猛暑つづきで夏野菜のズッキーニが大豊作だ。グリルにしたり、マリネにしたり、はてはぬか漬けにしたり、とあれこれ工夫して食べているけど、毎日5、6本も採れてしまうので完全に持てあまし気味。知り合いに送ったり、強制的プレゼントしたりするけど、いっそ花のうちに食べてしまえば「渉(はか)が行く」のではないか、とおもった。
ズッキーニの花料理はいくつか聞いたことがある。天ぷらにしたり、詰め物をしてフリッターにするレシピがあるけど、なんだかコッテリ重そうだし、この暑さの最中に油で揚げるのもすこしばかりおっくう。
うってつけの花料理がイタリア発のあるブログに掲載されていた。主宰者のお名前が母屋をセルフビルドしたときのOMソーラーと関わりあるようにおもえて(本当に関わりあるか不明だけど)前々から愛読していたブログで、文章と写真に醸し出されるユニークな視点と、日本人から見たイタリア生活が興味深い。
たとえばソラマメを生で食べるのをはじめて知り、生食用ファーベの種を取り寄せて栽培するきっかけになったわけだが、つい先だっての記事で、大量のソラマメをむいた空の莢(さや)を鶏のエサにしようとしたら、「Noooo!!」と叫んだイタリア人夫君がひどくユニーク。莢を奪い返すと手早く料理して、素敵な一品に仕上げてしまうのだ。
料理人にして木工家、加えて稀代の好奇心の持ち主で、石窯を手作りしたり、粉ひき水車小屋の復活には、水車タービンまで製作する多才ぶり。そうした田舎暮らしの達人の花レシピがいかにも美味しそうだし、いかつい指で仕上げる料理の繊細さには、いつもながらいたく感心する。
さっそく達人レシピを真似てみる。あいにく雄花が少なかったので、隣に植えてあるバターナッツの花を2本加え、リコッタチーズの代わりに小さく切ったカマンベールチーズを花に詰める。かるく小麦粉を振り、卵をくぐらせてパン粉をまぶし、少量のオリーブオイルを振りかけて、200℃のオーブンで10分焼いた。
色よく焼けたパン粉が食欲をそそり、サクサクとした食感ともっちりしたカマンベールチーズの味が絶妙だった。詰めたチーズが小さすぎたのがすこし残念。達人レシピにあるようにリコッタチーズとパルメザンチーズ詰めをぜひとも試したいものだ。
ちなみに小さな実がついた雌花も食べられるが、めしべが苦いようなので取り除くほうがよい。ちょうど隣村で持ち寄りパーティーがあったので、卵をくぐらせパン粉をつけた状態で持ち込み、現地のオーブンで焼きあげた。
軽い食感がなかなかに好評だった。