梅雨明けがやたらと遅れたあと、いきなり猛暑がやって来たけど、はやくも秋植えジャガイモの準備をはじめる時期になった。
初霜が早い日光では無理とされている秋ジャガ栽培だが、涼しい地下室で苗を大きく育て、挿し芽する方法が奏功し、なんとか収穫までたどり着いてきた。
その3回目をむかえる今年の眼目は、収穫した春ジャガを種イモに使うことにある。そのため春ジャガには、自家採種できる品種から「アンデス赤」「グウエン」「さやあかね」の3種を選んで植え付け、イノシシ被害に遭いながらも6月27日に収穫した。
この種イモから苗を育てれば、いわゆる自家採種による二期作になり、種イモを購入せず、年2回の新鮮なイモを収穫できるわけだが、ジャガイモには発芽しない休眠期間があり、これとの兼ね合いが大きな問題だ。
たとえば「アンデス赤」は約62日の休眠期間との情報があり、前述したように収穫は6月27日だったので、8月末にならないと休眠期間が明けない。
それを待っての苗づくりとなると、イモが肥りきらないうちに初霜を迎えることになる。そこで期間を短くする休眠打破を期待して、収穫したイモを窓ぎわに置いて「浴光催芽」を行っておいた。
さらには種イモを冷蔵保存して冬を疑似体験させれば、あるいは発芽が早まる(そんな情報、どこにもないけど)かもしれないと試したりもした。
これらの種イモを「川砂」と「モミガラ薫炭」を半々に混ぜあわせて埋めこみ、発芽と発根を促進させる方法だが、いずれも発芽の兆しはなく、あるいは「休眠打破」効果は期待できないかもしれない。
そこで種イモ(ニシユタカ)を急ぎ購入して万が一に備えることにした。
すでに発芽が始まっているので、こちらの発芽作業はまずは問題ないだろう。一つは芽の部分ごとに切り分け、草木灰をまぶして埋め込み、のこりは丸のママで発芽させる。
さらには放置していた前作の秋ジャガ、つまり去年の秋に収穫し、春に植えのこした「アンデス赤」があるのを思い出し、これらからの苗取りを試してみることにした。こうした芽吹きの中断状態のものなら、あるいは苗が育つかも知れない。
いま一つの「休眠打破」法があるのは、前々から知っていた。ただし、薬剤を使うところから二の足を踏んでいたが、この際だからと「ジベレリン処理」を採用することにした。
ジベレリンは、日本人が世界ではじめて発見した植物ホルモンの一種で、百数十種が発見されて、植物のさまざまな細胞分野での作用が利用されている。たとえば種なしぶどうは、このジベレリン処理によるものとして知られている。
休眠打破、発芽促進の効果もあるようなので、思い切って試してみようというわけだ。近所の農家の店で800円ほどで購入。その説明書によれば、五つほどに小分けされた50㎎の包みを5ℓの水で溶かした10ppm溶液に、30秒間浸せばいいらしい。ただし浸漬したあと、よく乾かしてから植え付けよ、との注意も書かれていた。
そんなわけで結局、用意した「浴光催芽」組と「冬の疑似体験」組のそれぞれ3種の種イモ(A-アンデス赤。G-グウエン。S-さやあかね)に、「ジベレリン未処理」も加えて発芽をテストするなど、なんだか「下手な鉄砲、数撃つ」ような状態になってしまった。
結果については後日の報告ということにしておく。
おまけのトピックス
梅雨明けとともにミョウガが採れだした。病気の発生が去年より少ないのは納豆菌液の効果だろうか。食用になる「花穂」がやや痩せていたのは、長引いた梅雨による日照不足のようで、だんだん肥るようになり、毎日このぐらいを収穫して楽しんでいる。