デッキ家具 ②小机

 デッキ用の小机は、丸太を重ねたログ壁(柱間に丸太を落とし込むピーセンピース壁)の前に設置する。花を飾ったりするのにちょうどいいはずだし、引き出しもつくるので小物を収納するのに便利だろう。東西に2台つくることにした。

 脚部は角材と板を組み合わせ、テーブルと同じくポケットホールジョイントで接合する。その上にのせるトップボード(甲板)は、約40センチ×85センチの大きさが必要だが、うち一枚は貼り合わせになった。接合面を平らに削り、ビスケットジョイントを使って接合した。

 引き出しづくりは、材料も多いし、手間がかかる。前板の欠き込みは、ルーターを使えば簡単だが、ビットなどのセットが面倒なのでテーブルソーで切り落とした。底板を差し込む溝をミゾキリで掘り、組み上げには、ボンドとビスを使った。
 軟材を考慮して強力に接合するためだが、出来上がりに反りが生じたのは、ビスを締め付け過ぎたためだったらしい。

 引き出しの奥行きが30センチしかないため、つい引っ張りすぎて落下しやすい。そこで落下防止のため、奧板にこんな金具をビス止めした。立てると上桟に引っかかり、横に倒せば引き出しが抜け出せる仕掛けだ。

 塗装にコーヒー染めを試してみた。石鹸作り用に買い置いたインスタントコーヒーを濃いめに溶かし、ただ塗りつければよい。作業中、コーヒーのいいかおりが漂ってなかなかに快適だった。もちろん乾いてしまえば触っても色移りはないが、濡れたときのために薄めのウレタン塗り・耐水ペーパー400番での研ぎ出し仕上げを施した。

 濃いウォルナット色のログ壁前に置くには、ちょうど良い色合いになったようだ。また引き出しの把手に、長めの自然木をあしらったのもわるくなかった。

デッキ家具3種 ①テーブル

 屋根を架けたデッキ用に家具をつくりはじめている。屋根架け工事の完成パーティの予定でもあるので、その用意の一環でもあるが、工事のさいに伐採した杉板を何とか使ってしまいたいというのが第一の理由だ。


 ノートに3種類の家具を考えてスケッチした。これを設計図代わりとし、
①材料は伐採杉、あるいは屋根工事の残材を使用し、材料にあわせてサイズ変更する。
②追加の材料・金具は、なるべく買わず、塗装も手持材料を工夫する。
③家具にむかない針葉樹材なので、ビス止めを多用し、トゲが刺さらない程度の仕上げとする。

 というラフな制作ながら、家具づくりとなればいろいろ準備が必要だ。なにより物置と化した作業台を片づけねばならないし、去年ほとんど使わなかった自動盤を整備する。20数年前の中古の頂き物だが、まだまだ使える。可動部にグリスを塗り、刃の交換などに2日間も要した。

 まずは杉板の荒取りからはじめた。伐採した杉を梁に使い、残りを40ミリ厚に挽いたもので、長さは4メートル超もある。一番大きな材をつかうテーブルは、長さ1800ミリもあるが、引き出しがある小机や人が座るベンチにくらべると造作が単純なので、冬ごもりで鈍った体慣らしにちょうどよいだろう。

 屋根工事の束用の105㎜角で脚4本をつくり、幕板にする板は、たぶん屋根の鼻隠しにつかった残りだろう。ほかに自動盤で仕上げた野地板を用意した。

 本来ならホゾ仕上げだろうが、今回はポケットホールジョイントを使い、手早く組み上げてしまう。数年前の円高のころ、USamazonに注文したものの、まだ一度も使っていない。斜めに穴をあけ、ビス止めしたあとの埋め木も用意されている。
 最近では日本でも売られているようで、ボンドを併用すればかなり強力に接合できる。

 二枚を組み合わせたトップボード(甲板)は、ほぼ一年間、自然乾燥させているが、湿気を吸えば、当然、伸び縮みをくり返す。硬い広葉樹だったら吸い付き桟を使いたい脚部との接合には、長穴金具を駒止め代わりに利用した。
 この程度の長穴では間に合わないかもしれず、軟らかな杉とあってネジが抜けてしまう可能性がある。要修繕を覚悟しておく。

