石垣補修工事

 いままで意識したことなんて一度もないが、良くて50年、大体は30年経ったらそろそろ考えたほうがよいらしい。ほとんど半永久的と思っていたコンクリートやモルタルの話で、その耐用年数の短さをいまさらのようにおどろいた。

 1960年の東京オリンピックの舞台となった国立競技場も建替えられているが、敷地にある石垣は、そのころ工事した、と元の地主さんから聞いている。南向きの斜面に土止めとして設け、ひな壇状の平地をつくるのに役立っていたのだが、むろん日射と風雨にさらされ放題だったわけだ。

 バックフォーのバケットがコツンと当たっただけだが、玉石を固定したモルタルは無残にもはがれてしまった。思いのほかに劣化していたようで、玉石は大きく浮き上がり、隙間に石を差し込んではみたが、このまま放置すると、どんどん崩れそうな気配がする。なにはともあれ固定処置が必要だろう。

 本来なら一度崩して再度積み上げるべきだろうと思う。たとえば崩した玉石の表面を洗ってやれば、モルタルがよく接着するはずだが、どこまで崩したらいいかわからない。
 第一、丸い石を上手に積み上げる自信はないわけで、このままの状態でモルタルを詰め込んで固定してしまうことにした。

 いろいろ考えたすえ、補強用に鉄線を入れることにした。壁用にモルタルを塗るときのようにラス網があれば、あるいは亀裂防止になるような気がしたのだが、保存したはずの半端なラス網がみつからない。仕方がないので鉄筋結束用の鉄線で代用することにし、適当に折り曲げながら隙間に押しこんだ。

 使ったのはインスタントコンクリート。ただ水で練ればいいだけだから、こうした補修工事にはもってこいの材料だろう。やや固めに練ったほうが扱いやすく、なるべく隙間の奥までとどくよう手で直接塗りこめてゆく。

 最後に濡れ雑巾で塗り面の凸凹をおさえ、同時に玉石の表面に着いた余分なモルタルを拭きとって仕上げておいた。1時間ほどの作業だったが、いずれはきちんとした擁壁工事になりそうな気配だった。

おまけのトピックス
 さわさわと冷たい風が吹きはじめたら、いきなり落ちてきた。雹(ひょう)だ。あわてて屋根の下に飛び込み、ダウンベストを着こんだけど、トマト苗のつぼみが折れてしまった。

酷暑対策・冷風除湿機

 二階にある書斎は、吹き抜けに面しているため薪ストーブの熱気が溜まりやすく、マイナス10℃の厳冬期でも暖房はいらない。そのぶん夏の暑さには弱く、換気扇フル活動、加えて北側の窓全開でもおいつかず、そこで涼しい一階の和室に避難することにしている。

 セルフビルドしたわが家にはOMソーラーを導入(むろん自己工事)してあり、夏季モードには冷風機能がある。夜間の冷たい空気を取り入れて、床下の蓄熱コンクリートを冷やしておく。つまり冬季に、日射で暖まった空気を床下に送りこむのと逆の方法で、床下を冷やしてしまうわけで、一階リビングのフローリング床などは、日中ひんやりと感じられるのだ。

 ただし避難した和室は畳敷だし、床下は地下室なのでOMによる効果はない。その代わり床に開口部をつくり、地下室の涼しい空気を取り入れるよう工夫した。
 話は前後するが、わが家はメーターモジュールでつくった。そのため畳敷の和室に一部分フローリング仕上げがあり、そこを切り抜いて換気扇を取り付けたもので、たとえ真夏でも27,8度の空気を取り入れられるのでかなり涼しい。

 しかし地下室の空気だけにやや湿気がある。そこで除湿機を使用したいのだが、所有機はかなり発熱するので室温を高めてしまうので使えない。発熱しない除湿機を導入するか、あるいは窓用エアコンの除湿機能を利用するほうが手っとり早いか……。

