ぶどう他目的栽培

 ぶどうの苗木を植えた。デッキの屋根架け工事が終わるころ、ふと思いついてネット注文したもので、芽が冬眠状態にあるうちに植えなくてはならない。草刈りカバー代わりのプラスチックの筒をセットして5本植え付けた。

 いわゆる衝動買いだったので細かいいきさつは忘れたけど、購入したのは巨峰の改良種ピオーネと青い粒のポートランド種で、どちらも500円ほどと案外低価格だったので、ついついポチッてしまったのだ。

 それまでぶどうの栽培は、地中海地方のような温暖な気候がむいている、となんとなく考えていたが、苗木ショップの宣伝文句によれば、寒冷な痩せ地でもよく育つらしい。そう言えば、と北海道の十勝ワインを取材したことを思いだし、ならば日光でも十分育つだろうと思ったわけだ。 


 鉢植え以外であれば肥料もさほど必要がなく、十分な日照とやや乾燥した地質のほうが甘みがのりやすいとも書いてある。谷間にあるわが家はすこし湿気が多いから、実りのためには水はけのよい場所がいいわけだが、植え付け場所はもう決めてある。


 とくに東側に植え付けた苗は、葉がよく茂るよう肥料調整して、おおいに日除けに役だってほしいと考えている。真夏のころ、真東からあがる朝日にじりじり照らされると、室温がたちまち急上昇してしまう。
 こんなふうにぶどうの葉陰になれば、いくらかでも涼しくなるのでは、と目論んでいるわけで、ふつうの樹木より成長が早そうだし、枝ぶりも自由になるという利点も考えた。

 言ってみれば収穫以外の他目的栽培だが、南側デッキの柱下に植えた苗木がたわわにぶどうの房を実らせる、なんて光景をもちろん否定はしない。

ショルダーハムを焼く

P1260277 予定した記事があったが、やはり気になるので、仕上がったショルダーハムをステーキに焼いてみた。
 肉色はわるくない。どちらかと言えばロースハムが淡いピンクに仕上がるのにくらべ、肩ロースは肉色があざやかなのが特長だが、やや生っぽくも見える。もちろん味には関係ないのだが、ホイルの時間をいますこし長くすればよかったかもしれない。

 またロースハムとは脂肪の付き方がまるで違う。肉全体に脂肪が放射状に入っているショルダーハムは、ステーキに焼いたときの食味が絶品なのだ。
 2.5センチの厚さに切り、1時間ほど常温にもどしてから焼く。塩もコショウも振りかけず、少量のバターかオリーブオイルで表面をカリッとさせればよい。問題はハム特有の塩味を活かすソースの選び方か。
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 ハムステーキにはパインアップルソースが定番だ。ハムの塩味とパインアップルの甘酸っぱさの組み合わせがよいらしいから、冷蔵庫に入っていたキウイフルーツ(赤色)とリンゴで即席ソースをつくり、ポテトサラダをあしらった。

 結果、キウイフルーツがよかった。ハムの塩っ気と複雑なスパイス味。さらに加わる甘みと酸味が絶妙のハーモニー……などと、どこかで聞いたような陳腐な感想になってしまうが、醤油で食するのもわるくなかった。

ショルダーハム・その2

 去年(と言っても先月)に仕込んだショルダーハムは、約2週間の熟成をすませて塩抜きした。塩に漬け込んだものをわざわざ塩抜きするのは、なんだか無駄なような気がする。ならば塩分を少なくすれば、と誰しも考えるもので、何度か試したものの結果はかんばしくない。味にむらがあったり、うま味がなかったりで、いまではきっちり漬け込み・塩抜きをするようにしている。

 漬け込みのスパイスやハーブをきれいに洗い流したあと、溜め水にしずめて塩をぬく。スモークサーモンなどの冷燻では、水を流しながら塩をぬくのは、雑菌を除去する効果もあるからだ。ベーコンやハムの温燻では、溜め水で塩をぬく方法でよい。1時間に1回ほど水を替え、途中、小片を焼いて味見をしながら5時間かけた。この作業で味が決まる。

 つづいて風乾する。陰干しで風にあてて乾燥させるわけだが、いまではピチットシートを使用することが多い。キッチンペーパーや吸水タオルでよく水分を拭いとる。食品アルコールを併用すると万全で、ピチットシートでぐるりと包んで冷蔵庫に一晩おく。
 翌朝になると、シートがべっとり水分を吸い取ってくれている。指で触ってべたっとする程度に水分がぬけていれば充分だ。