 問題は塗装だ。このまま白木にするかとも考えたが、余っているウォルナット色のステインを塗って汚れ防止とした。塗ってみると、想定外に黒くなってしまったのは、どうやら黒杉材だったのが影響したようだ。いまごろ気づいても手遅れだが、薄いウレタンを塗り、研ぎ出して仕上げた。

表紙づくり

 久しぶりに電子書籍『無頼の辻』を配信することになり、その校正読みにようやく目処がたったころの話だ。東京からの帰りに東北道の羽生PAに立ち寄り、ふと思いついてデジカメ撮影をはじめた。この羽生PAは、池波正太郎さんの“鬼平の世界”を模したテーマパーク風が売り物で、あるいは時代小説むきの表紙づくりに役立つかもしれないと目論んだわけだ。

 ご覧のようにスナップショットばかりで、これを電子書籍の表紙に、というのはちょっと無理かなと思いつつも、とりあえず用水桶のショットを選んでみた。なんだか芝居の書割りみたいで、いささか迫力不足は否めない。そこですこし手を加えることにした。

 画像加工ソフトと言えば、もちろんPhotoshopだろうけど、価格が数万円とあってはご遠慮申し上げ、いくつかの無料ソフトを愛用している。今回はすべてをJTrimを使って仕上げているが、その過程を箇条書きにしてみた。

①JTrimを起動→画像ファイルをドラッグ&ドロップ。画像が大きすぎるときは、Ctrl+F12で画面にあった大きさに変換してくれる。
②イメージ項目→切り抜き。横2:縦3の比率にトリミングし、1400×2100ピクセルにリサイズ。ちなみに表紙サイズに決まりはないが、iBooksでは1400ピクセル以上でないとエラーになるので、このサイズに統一している。
③加工→フェードアウトで周辺を暗くする。レベルが調整でき、足らなければ2度、3度と繰り返せばよく、編集→元に戻すで何度でもやり直せる。
 また周辺を黒くするには、あらかじめ表示→背景色で黒を指定しておく必要がある。他の色を選択すれば、その色合いでフェードアウトする。
④カラー→ガンマ補正で濃度を補正したが、いろいろな加工ができるので試してみればよい。むろん編集→元に戻すで何度でもやり直せる。

⑤編集→文字入れ。題名を表示させ、フォントから書体(縦文字は@付きを選択)、サイズで大きさを指定する。表示された文字はドラッグで自由に移動できる。ほかに縦書、透過、文字色などの項目があるので適宜選択する。
 今回使用した“鉄瓶ゴシック”は無料で使えるフリーフォント。ダウンロードすると自動でフォントに入ってくれる。
⑥OKをクリックして決定。あとは著者名、上下巻などの文字入れを繰り返せばよい。

 そんなこんなで完成させてみた。最初のショットとは印象がかなり違っており、『無頼の辻』らしさの荒んだ感じになっていれば、まずは狙いどおりなのだが……。

 どれほど面白くても読んでしまった本は買わない。面白そうだから買ってみるもので、それだけに表紙は大切だろう。内容をダイレクトに表現するより、意味不明ながら雰囲気を伝えるほうが効果的だったりする。とくに電子書籍の場合、販売サイトで表示されるのは、せいぜいが切手サイズ、ということを常に考えている。

 この『無頼の辻』は、大手出版のG研社と契約が終了し、加筆訂正を加えて「著者完全版」としての再登場です。博奕から抜け出せない男二人が中山道を行く、という全編すべて“博奕がらみ”という異色作。近日中に配信いたしますので、どうぞお楽しみください。

そら豆の摘花

 そら豆栽培に初挑戦している。去年の晩秋に種をまいたあと、ネット情報の手順どおりに不織布での霜よけなどを施し、なんとか無事に冬を越した。デッキの鉢栽培、畑の直植えともに順調に育っているようで、気がつくと花が咲き出していた。

 まだ3,40㎝ほどの背丈だが、かなりたくさん開花している。この状態が良いのか悪いのかわからないけど、とりあえず支柱を立て、風で倒れないよう紐を張ってやった。このあと60㎝ほどに育ったら先端の芽をつんで葉の成長をとめる予定だ。