 いろいろ調べた結果、海外にはこんなエアコンがあるようだ。小型でスタイリッシュだが、国内では販売していない。そこで見つけたのが冷風機能付き除湿機
 機能的には小さなエアコンと考えればいいのだろうか。冷媒によって空気を冷やし、同時に水分を結露させて取りのぞき、そのとき発生した熱は、本体の背後に取り付ける排気ダクトによって窓などの室外に逃がしてしまう方式。

 室温27℃の場合、10℃低い冷風が吹き出すそうだが、そこまでの機能があるかどうか。基本的には除湿機と考えたほうがいいようで、24時間で10Lの除湿能力があり、溜まった水はタンクを外して捨てることになるが、ホースを連結して自動排水することもできる。

 例によってオークション入手。窓用エアコンと同程度の価格になってしまったが、定格消費電力は220Wと窓用エアコンの三分の一程度だから、電気料もさほど気にせずに使えるのがいい。

 当初、台に乗せて窓ぎわに置くつもりだったが、畳とフローリング床の境になるため不安定になってしまう。そこで窓枠に乗せる台をセットするよう計画変更した。
 窓にはめ込んだ木枠には、本体を乗せたとき排気ダクトが収まるような大きな穴をあけ、窓枠に張った隙間テープの一番下から排水ホースを通すようにした。
 目論み通りの機能を発揮してくれれば、たとえ暑い夏でも執筆に専念出来るだろう。書けるかどうかは別にして。

 言い忘れていたが、使わないときは写真のようにすべて取り外しておく。ついでに窓下の丸太と畳に挟まれたフローリング部に、地下室からの換気口が見えている。白いLANコードが出ているが、いずれきちんと処理するつもり……で10年そのままになっている。

キーボード交換

 先日オークションで購入した英字パソコン(Thinkpad X61)のキーボードを交換した。プリントした白抜き文字を貼り付けてしのごうと思ったものの、やはり使いづらいし、どうにも気分がわるい。たまたま低価格の日本語キーボードをみつけたので、ついついクリックしてしまったのだ。

 いまさらThinkPadを話題にするのはいささか気が引けるし、さほどパソコンにくわしいわけではない。ワープロ代わりに導入してから15年ほどか。たまたまレノボ製のThinkpadのキーボードの打ち易さが気に入ったのだが、後になってIBMから譲渡されたブランドと知り、なるほど、と思った。もともとIBMはタイプライターのメーカーだったのだ。

 つまりIBMブランドは、そのころすでに中国の聯想集団(レノボ)に譲渡されていたわけだが、Thinkpadの開発・設計は一貫して日本IBMの大和研究所(神奈川県大和市)で行われていたらしい。
 そうした事情も知らずに中古入手したThinkpad X61sの使い心地はわるくなかった。やや重いのはマグネシウム合金フレームによる堅牢さゆえだろう。キーボート中央の赤いトラックポイントは、Thinkpad独特な機能だが、慣れると癖になるほど使いやすい。

 そしてなにより特筆すべきは、整備マニュアルが公式に公開されていて、交換用パーツの販売にも応じているため、自己責任ながらユーザーによる分解・整備、あるいは修理が容易に行えることにあるだろう。なんでも自分でつくりたがる「自作人間」の私にとって、これほど魅力的なことはない。

 他メーカーにはない、こうした設計思想の発案が、IBM本社か日本IBMの大和研究所だったかはわからないが、いずれにしろネジを隠すようにラベルを貼ったり、プラスネジですむところをわざわざ☆型頭に変え、ユーザーの分解・修理をし難くするケチな考えがないのが好ましい。おそらくレノボに譲渡されるさいの条件に、こうした設計思想の継承も入っていたのだろうと想像する。

 ちなみにThinkpad X61の発売は2006年。そうした古い機種のパーツの入手は、普通かなり困難なものだが、レノボ・サポートでほとんどの部品が購入てきることになっている。またネット上でも販売されているし、オークションサイトを当たれば低価格の中古品を手に入れることも可能だ。
 ネット購入した日本語キーボードは新品ながら、通常より千円ほど安く売られていたが、オークション購入した本体とほぼ同価格なのだから、あまり安い買い物とは言えないか。

