記録的な暖冬ながら薪ストーブのシーズン真っただ中。同時に葉が枯れ落ちたいまごろは、広葉樹の伐採が多い時期でもある。
「雑木、伐るよ。薪にするかい?」
との声がかかると、ありがたいとばかりにチェンソー片手に飛び出してゆく。いつも突然だが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
伐採現場は1キロほど離れた隣り集落。実が成っても収穫する人もおらず、熊を呼ぶばかりの栗の木3本、同じく熟した実を目当てに猿がむらがる柿の木、大きくなりすぎて倒れそうな水木を伐採するが、いずれも道路沿いなので、倒した木をすばやく片付けないと交通の邪魔になる。
各戸それぞれチェンソー常備の山間集落ゆえに、こうした作業はお手のものだが、なにせ限界集落。ひょっとしたら76歳のこっちが一番若年か、というメンバーだから思ったほどは捗(はか)がいかない。たまたま作業していたバックフォーの応援をたのんで何とか道路を空けた。
軽トラックで自宅までの運搬するが、薪として使える腕ほどの太さが限界で、それ以上になると長い原木のままでは重くて積み込めない。ストーブ・サイズに短く玉切りしては何度も往復する。
軽トラの積載重量は350キロ。正確に計ったわけではないが、たぶん重量オーバーだろうほどに積み込むわけだが、玉切りして積み込み、自宅で下ろすといった作業も、せいぜい一日で2回がいいところ。まして太い部分は、たとえ玉切りしても持ち上げられる重さじゃない。
そこで造林業の隣家にユニック車出動をお願いしたら、仕事休みの日曜日に、本格的なローダークレーン車で駆けつけてくれて、作業はまたたくまに終了する。根の太さ80センチ近い水木は、重さ1.5トンを超えるらしい。それを軽々つかみ挙げるのだから、さすがは機械力だ。
そんなこんなで薪割り機周りに10トン近い薪原木が集まった。およそのところ2年分の薪ができそうだが、割り作業は春になってからだろう。それらの薪は、2020年とわかるよう20の印を書き入れて積み上げられることになる。
いま現在、薪の在庫はかなり潤沢だ。たとえば置き場所がなくて薪割り機横に積み上げてあるのは、幅2m×奥行き1.2m×高さ1.4m=3.3立米ほどの量だが、ひと冬で燃やす量にすこし足らないぐらい。
西側デッキにはその2倍ほどの、高さ1.4m二列に積み上げたものが6m分。玄関脇やヤギ小屋に積み上げた分、二つある短い薪用のコロ薪小屋のそれをあわせると、都合3年分はゆうに貯まっているだろうか。
ちなみに今年は、北側のログ壁に積みあげてあった17年ものを10月から燃やしているが、残りは1月中に使ってしまうだろう。春になったら薪割り機横の分をここに移し替える予定でいる。
ついでながら部屋の戸口までは、画面にある手押し車で運ぶが、今年は積雪がないので大助かりだけど、そろそろドカッと降りそうな予感もする。
そうした薪事情に新たな原木入手が重なった。つまり割った薪の置き場に困るわけで、何かしら方法を考えねばならないだろうが、ちょっとしたアイデアがある。割り作業をお伝えするときにでもご披露しようか。