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 ロースハムの場合、丸く整えるためさらし布で巻いたりするが、今回は形がよい肩ロースなのでタコ糸で縛りつけるだけにした。また浸透セロファンで包んだりするようだが、効果がよくわからないので使ったことは一度もない。肉の縛り方はネットで調べられる。

 燻煙は、徐々に温度をあげる感じで、最終的に60℃~65℃で6時間ほど。ウイスキー樽を利用したスモーカー下段に、炭火コンロをセット。薪のサクラ材を直接のせて発煙させている。ときにはナラやブナの薪を使うが、いずれにしろスモーク用チップを購入したことはない。
 余談だが、チップづくりにチェンソーを使うのは禁物だ。チェンソーオイルが混入した煙は、味にも健康にもよくないだろう。

 殺菌のためボイルする。大鍋の湯温は70℃を保つこと。温度が高すぎると肉が煮えて硬くなり、パサついてしまうためで、温度計を使い、つきっきりで火の調節をするぐらいの覚悟が必要。肉の中心温度63℃で30分が原則らしいが、およそ1時間30分~2時間ボイルすればよい。

 氷を入れた水で急速に冷やす。これで肉がしまり、水分を拭って冷蔵庫に入れて乾燥させれば出来上がりだ。
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 すぐにも味わってみたいし、仕上がりも気になるが、一晩置いたほうが味が落ち着く。明日になったら切ってみよう。
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ショルダーハム

 すっかり歳末ムードのスーパーマーケットで肩ロースの塊肉をみつけた。2㎏超とハムづくりにもってこいの大きさで、宇都宮の食材市場で買うより少しお高いようだが、往復80キロのドライブを考えれば納得できる、と衝動買いをした。

 ハムとは豚のモモ肉のことだ。肩肉を使った場合にはショルダーハムとでも称するのだろうか。ちなみにハムとベーコンは、ともに燻製された加工肉をいうが、モモ肉とバラ肉などの使用する部位が違うほか、製造過程でボイルあるいはスチームで温度を加えてあればハム、燻製時の熱だけであればベーコンということになっている。もっとも市販されているベーコンのほとんどは熱処理され、そのあたりの差はなくなってしまった。

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 2㎏ほどの少量肉なので、乾塩法で付け込んだ。今回はネット情報で見かけたタマネギとリンゴのスライスを加えて熟成させることにした。

 肉1㎏あたり、粗塩30g。砂糖20g。黒コショウ3g。オールスパイス5g。ローレル2g。セージ2g。コンソメ顆粒4g。

 全体に肉刺しをほどこし、上記スパイスをすりこむ。適宜の玉ねぎとリンゴのスライスとともにビニール袋に入れ、空気をぬいて冷蔵庫で保存。一日一回ひっくり返して十日から二週間ほど熟成させる。

p1260110 そのあと水洗による塩抜き、風乾、燻煙、ボイルと作業はつづくが、それは来年あらためて報告する。

太陽光パネル

 設置工事は半月以上前だったが、東京電力の検査がようやく終了し、太陽光発電がはじまった。設置したパネルは4KWほどだからさしたる発電量ではないが、再生可能エネルギー利用という点では、なかなかに実感がある。

 じつのところわが家では、すでにOMソーラーを主屋建築時に設置している。東京芸術大学教授だった奥村昭雄氏が誕生させた太陽熱利用システムだが、20数年前の主屋建築にさいして、この太陽熱利用か、いっそ太陽光発電にするか、でずいぶん悩んだ記憶がある。

 両者とも設置コストはさほど変わらなかったように思う。それでも太陽熱利用とりわけOMソーラーを選んだのは、なにより故障が少ないだろう、という目論見によった。
 太陽光発電は、当時の最新テクノロジーともいうべきもので話題性十分だったが、耐久性にいささかの弱点があるようで、発電保証なども現在の半分以下、というのではちょっと二の足を踏む。

 一方、屋根の上に水や不凍液を通して温める太陽熱温水器は、当時はかなり人気があったようだが、屋根全体にパイプを張り巡らせる工事は、けっこう大変だったし漏水などの故障がつきものだ。
 比べてOMソーラーは、空気を暖めて循環させる。つまり屋根の上に温室をつくり、冬でも70から80℃になった空気をダクトで床下に送り、床コンクリートに蓄熱させて暖房に使うシステム。稼働するのは大型の換気扇一台で、耐久性については折り紙付だ。20数年間に故障はない。落雷でマイコンのショート事故が二度あったくらいで、とにかく晴れていればストーブは焚かないし、夜間も蓄熱でかなり暖かい。
 ついでながら夏は、そのまま戸外に排出するが、そのさいラジエーター(熱交換器)を通過させて温水を作ってしまうのだ。