 しかし作業はじつに簡単。くわしくはここを参照してもらえばいいのだが、裏面の外すネジ四本のうち、バッテリー部にある一本がややわかりづらい。しかしこれも、交換作業にはバッテリーを取り外すようにとの配慮なのかもしれない。

 キーボードを外すには、全体を押さえながら上部にすこしずらし、隙間にプラスチック製のヘラなどを差し込む。クレジットカードでもいいだろう。むろんキーボードは配線されているから、慎重に取り扱ってソケットを外し、新しいキーボードに交換する。

 あとは逆の手順で組みなおせばいい。作業時間は30分ほどか。
 修理などと言えないほど短時間だったが、組み上げたあとタッチパッド付近にわずかな振動を感じる。まだ異音を発するほどではないけど、この下には第2ファンが収納されている。
 ファンエラーがでるようになったら交換が必要になるのだが、部品価格を調べたらキーボードの倍もする。
 あるいは修理地獄に迷い込んだかもしれない。

無垢板マーケット

「ここに積んだ150本だけど、なんなら注文流れにしてもかまわないよ」
 との言葉にも気づかず、ただ茫然と丸太の山をみつめていた。眼前に高々と積み上げられた杉丸太は、セルフビルドするログハウスのために注文したものだが、今だったら中止してもいいんだよ、と言われているのだ。

 そりゃそうだろう。2,3年前に近くに引っ越して、日曜大工用の材木を買いに来ていた都会者が、いきなりログハウスを建てると聞いてもにわかには信じられない。とりあえず注文された杉丸太150本は集めたけれど、あるいは後悔しているかもしれない。もしそうならこのまま製材にまわしたほうがいい、と思われたのだろう。田村材木店・先代社長の思いやりだ。

 そのときどう返答したかは、なにしろ25年も前のことだから覚えていないが、その丸太で組み上げた家に住んでいるのだから、むろん注文流れにはしなかったわけだ。以来4半世紀、懇意にお付き合い願った田村材木店で、つい先ごろ無垢板マーケットが開かれた。

 ちなみに先代社長はすでに第一線を退き、ふたりのご子息が経営を切り盛りしている。兄弟仲よく車の両輪のように……というよりエンジンとブレーキのような役割だろうか、といつも興味深く拝見しているのだが……。

 この手のイベントは、往々にして理想主義的なエンジン役(兄弟のどちらとは、予想がつくけど言わないでおく……)の発案するものだろう。そして現実主義のブレーキ役は、はじめは首を傾げたりしたくせに、当日になるとやたら張りって動き回る、と相場は決まっている。

 そうした光景を眼のすみで確かめながら、広々とした天然乾燥施設にならべられた展示板を見てまわった。じつは三寸角ほどの一般建築材をトラスに組み上げたこの巨大施設こそが、若い経営者たちの理念と意気込みのあらわれなのだが、それはまた別の話。

 2尺3尺といった幅広板が整然とならべられている。背後に黒シートを貼ったのは、木目を見やすいようにとの配慮だろうか。これだけ展示に手をかけて一日だけの開催ではもったいないな、と思っていると顔見知りのログビルダー氏が、何枚もの展示品を購入している現場を目撃する。ログハウス向きの玄関ドアをデザインする彼にとっては、構想を刺激する無垢板ばかりだったのだろう。あいさつもそこそこに、それじゃまた、といそがしそうに展示品のほうに行ってしまった。

 じっさい南会津の製材所との協賛だけに、種類は多いし、品質は申し分ない。加えて価格もかなり低い。いや、低すぎるほどだ。見ればみるほど欲しくなるが、しかし、そうはいかない事情がある。
「もう買っちゃだめよ。いまある板をちゃんと使いきってからにしてね」
 と奥さんに厳重に言われて出かけて来ている。どれほど安くても購入するわけにはいかないのだ。

 まったく、敷地のあちこちに積み上げてある材料は、いつの間にか溜まってしまったものだが、どこになにがあるか自分でもわからない始末だし、いちおうは雨除けをしてあるが、一度しっかり点検せねば腐らせてしまう、と考えたりするけど、
「せいぜい木工仕事に精を出さなくちゃな……。小説なんて書いてられないや」
 と、いつもの結論に達しながらこの一文を書いている。