 そのまま枝や葉を伸ばしてしまうと、養分が無駄に吸い取られて収穫が減ったりするようで、また大きな豆に育てるには摘花するほうがよい、とネット情報にあった。花ではなく莢(さや)が小さなうちに摘果する方法もあるようだが、どうせなら早めに、と花を摘んでしまうことにした。

 花は一節に3~4つ咲いている。けっこうかわいい花だが、根元のひとつを残して摘んでしまう。これまたよいのかどうかわからないが、まだつぼみ状態のものはそのままにして、莢になってからの摘果とすればいいだろう。

 ちなみに苗は、普通の一寸そら豆とイタリア産の生食用ファーベ(fave)を栽培している。ファーベは、そら豆あるいは豆を意味するイタリア語で、たしかポポロという品種だったはずだ。

 生で食べるそら豆には前々から興味があった。莢から取り出して口に放り込み、羊乳からつくるペコリーノチーズと一緒にかみ砕くと、豆の生臭さとチーズの強い塩分がからみあって絶妙なハーモニーを醸すらしい。
「たぶん山羊チーズでもいいんじゃないかな」
 などと勝手に想像しているが、はたして味わえるかどうかは、これからの育て方次第ということになる。

芽出しと種まき

 町に出たらサクラが満開だ。先生のお気に入りになろうと、ハイハイハイと一斉に手をあげる良い子のようなソメイヨシノがそろって開花していた。手をあげないと仲間はずれになるからと、無理して咲いているような感じがするサクラだった。

 くらべて山里のサクラは個性的だ。教室をぬけだしたり、居眠りしたり、あるいは机に落書きする悪ガキさながらに、白かったり、桃色がかったり、枝垂れや八重になったりと、それぞれ勝手で自由で、みんなで一緒に咲くつもりはまるでないヤマザクラたちがひどくおもしろい。
 そんな一本の八重サクラが咲き出すころ、芽出しや種まきをはじめる目安としている。

 わが家をふくめた山里では、何はともあれ里芋を第一に栽培する。やや湿り気の多い地質は、竹の子や大根、あるいは里芋などの根菜類にむいているようだが、なにより里芋には猿の害がないのがいい。
「喰ってみたら口のまわりがかゆくなるんでないかい」
 などと土地っ子が解説してくれるが、わが家では、猿害除けを第一に菜園計画を考えることにしている。

 どうやら猿どもは、親子や仲間同士で学習しているようだ。一度懲りたものには手を出さないようだし、見たこともない品種は狙われにくい傾向がある。しかし、いずれは熟しどきや喰いどきをマスターされてしまうわけで、そうした猿どもの裏をかくような新品種を探すことが多い。

 たとえばいまの時期、青々と葉を茂らせているニンニクだが、これも猿の被害を受けない。ときおりネギと間違えて引っこ抜かれるが、一度囓ってみたらその辛さと臭さにコリゴリするらしい。鹿やイノシシにも敬遠されている様子だ。

 カボチャは猿の大好物だが、同種のコリンキーやバターナッツは好まないらしい。生食用のコリンキーは、大して甘みがないのが理由らしく、皮が固くて形が変わっているバターナッツにもほとんど手を出さない。

 そんなこんなで今年の菜園は、里芋、枝豆、落花生、コリンキー、ズッキーニ、バターナッツ、ピクルスキュウリをラインナップしてみたが、相変わらずのアマチュア栽培だからうまく行くかどうか、ともあれ5月末の定植めざして今年の農作業がはじまった。

ジャガイモ植え付け

 毎年、なんやかやと遅れてしまうのがジャガイモの植え付けだ。発芽時期の遅霜を警戒しずぎるのが多くの原因だが、今年は風邪ひきが重なってさらに遅れ、病み上がりにむち打って何とか終了させた。

 種イモはメークインを購入。小さな芋はそのまま、大きなものは二つに切って植え付ける。切り口は陽に当てて乾かしたり、草木灰を付けて消毒しておく。薪ストーブがあるからこうした草木灰には不自由しなかった……はずだが、福島原発事故以後はそうもいかなくなった。

