秋ジャガイモの栽培②

 秋ジャガイモの植え付けは、猿対策用の袋栽培と決めている。この袋栽培についてはサツマイモで先行テストを行い、いまのところ順調に推移している。
 まずはその報告から……。

 ヤギ小屋近くと主屋裏にそれぞれ10数個の土のうを置き、6月初旬に植え付けてみたが、見た目の成長はわるくない。サツマイモは葉ばかりが繁りすぎると「ツルぼけ」となってイモが大きく育たないらしいから、この程度でよいのではないか。

 どちらの土のうも猿が近づきやすい場所だが、まだ荒らされた様子はない。とくに主屋裏は落花生と隣りあわせに植えてあり、1,2度あらわれた「はなれ猿」にほじくり返されて、「ゆで落花生」を楽しみにしていた奥さんがひどく悲しんでいたけど、袋栽培のサツマイモには手を出した気配がない。

 隣家のサツマイモ畑では、猿が掘り起こしたらしい状況が見られる。たぶん同じはなれ猿の犯行だろうし、十分食用に値するイモと見てかじったのだろうが、奇妙な植え方をした袋栽培には手を出し難かったものと思われる。

 そうした状況に心強くして秋ジャガイモを植え付けたが、自立しない土のう袋に土を入れるのが、あんがい面倒だ。災害マニュアルでは土のうづくりは二人一組でと書いてあったり、土のう袋を自立させる「袋スタンド」なども販売されているが、古いペール缶でこんなものを作成してみたところけっこう使える。

 ガソリンスタンドで無料入手したペール缶は、バケツ代わりに重宝しているが、すぐにサビて底に穴が開いたりする。それを利用して底を抜いたものだが、もちろん底を切りやすい樹脂製のバケツでもかまわないだろう。ただしペール缶ほど取っ手がしっかりしていないので、壊れやすいかもしれない。

 秋ジャガは、芽出しをした種イモと、成長した芽を挿してテスト栽培する。10センチほど折り曲げた土のうに土を入れて植えこんだが、ズッキーニを育てた畝の土を利用。酸性土でよいので石灰はなし、元肥もほどこしていない。
 苗の周囲にまいたモミ殻燻炭は、ネキリムシ除けだが効果のほどはわからない。

 イモから分離した苗は、期待したほど成長しておらず、ぶじに育つか心配だが、このまま植え付けてしまう。そして苗高が10センチを超えたころ、土寄せと追肥をほどこす予定だ。そのさい袋の折り曲げをもどして土寄せの余地をつくるわけで、その作業後に、苗の根元部分で袋を閉じてしまう。

 これが袋栽培の主たる目的。たとえ猿どもが苗をひっこ抜いても土の中で育ったイモまでは抜けないし、手を突っこんで掘り出すこともできない。もちろん紐の結びを解く、という能力を猿どもが取得すれば別だけど、それはそれでおもしろい結果だろう。

 とにかく猿どもには、苗を抜いてもイモにはありつけない、と経験させることが第一の眼目。はてさて結果は……。続報をご期待ください。