酷暑対策・窓用エアコン

 やはり異常気象だったのか。気象庁の発表によれば、先月の平均気温が3℃も高かったらしい。もちろん史上最高だったのだが、こんな数字を見せられると、この夏の猛暑が思いやられる反面、どうやら予感が当たりそうだ、とうなずいたりしている。

 2月中旬の大雪のころ酷暑対策をスタートさせた。去年、試しに窓用エアコンを入手しての実験を踏まえて決めている。むろんオークション購入の中古品だが、案外の冷房性能を発揮し、はじめ考えていた室外機付きエアコン導入が大幅な予算オーバーだったので、ならぱと窓用エアコンに変更したのだ。

 それにしてもエアコンか、といまさらのように思う。移住したころの日光は一流ホテルでさえ冷房なしが普通だったし、天然氷を切り出すような土地柄だけに、夏の涼しさは格別。夜、窓を開けたまま寝入って風邪をひきかけたことが何度もあるくらいで、むろんセルフビルド計画にエアコン導入など考えもしなかった。

 そうしたわけでエアコン導入には専用コンセントの追加工事が必要なのがわかった。どの程度の工事費か調べてもいないが、窓用エアコンならまったく無用だし、取り付け工事も自分で行える。さらには格段に低価格なのがいい。むろんオークションでの中古機入手になるわけで、その結果次第では複数導入を考えてもよいだろう。

 かくて大雪をながめながらエアコン探しのオークション調べとなった。こんな時期外れなら応札がすくないだろう、との目論見だったわけだが、それが奏功したにちがいない。送料とほぼ同価格という低さで落札。17年製と15年製の2台入手したが、カバーを外して点検したところ機能に問題はなさそう。当初計画の三分の一ほどの費用ですんでしまった。

 ただしわが家は、米国製のペアガラスの木製サッシ。エアコンメーカーが推奨するアルミ製取付枠は、ほとんどがアルミサッシ対応だから使用できない。そこで丈夫なナラ材を使って組みあげることにしたが、すべてビス止めにしたのでさほどむずかしい加工はない。木取りをふくめて2日の木工作業だった。

 しかし25㎏もの重さがあり、木枠をサッシにはめ込むだけては荷重を支えきれない恐れがある。丈夫な棚受けをつくり、窓を支える窓台にビス止めすることにした。
 こんな仕上がりだが、アルミ製の無粋さとくらべるまでもない。しかし、まあ、それもこれも計画どおりの性能を発揮してくれての話になるだろう。

 とりあえず奥さんの部屋とベッドルームに取付け、そのあと客間にも導入したが、吹き抜けにある書斎はとうてい無理だろうし、取り付けられる横開きの窓もない。もともと夏の仕事は、いくらか涼しい一階の和室でしているのだが、ここでは別方式での冷房を計画している。

ラニーニャ現象とジャガイモ

 ひさしぶりに日光らしい厳しい冬だったなと思っていたら、一転して暖かい日がつづいてあちらこちらの桜の開花がやたら早まっているようだ。低温にさらされたおかげで花芽の休眠打破がすすんだということのようだが、こうした振り幅の大きな気象はラニーニャ現象によるものらしい。

 ラニーニャとはスペイン語で女の子のことをいい、男の子の意味するエルニーニョは、ペルー沖の海水温が高くなる現象の名前としてよく知られている。ときにイワシの豊漁をもたらしたりするため、幼い神の子という意味もあるエルニーニョと呼ばれるようになった。

 このエルニーニョ現象には、遠く離れた西太平洋の海水温を低める働きもあるわけで、海水温が低いと周辺気圧が弱まる傾向がある。結果、日本列島の気温変動に影響し、ときに冷夏となって農作物に被害をあたえ、同時に暖かい冬をもたらすようになる。

 一方、ペルー沖の低温と西太平洋の高温をもたらすラニーニャ現象は、ほぼ逆の気象現象が現われるようになる。つまり日本列島は、厳冬・猛暑といった振幅の激しい気象となる確率が高いらしい。

