薪小屋屋根・緊急張り替え

 雨が降り止むのを待って敷地内を調べてまわった。先日のジャガイモ被害もあってイノシシの跋扈が心配されたからだが、さいわい襲来の兆候はない。

 やれやれと安心して戻りかけ、ふと薪小屋の屋根のうえの木の枝に気づき、取り去ろうとしたときバリッと音がして四角に抜けてしまった。
「なに?」
 おどろいたことに木の枝は屋根材に突き刺さっていたのだ。風に飛ばされて落ちる衝撃で刺さってしまったのだろうけど、それくらい屋根材がヤワになっていたということだ。

 増築したコロ薪小屋の屋根に、プラダンボードを張ったのは、今年の2月末ぐらいだったろうか。3尺×6尺1枚が200円以下とやたらの格安につられて採用、その様子はすでに配信ずみだが、そのさい4年後に燃やす予定の薪だから、それまで耐えてくれるだろうかとやや心配した。

 じつは春先に遊びに来てくれた知多半島のヤギ飼い氏から、耐候性はまったく期待できないと聞いている。どうやら4年をもたせるのは無理のようだが、1年後なら燃やした薪の空きスペースに移せる。そのくらいなら持ってくれるだろうと算段していた。

 ところがわずか4,5ヶ月しか経っていないのに、こんなにボロボロになってしまった。むろん紫外線が原因だろうが、まったくもって想定外の出来事。それにしても変容ぶりの凄さは、劣化したプラスチック類のマイクロ化を思い起こさせてちょっと恐怖する。

 ともあれこのままというわけには行かない。ましてや梅雨どきである。ここで雨に濡らしてカビだらけにしたくはないし、むろん少し様子を見る状況ではない。シート掛けのような仮の雨仕舞いも考えられるが、なにせ今年の梅雨は、突然の大雨が予想される。ここはきっちり対策したほうがよさそうだ。

 そんなわけで屋根の張り替え作業を急遽始めた。耐候性を考えたらポリカーボネート波板が一番だが、マイクロプラスチックの怖さを目の当たりにしたばかりなので幾分か気に染まない。

 たとえばフランス産の屋根材(オンデュリン)ならオシャレだし、50年の耐久性とバツグン性能だが、ポリカにくらべて3倍近い価格となるとちょっと手が出せない。第一、地元では販売されていないので、今日の作業というわけには行かない。背に腹は代えられないと、ポリカ波板を買いにひと走りする。

 小雨のなかの作業となった。まず劣化したプラダンボードの取り外しからはじめるが、なにせボロボロなので手をついただけで抜けてしまう。屋根材ぎりぎりまで薪を入れてあるので落ちる心配はないが、薪にまざらぬよう慎重に撤去した。

 ポリカーボネートの幅は65センチ。重なり5センチで3枚ならべて1間幅とする。ポリカに直接は乗れないが、合板の足場板を使えばよく、この程度の広さなら手をのばせば届くので案外簡単だった。

 透明板用の「波板止め」を一緒に購入。湾曲した抑え板がポリカ製のようで、防水ゴムとステンビスがセットになっている。以前、ポリカの張り作業では、下穴が必要だったが、ビス先に工夫があるのか、下穴なしで止められた。

 そんなわけで張り作業は2時間ほどか。想定外のショックの大きさのわりに思いのほか早く終了。ポリカーボネートの価格もすこし安くなったようで、初めから採用しておけば、こんな二度手間はなかったわけで、配信ずみの記事も追加修正する必要があるだろう。