 福島事故による放射線は、福島県はもとより関東各地にひろく降りそそいで汚染した。たとえば横浜市が指定管理する公園では、半年後に枯れ葉などの焼却したところ、1㎏あたり2651ベクレルのセシウムが検出された。これは国が定めた肥料の暫定許容量400ベクレルを大幅に上回り、草木灰の肥料としての販売や利用を中止している。

 わが家におけるストーブ灰のセシウム値は、こちらでお知らせしたようにさらに汚染されていて、今年燃やしたのは2015年の薪だから、約6500Bq/kgという値に変わりはないはずだ。とうてい肥料に使用できる値ではなく、こうした汚染された薪ストーブ灰は、日光市によって5月中旬に回収される予定になっているのだ。

 そんなことから切り口消毒には、10年前から保存してある稲わらの焼き灰をつかい、発芽した芽はひとつだけ残して掻き落した。あとあとの芽かきの手間を省くつもりなのだが、脇芽が出てしまうのは止められないだろう。

 去年は露地に植え付け、雑草まじりの叢生栽培なんぞをやってみたが、いわゆる手抜き栽培だけに成功したとは言えなかった。そこで今年はマルチ栽培にもどすことにし、先にマルチを張り、穴を開けて種芋を植え込むことにした。

 種芋を植え付けてからマルチングする方法では、芽が顔を出したとき早めにマルチを破ってやらねば、せっかくの若い芽をマルチ焼けさせてしまうからで、これまた手抜きに近い方法だがうまく行くかどうかはわからない。

 苦土石灰、元肥をネット情報どおりに(毎年やっているのに覚えられない)ほどこし、マルチの穴開けは、トーチ式のガスライターを使う。金属製の穴開け器より数段便利だが、風が強い日にはむかない方法だ。
 穴の底に種芋を伏せ、10㎝ほど土を盛っておく。芽かき、草取り、土寄せもしない放置栽培だから、さほどの収穫は期待できないだろう。

 そうした作業の矢先にサル襲来。そら豆の苗を引き抜かれてしまったが、当然、ジャガイモは毎年のように狙われる。そこで母屋近くに植え付けてみたが、あのサルどもが怖がるはずもなく、これまた効果はないと見ている。

恒例・山羊糞堆肥

 山羊糞堆肥の積み上げは、春一番の恒例作業だが、あいにく風邪を引いて体調不良のため、写真のみの“載せ逃げ”とする。

 そう言えば、昨年のいまごろにも“載せ逃げ”した覚えがある。春の体調不良も恒例か。

バッテリー交換

 軽トラックの中古車を購入した。たまたまのぞいたオークションに入札したのがきっかけで、型式は古いが走行距離が4万キロ弱とめっぽう少なく、おまけに隣町だったので陸送の手間なしというラッキー付だった。

 じつはこの二年ほど、車検なしの軽トラで間に合わせていた。雨天になるとエンジンが不調になるうえ、タイミングベルト交換時期でもあるので車検は断念した。なにしろ使用機会のほとんどが敷地内の薪運びだから、エンジンのご機嫌をうかがいながらの利用でもなんとかなる、と高をくくったのだ。

 しかし不便だった。乗用車があるので食糧の買い入れは問題ないが、入りきらない大物荷物となるとまるでお手上げ。とくに去年は、デッキ改修などの工事がつづいていたので、合板一枚買いに行けないのは不便このうえなく、ホームセンターのレンタルトラックを借り出したこともあった。

「やはり田舎暮らしには軽トラが必需品なのだ」
 と、思いをあらたにして2ヶ月前に購入とあいなったのだが、そのまま乗らずにいたらバッテリーが上がっていた。購入時にバッテリー弱りは聞かされていたし、充電で済みそうだったが、このさいだからと交換することにした。

 さすが田舎のホームセンターで、軽トラ用のバッテリーの在庫は豊富だ。初め2.5年5万キロ保証6,数00円を選んだが、よく見ると2年4万キロ保証品があり、しかも3,000円も安い。1万キロの違いで3,000円が安いか高いか分からないが、すくなくともこのバッテリーで4万キロを走ることは絶対ない、とこれに決定。