 昨今の異常気象は、あるいはラニーニャ現象によるのかもしれない、ちなみにエルニーニョ現象の多くが1年程度で終息するのにくらべ、ラニーニャ現象は3年、4年と長くつづく傾向がある。
 確かに男というのはごくごく単純なもので、たとえ怒ったところで一晩寝たらけろりと忘れちゃったりするものだが、くらべて女がいったん怒りだすとそうはいかない、という話になるとあまりに横道に逸れすぎるか。

 そうしたわけで今年は暑くなりそうな予感がある。そこでいろいろ対策を進行しつつあるのだが、それは別の話としてお知らせしよう。とりあえず農作業を例年より早めにスタートさせ、毎年遅れてしまうジャガイモを植え付けた。

 作業そのものは変わらない。まずは種イモは陽ざしにあてて芽出しする。連作にならないような場所をえらんで耕し、元肥をほどこして張った黒マルチは、トーチ型ライターで穴を空ける。植え付けてから黒マルチを張る方法もあるが、強い日射しに出かかった芽が焼けてしまったことがあるのだ。

 芽出しをすませた種イモは、元気そうな芽だけを残して掻き落としておけば、あとで摘芽する手間がすこしは省けるかもしれない。あとは30センチ間隔で植え付ければ完了だが、あるいは例年のように猿どもに喰われてしまうかもしれない。
 芽が出てしまった食べのこしイモを、見つけやすい場所に囮(おとり)栽培してみようかとも考えている。

 追加……。昨秋に植えたそら豆が無事に冬越しした。霜よけを外し、倒伏防ぎを兼ねてキラキラテープを張ってみた。ネット情報によればアブラムシ除けになるらしい。

丸鋸ブレーキ修理

 ようやく暖かくなってきたので木工作業をはじめたところ、どうしたことかスライド丸鋸のブレーキが利かなくなっていた。20数年前の母屋建築のために購入というから、ひどく古い機種だからそろそろ寿命でもおかしくないが、なにはともあれ修理してみないことには気が収まらない。

 冬ごもり前には異常がなかったはずで、まずはカーボンブラシ不良を疑った。二か所のカーボンを外して点検するが、長さも十分だし、片減りや変形も見られない。となればスイッチの故障の可能性が高いわけだが、あるいは接点が焼けたための接触不良か。かれこれ十年前、スイッチを分解して接点研磨で直したことがある。

 モーターは電力で回転するものだが、別の力で回してやれば電力を起こす。つまり発電機になるわけだが、このシステムを応用して丸鋸のブレーキが考えられている。
 スイッチをOFFにすると、逆接点を通じて別コイルが作動し、惰性で回転している駆動モーターをすみやかに停止させる仕組みになっている。

 まずは駆動モーター部を取り外す。3本の長ビスを外して横に引き抜き、スイッチを収めたハンドル部はタッピングビス3本で止められている。3本のコードが接続されたスイッチを裏返し、細いマイナスドライバーでこじ開けると接点部が外せる。
 シーソー状になった接点部は、スイッチ動作に応じて反対側に導通するわけで、円形の接点部をよく磨いて組み立て直せばいい。

 これで直るはずだったが、症状は変わらなかった。あるいは接点復活剤を塗ればよかったのかもしれないが、スイッチを交換したほうが確実だろう。スイッチ写真をプリントアウトして販売店に取り寄せを依頼した。

 翌日に届いた部品は品番が違っていたようだが、形状その他は問題はなく、部品価格は1000円。3色のコードの位置を違わないよう差し込み、付属のイモネジでしっかり止めればよい。むろんブレーキも無事に復活。

 ついでに鋸刃も交換して修理終了。

金継ぎ

 前々から一度はやってみたいと思っていたけど、何とはなしに機会を失っていた。大体、陶磁器などは忙しいときにかぎって割ってしまうものだろう。気が急いて手もとがおろそかになったりするのが原因だが、そんな状態では七面倒な細工ごとは考えたくもないわけで、やったことのない「金継ぎ」などには手が出ないということになる。