 この蓄熱、という考え方がピタッと来た。それこそがログハウスを選択する条件のひとつだったからだが、ログハウスとOMソーラーの相性の良さについては、いずれじっくりと語ろうかと考えている。
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p1250946 ともあれ太陽光発電だ。まず設置コストが半分以下になった。故障率も少なく、10年の発電保証もつくようになった。そこで新設したデッキの屋根部分に設置することになり、東電の検査も終了して、余剰電力の売電も可能になったわけだ。
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野山を切り開いてパネルを敷き詰めるようでは、ある種の環境破壊をともない、再生エネルギー利用と双手をあげて賛成、というわけにはいかないが、デッキ屋根の利用であるから、下からは見えないのも気に入っている。ちなみに5月の杉伐採は、太陽光パネルが陰らないための第一ステップでもあったのだ。

お稲荷さんの真鯛

 鎮守稲荷の収穫祭があったらしく、隣家の氏子役からお供えの真鯛をいただいた。やもめ暮しで調理の時間がないのか、はたまた持て余したか、ともあれ参列も寄付もしなかったのだけど、ありがたく頂戴した。

 普通なら塩焼きか鯛飯にしたいところだが、お供えだから一日ぐらいは常温に置かれたはずで、下ごしらえのあと入念に水で流した。腹の中に塩コショウしてしばらく置き、自家製ニンニクたっぷりのオリーブオイルで両面強く焼き付けたあと、白ワイン、トマトを入れ、これまた自家製のサフランでよく煮付け、仕上げにデッキのパセリをみじんにして散らした。言ってみればアクアバッツアのサフラン味といったところ。
 これにアサリかムール貝を入れると、より濃厚な出汁がくわわって絶品の味になる。そうそう、前回話題にした海辺キャンプのころだったら、浜辺の岩にはりついたフジツボかカメノテを入れたくなるところだ。

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p1250931 食卓に出したら、ひょいと横からカメラが顔を出した。どうやら奥さんのブログネタにもなったらしい。二回つづけて料理じゃつまらん、とこちらは遠慮するつもりだったが、ネタ切れで強行掲載とあいなった。

 立てつづけに配信している与一郎シリーズも5作目。8月からはじまったKU(Kindle Unlimited)では好評のようで、尻上がりに既読ページが増加しています。
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黒ソイの煮付け

 スーパーマーケットで黒ソイが安く売られていた。日光市が海無し県の最内陸地ということもあってか、スーパーの魚売り場の品揃えはやや寂しいが、ときおり驚くほど低い価格で売られていることがある。めずらしい種類ほどその傾向がみえるのは、馴染みがないというのが理由なのだろう。

 どこかで書いたかもしれないが、カメラマンだったころ、水中写真を手がけて水中ダイビングにのめり込んだ時期がある。何日も海辺でキャンプで自炊……ということが多く、必然、魚ばかりを喰らうことになる。新鮮だから刺身が一番だが、すぐに飽きてしまい、そんなときに案外好評だったのが煮付け料理だった。

 煮付けとなればカサゴやメバルが多かったが、黒ソイもメバル属。キャンプをよく張った伊豆半島ではみかけない北方系で、生きが良ければ刺身も美味らしい。

 まずはウロコ取り。ウロコには臭みの元になる雑菌が多く付着している。すこしでも残っていると、せっかくの味が台無しだ。専用の道具を用意したいが、ペットボトルのキャップを利用する方法もあるらしい。
 ちなみカサゴや黒ソイの背びれなどには、するどい棘があるので注意する。目玉の部分なら棘はなく、滑りにくいので強く押さえられるが、尾びれや背びれを料理用ハサミですべて切り取ってしまってもよい。

