冬の点景2020

 まったくの異常気象……。こんなふうに書きはじめるのは何度目か。いまさらの話題じゃないし、このまま春というわけにはいかないだろうな、と思っていたら一転の雪景色になった。

 いわゆる南岸低気圧による大雪情報が出され、さかんに警戒を呼びかけていたけど、夜が明けたらそれなりの積雪。積み上げた薪原木も雪に埋もれて、肩こり解消の薪割り作業はいますこし先にするしかないか。

 ところが気味悪いほどの暖冬だから、途中から雨が混じり、そのまま本降りになって翌日にはすっかり消えてしまった。まだ立春まえの寒の内だというのに、本降り雨とはどうしたことか。やはり異常というほかはない。

 こんなバカ陽気に困り果てているのがご近所の天然氷池だ。いつもの年なら年明け早々、厚さ15センチに成長した天然氷を切り出しているはずだが、わずか5センチほどでは収穫するどころか、上に乗っての雪かき作業だって危なくて出来はしない。

 2月になっての冷え込みがあればいいのだが、報道されるている気圧配置は、まるで「なたね梅雨」のようだったので、今後もあまり期待はできない。あるいはこのまま収穫ゼロで終わるのかもしれない。

 話題一転……。わが家のデッキファームでは、秋に種を蒔いた「ハニーケール」がなかなかに好評。暖かい陽気も作用してのことだろうけど、葉の茂りも順調で、4、5枚ずつ切りとっては炒めものやうどんの具に重宝してつかっていた。

 と、過去形で書いたりするのは、よせばいいのに冬枯れ時の野鳥のエサにと、デッキにリンゴを置いたのが間違いだった。馴れ馴れしいヒヨドリがさっそくリンゴをついばみ始めたまではよいけれど、すぐ横に「ハニーケール」があるのをすっかり忘れていた。

 現れたヒヨドリ君、リンゴに飽きたか、口直しのつもりか、隣に茂っている葉っぱをひょいと突っついてみたら、その名のとおりの甘さに、すっかりやみつきになったらしい。以来、仲間と語らっては毎朝来襲。三日も経たずにご覧のとおりのまる裸にされてしまった。

 ところが一緒に種まきした「カルビーグリーン」には手も触れない。葉物野菜の「チシャ」の一種で、肉をつつんで食べる「サンチュ」と同じく「レタス」の仲間。青々した葉はいかにも旨そうだが、ヒヨドリ君のお気には召さなかったらしい。
 そんな残り物だろうけど、ありがたく頂くのもわが家の冬の風景ということになる。


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