 第一、わざわざ直してみたくなるような高価な器は所蔵していない。加えてあまりに手ひどく割れたりすると、あきらめが先に立ってしまい、そのまま廃棄ということになっていたのだろう。
 つい先日、普段使いの皿が割れてしまった。益子焼の安手物だが、二枚セットだったので、夫婦の食卓に便利に使われていた。しかし、バッカリ割れた具合がほどよく、破片の紛失もない。いかにも「金継ぎ」向きのように思われた。

 ネット情報を調べると、思いのほか盛り沢山で、ちょっとした人気らしいことがわかる。くわしい方法はそれを調べてもらうほうが早いのだが、そうした情報のほとんどは、破片の接着に「うるし」を使うようだった。が、それでは弱いようにも思われ、いっそ2液性のエポキシ樹脂のほうがより強固に接着するのではと考えた。

 断面にエポキシ樹脂をぬり、ずれないように接着する。乾くまでテープなどで固定したほうがより安全だろう。一晩放置して、しっかり固まったら、はみ出した樹脂をカッターなどで削りおとす。さらに耐水ペーパーを使い、指でさわって段差が感じられなくなるまで丁寧に磨く。

 割れ目に沿って細筆で「うるし」をぬり、それが乾かないうちに「金粉」をふりかけて定着させる。いわゆる「蒔絵」の技法ということになる。

 ちなみに義父の遺品に「新うるしの金粉セット」が残っていた。釣り好きだったから浮子などを手作りしたらしく、かれこれ15年以上前のものだが、むろん変質の心配はない。ただし、残されたセットでは「透明うるし」に金粉を混ぜこむように書かれている。

 ところが調べたネット情報の多くが「黒うるし」を使用している。その理由は定かではないが、あるいは背景が黒いほうが、金粉がより輝くのかもしれない。そこで情報どおりに黒うるしを塗り、太い筆に金粉をまぶして蒔き、よく乾かしてから余分な金粉をぬぐい落した。
 仕上がりは、まあ、「素人なり」だが、普段使いには問題はないだろう。

 ……と思われたが、何度か使い、洗剤で洗っているうちに金粉がはげ落ちてしまった。使用した「新うるし」は乾きやすいから十分接着しなかったか。あるいは「透明うるし」に金粉を混ぜこむ方式のほうがよかったのかもしれない。

春の事始め

 事始めという行事がある。正月行事を始めたり、農作業始めに田の神様をお祀りしたりと目的に合わせ、それぞれ12月8日や2月8日に行うところが多い。そこから「事八日」(ことようか)などと呼ばれているのだろうが、なぜその日なのかはわからない。
 わが家の「事始め」は3月に入ってからか。寒さに縮こまった冬眠状態にも飽き飽きして、手はじめにパソコンの「やよい会計」を起動させて確定申告を済ませたりする。

 農作業もはじめたいが、まだまだ畑は凍りついたままだから、やれることは少ない。いつも遅れ気味になるジャガイモ植え付けは、何度か雨降りがなければ耕すこともできない。ヤギ糞堆肥づくりをはじめてもよいのだが、ちょっと体慣らしの必要がありそうなので、ならばとニンニク畑での追肥作業からはじめた。

 昨秋に植え込んだニンニクは、タマネギ用マルチを使って1条空けにしてある。空いた穴が追肥用で、粒状の化学肥料を一つまみずつ投入したが、とくに土を混ぜたり乗せたりもせず、雨によって染みこませればよいことにした。

 そんな簡単作業の合間に思いついたのだが、保存してあった生ニンニクのほとんどに芽が出てしまっている。そのままでは使えないが、いっそ「葉ニンニク」にしてしまえば利用できるのではないか。葉ニンニクなど食べたことはないし、どんな料理にすればよいかもわからないが、大きく育ってから調べればいいだろう。

 かなり芽が出てしまっている。そのまま植えても育つかもしれないが、やはり一片ずつにほぐすことにした。鱗片はフカフカとやわらかになって扱いにくいし、せっかくの芽を折ってしまえば育たない、とあんがい苦労してほぐし、元肥もほどこさずに適当にならべて植え込んだ。はたして育つかはわからない、ダメ元の作業だった。

