

 というのは本題前の与太話。こんな寒い日は温まるにかぎると、ふうふう言いながら食べる具沢山のスープをつくってみた。

 どこかで読んだスペイン風スープのわが家版で、まずは材料を紹介。写真の左上から葉っぱごと刻んだセロリ、タマネギとジャガイモも1センチ角に刻む。あとはエノキタケ、ニンニク、ベーコン、そしてヒヨコ豆の水煮缶詰。

➀多めのオリーブオイルでニンニク、ベーコンを炒め、
②さらにタマネギを入れてよく炒める。煮込むうちに崩れるのでさほど細かく刻まなくてもよい。
③そこにジャガイモ、セロリを投入。さらに水を入れるが量は適当。
④すこし煮込んで野菜類がやわらかになったら、缶詰の水を切ったヒヨコ豆を入れる。
⑤ついでブイヨンキューブを2,3個。
⑥刻んだエノキダケをたっぷり追加する。しみ出すキノコ味がなかなか効果的だったのでわが家のレシピとしている。

⑦さらに煮込めば野菜やエノキのエキスがたっぷり。ここで水を追加して濃度を調節してもいい。
⑧最後にオリーブオイルをドバッと加える。このあたりがスペイン風の謂われだろうか。わが家では半カップほども入れる。
⑨仕上げに黒こしょうを少々。塩味はブイヨンの量や自家製ベーコンの塩分次第で、味見して入れないことも多い。
⑩なにせオリーブオイルたっぷりだから、いかにも油が濃そうだが、煮込むうちに野菜にしみこむのだろうか、思いのほかあっさりと食べられる。

 この料理は私の担当で、いつも大量につくってしまい3,4日と食べつづく。奥さんはやや閉口するようだが、毎日煮返してクタッとなったところが私の好みなのだ。
 そして最後にドロドロになったらカレーライスにしてもわるくない、と書いたりするとやたらにケチくさい。

 さらにケチな余談。スープに投入するエノキダケの根元は、汚れた部分を切り捨てて、たっぷりのバターでソテーする。まるでホタテの貝柱を思わせる味は、ビールの肴にぴったりである。


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