 エラや内臓を取り除く。出刃包丁が使いやすいが、慣れていなければ料理用ハサミが便利。あとはよく水洗いする。血の固まりをきれいに洗い流すのが美味しくするコツ。
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 ネット情報を参考に、醤油、みりん、砂糖、酒、生姜で味付け。落しフタをして煮付けるが、魚を裏返すときに身がくずれやすい。煮汁を多めにして泡で煮る感じが良く、スプーンなどで煮汁をかけながら煮てもよい。臭み取りにゴボウを入れた。

p1250873 北方系の魚だから脂肪が多いかと思ったが、案外淡泊でクセがない。十分に美味しかったが、次はすこし味を濃くした飴煮にしてみよう。

舞茸&料理

 友人の建築家からマイタケを頂いた。どうやら日光山中で採集したらしいが、留守中に訪ねてくれたのでくわしい場所はわからない。もっとも聞いたところで話してくれるとはかぎらない。
「きのこのシロ(場所)だけは絶対に教えない。息子には遺言で書き残す」
 という話がまことしやかに語られる土地柄なのだ。

「ご心配でしょうから、調べておきました」
 と放射性検査の分析通知書まで添付してある。いやいやご丁寧なことだが、いまだに心配せねばならないのが現実なのです。
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 計りそこなったけど1㎏はゆうにある立派なマイタケ。さすがは天然物でぷんぷん香ってくるが、はやく調理した方がよさそうだった。いまひとつは黒マイタケらしく、まだ若いものなのでいくらか保存が利きそうだが、なにせ夫婦二人なので食べきるのが大変だろう。

collage_fotor-03①自家製里芋を入れてけんちん汁。
②何はともあれ炊き込みご飯。
③ゴボウと合体のきんぴら。
④湿気った海苔をつかって佃煮。
⑤当然ながらの天ぷら。
⑥ストロガノフ家流のビーフ煮込み。
⑦ネットレシピの豚肉巻き

 と、まあ、三日ほどはマイタケ責めで、やっとこさっとこの完食でした。

ハチ毒・エピペン

 俳句の季語に「冬の蜂」があるけど、花のない冬のチエンソー作業ではちょっと注意が必要だ。越冬中のハチは動作がにぶく、よろよろと動いているが、毒針がないわけではない。ついつい触って刺さされたりする。

 広葉樹とくにカエデやナラを切断すると、含まれた樹液の甘み成分をねらって谷間中のミツバチが集まってくる。とくに回転する刃先は摩擦で熱くなっているため、樹液の匂いが強いのだろう。ときには回転する刃に突入して、はね飛ばされたりするハチもいて、そいつに刺されたりしないか、とヒヤヒヤしながら作業した記憶がある。


 数年前、ハチに刺されてアナフィラキシーショック(激しいアレルギー反応)に見舞われ、病院に駆け込んで点滴を受けたことがある。さいわい入院せずにすんだものの、医師にさんざん脅かされた。
「二度目が危険です。ハチの種類には関係なく、刺されないように注意してください」

p1250811-01 ハチ防除のネット服を購入したりしたが、いつも着ているわけにはいかない。とにかく作業には向かないので、一度も使用していない。

 そこで病院に行ったついでに「エピペン」を処方してもらった。ハチ毒などのアレルギー症状を緩和するため、自己注射する補助治療剤だ。専門医の診断をうけて処方してもらうもので、薬液入りの注射器のほかに練習用トレーナーが入っている。もちろん薬液や針なしの練習器で、上部の青いキャップを外し、太股に強く押しつけて数秒間待てばいい。
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 とにかく使う事態にならないよう願いたいものだ。

月下美人咲く

 狂い咲きかと思っていたが、調べるとそうでもないらしい。また満月か新月の夜に咲く、という俗説も知ったが、満月から3日後の開花だった。

 しかし、ストーブを焚きながら見るのは初めてで、その匂いはいつもに増して強烈。ストーブの暖気と絡み合って何度もクシャミを誘われ、いささか辟易だったが、そもそも熱帯のジャングル原産だから、咲くほうも面食らったことだろう。
 サボテン科クジャクサボテン属で、葉の一部に蕾が形成されるが、正しくは葉状茎といい、大きくて白い花弁や強い香りは、小型のコウモリを誘って受粉させるためらしい。

 それにしてもこの匂い、ひさしく出席しない文壇パーティでみかけた「銀座のおねえさん」方を思い出させた。きらびやかに着飾って宴に華をそえていて、むせるような香りに振りむくと、おひさしぶり、などと微笑まれたりした。夜になると狭斜の町を徘徊するコウモリ族には効果的な匂いだったのだろう。

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p1250728 翌朝、みすぼらしいほどに萎れているのは、しらじら明けの町をトボトボ帰った自分自身のすがたに見えてくる。