 話はころりと変わるが、どうしたことか奥さんが「現代農業」を購読しはじめている。ヤギ飼いで忙しく、土いじりなど一切しないはずだが、どうやら出版社の営業マンが読者宅を一軒一軒訪問しているのを意気に感じて決めたらしい。それにしても読んでるふうには全然見えない。はてさて、その目的は……とやたらいぶかしく思っているところだ。

英字キーボード

 モバイルPCにThinkpad X61sを使い、待ち時間の多い病院通いに重宝している。もう10数年も前(IBMからLenovoに変わったころ)の発売機種だが、SSD換装やメモリ増強で高速化すれば、まだまだ十分使える。抜群の耐久性や修理部品の入手、キーボードの打ち易さを考えると、いまのところ手放す気はない。

 先日、たまたまオークションでX61を見かけた。姉妹機種とあって共通部品が多いので予備機にするつもりで応札すると、スタート価格のまま落札。送料込みでたった2千数百円ながら、けっこう新しげだし、電源も入りBIOSも立ち上がる。ただしキートップにカナ表記がない。つまり英字キーボードだったわけで、これがため応札がなかったらしい。

 英字キーボードが人気、と聞いたことがある。スタバにモバイルPCを持ち込んでキーを打っている連中は、きまってカナ表記のない英字キーボードらしい。どうやらプログラミングにはカナは使わないから、その格好よさを真似たようだとも聞いたが、そうした人たちの多くは、Macあたりのスタイリッシュさを好むだろうから、武骨一辺倒のThinkpadでは似合わないのかもしれない。

 初めてキーボードに触れたのは40数年前のことになり、ワープロだったそれのキーボードは親指シフトというものだった。やがてJIS配列キーボードを使うようになるのだが、そのさいローマ字変換とカナ変換の選択を迫られたのを思い出した。

 ローマ字変換であれば、アルファベット26文字を覚えればよい。一方、カナ変換はその倍近いキーを使いこなすことになり、数字を打つたびに入力モード変える必要がある。そのためローマ字変換が推奨されたりしたが、私自身はカナ変換を使う。日本語で小説を書いているのに、アルファベットを意識するのはそぐわない気がするのだ。

 ちなみにウチの奥さんはローマ字変換で、いかにもベテランといった感じにいそがしく打っている。それはつまりローマ字変換は、子音の表記に2文字使うことになり、当然、打鍵数が多くなるという事象があるからだ。Wikipedia「親指シフト」の入力速度の項目によれば、ある文章を入力したときの打鍵数は、親指シフトを1.0とした場合、カナ変換1.1、ローマ字変換1.7の比率になるらしい。

 またローマ字変換は子供の英語教育をダメにする、との意見もある。たとえばローマ字による母音は五つだが、英語の母音は16種類(よく知らないけど)もあるため、ローマ字変換でカタカナ英語が染みついていると、かんたんな英語の発音につまずいてしまうらしい。つまりローマ字読みが定着してしまった子供は、英語を習い始めても、ローマ字読みから脱却するのに時間がかかると言うのだ。

 どちらの変換を使うかは好みの問題になるだろうけど、とりあえずLinuxのubuntuが入ったSSDをセットし(こうした作業もThinkpadならひどく簡単)、英字キーボードを使えるよう設定する。つまり端末を呼出し、コマンド操作するわけだが、その作業中に、おや、と気がついた。

 英字キーボードだから、いわゆるUSキーボードと思っていたが、それとは配列が微妙に違っている。あるいは英国式かと調べたが、これとも合致しない。これでは設定できないため、いろいろ調べることになったが、何のことはない。いくつかのキーが記号表記になっているが、日本語配列と寸分違わない。どうやら「日本語配列カナなし」キーボードらしいのだが、それにしては表記がおかしいのでいますこし調べる必要がある。

 何ともやれやれの話なのだが、@や「」マークの表記がないのは不便で仕方がない。とりあえずプリントした白抜き文字を貼りつけ、今しばらくは使って見ることにしたが、あるいは日本語キーボードと交換するかもしれない。このあたりが容易に出来るのもThinkpadの特色ということになろう。