伊曽保物語
イソップ物語をあらためて調べたとき「ほう、そうだったのか」とひどく驚いた記憶がある。今月に電子配信した『本多の狐』やその続編『竜の見た夢』を書いたころの話だ。『天草本伊曽保物語』と呼ばれる資料が、吉利支丹信徒に読まれた…
続きを読む →イソップ物語をあらためて調べたとき「ほう、そうだったのか」とひどく驚いた記憶がある。今月に電子配信した『本多の狐』やその続編『竜の見た夢』を書いたころの話だ。『天草本伊曽保物語』と呼ばれる資料が、吉利支丹信徒に読まれた…
続きを読む →応募した作品が授賞して小説家デビューをはたしてホッとしていると、こう言われることが多い。 「次作は続編を……」 これは担当編集者のきまり文句のようなもので、もちろん新人作家としたら否応もないものだ。はい、わかりました…
続きを読む →猫の瞳が明るいところで縦に細長くなることはよく知られている。樹上生活を長くつづけたネコ科の特徴とばかり思っていたが、そうとも言えないらしい。ネコ科の動物すべてが縦長の瞳というわけではなく、同じように樹上生活を送るヒョウ…
続きを読む →机にむかうのに飽き飽きしていた。東京住いのころだったら、そのまま放り出していただろう。だとすると『本多の狐』という小説は生まれなかったに違いない。 「やりたいことしかやらない」と、すべてを清算して田舎暮らしを選んだとき、…
続きを読む →「涙をふいて」……と歌い出してから、うむむ、とうめいた。あとの歌詞がどうしても出てこない。ま、忘れっぽくなっているからめずらしいことではなく、いつものように奥さんに聞いてみたところ「古いわね」と言ったきり、はきとした答え…
続きを読む →