 交換作業はどうということもない。ナット数本をゆるめて新バッテリーと入れ替え、接点ターミナルをまちがいなく取り付ければ、約10分ほどで終了する。

 ちなみにこのバッテリーは、ホームセンター・ブランドだった。つまり不都合があればホームセンターが責任を持つということであろうから、保証書や販売証明書は、きっちり車検証入れに保管しておくことにする。

里芋の掘り出し

 梅がようやく開花した。と言ってもほんの2,3輪だから、あまりにしょぼくで写真に撮る気にもならないけど、春は確実に近づいているのだ。

 そろそろ農作業の準備にかかる時期でもある。例年、天気を見計らって畑の耕転からはじめるのだが、その前に今年は、里芋を掘り出しておかねばならない。

 里芋を畑に埋めて越冬させる方法がある。いつもは掘り起こした株から芋をほぐさず、新聞紙でくるんで地下室に保存していた。真冬でも7~8℃に保てるはずだったが、ときにはさらに冷えたらしく、かなりの芋が寒さにやられた。そこで去年は、収穫した半分を穴に埋めて貯蔵する方法を試してみた。

 70㎝ほどの深さの穴に、株を逆さにして埋めるとよいらしい。が、ネズミ被害もあるようなので、コンテナや土嚢袋に株を入れることにした。すこしはガード出来るのではないか、と期待したわけだ。上から土をかぶせ、さらに雨水がしみこまぬようブルーシートで覆っておいた。

 剣先シャベルで掘り出したが、腰が痛い、とすぐにやめてバックフォー使用に切替える。やたらに大仰な方法で、イワシを釣るのに軍艦を持ち出した気分。かなり慎重に作業したが、やはりコンテナを潰してしまった。

 芋の保存状態はわるくないようだった。ネズミ被害もまったくなく、一部はすぐに水洗いしてみたが、地下室貯蔵よりみずみずしい感じがある。このぶんなら穴貯蔵のなかから状態のよいものを選んで種イモとし、四月に入ったら芽出し作業することになるだろう。

サムゲタンと山人参

 三月に入ってもなかなか暖かくならない。いや、一度、日光でも雨が降ったが、そのあと寒さがぶり返した。そんなこんなで冷えたらしく、なにやら腹具合がよろしくない、と奥さんが言い出した。
 そこでお粥にしようか、どうせならサムゲタンかな、と発案したわけで、となれば当然、発案者が調理することになる。

1.もち米 1/2カップ
2.水 800㏄
3.骨付きの鶏もも肉 1本
4.銀杏、干しぶどう、クコの実、松の実
5,ネギ、ゴボウ、

 以上の材料を圧力鍋に入れ、約7分加熱。仕上げに塩で味付け、薬味ネギを散らす、というひどく簡単な調理法。まあまあ美味、それなりに満足したが、あくまでサムゲタンもどき。薬膳料理としての薬効はあまり期待できない。

 参鶏湯(サムゲタン)と書くように、参つまり人参が入っていなくてはならない。もちろん高麗(朝鮮)人参のことで、味がよく似たゴボウで代用したが、ゴボウはキク科、高麗人参はウコギ科の植物であるからまるで違う。

 この高麗人参、日光に自生するとのうわさがある。江戸時代・吉宗将軍のころ、朝鮮渡りの人参栽培に手をつけ、日光御薬園で成功したとの記録があり、明治のころまで日光地方の山地で栽培されていたらしい。その名残の人参が山に自生しているというのだ。

 ネット検索した写真をみると、どこかで見かけたような感じがある。薄暗い杉林を歩いたとき、あざやかな赤い実に気づいた記憶があるわけで、それが高麗人参かは定かではないが、あるいは土地で言う“山人参”だったのかもしれない。

 え? ひょっとして地下室にある、あれか?

 地下室にある“山人参”の焼酎漬けは、自宅ログハウスをセルフビルドしたとき、いろいろお手伝いねがった建築家に頂いたものだ。山歩きが趣味で、昨年秋には、みごとなマイタケを頂戴している。おそらくこの“山人参”も自掘りしたものだろう。つまり20年以上も地下室で眠っていた逸品なのである。

 写真で見る高麗人参とはすこし違う。あるいは“竹節(チクセツ)人参”ではないかとも思えるが、いずれにしろゆっくりと調べてみることにする。試みに漬け液をなめてみると、たしかにゴボウのような味がした。