舞茸&料理

 友人の建築家からマイタケを頂いた。どうやら日光山中で採集したらしいが、留守中に訪ねてくれたのでくわしい場所はわからない。もっとも聞いたところで話してくれるとはかぎらない。
「きのこのシロ(場所)だけは絶対に教えない。息子には遺言で書き残す」
 という話がまことしやかに語られる土地柄なのだ。

「ご心配でしょうから、調べておきました」
 と放射性検査の分析通知書まで添付してある。いやいやご丁寧なことだが、いまだに心配せねばならないのが現実なのです。
collage_fotor-01
 計りそこなったけど1㎏はゆうにある立派なマイタケ。さすがは天然物でぷんぷん香ってくるが、はやく調理した方がよさそうだった。いまひとつは黒マイタケらしく、まだ若いものなのでいくらか保存が利きそうだが、なにせ夫婦二人なので食べきるのが大変だろう。

collage_fotor-03①自家製里芋を入れてけんちん汁。
②何はともあれ炊き込みご飯。
③ゴボウと合体のきんぴら。
④湿気った海苔をつかって佃煮。
⑤当然ながらの天ぷら。
⑥ストロガノフ家流のビーフ煮込み。
⑦ネットレシピの豚肉巻き

 と、まあ、三日ほどはマイタケ責めで、やっとこさっとこの完食でした。

ハチ毒・エピペン

 俳句の季語に「冬の蜂」があるけど、花のない冬のチエンソー作業ではちょっと注意が必要だ。越冬中のハチは動作がにぶく、よろよろと動いているが、毒針がないわけではない。ついつい触って刺さされたりする。

 広葉樹とくにカエデやナラを切断すると、含まれた樹液の甘み成分をねらって谷間中のミツバチが集まってくる。とくに回転する刃先は摩擦で熱くなっているため、樹液の匂いが強いのだろう。ときには回転する刃に突入して、はね飛ばされたりするハチもいて、そいつに刺されたりしないか、とヒヤヒヤしながら作業した記憶がある。


 数年前、ハチに刺されてアナフィラキシーショック(激しいアレルギー反応)に見舞われ、病院に駆け込んで点滴を受けたことがある。さいわい入院せずにすんだものの、医師にさんざん脅かされた。
「二度目が危険です。ハチの種類には関係なく、刺されないように注意してください」

p1250811-01 ハチ防除のネット服を購入したりしたが、いつも着ているわけにはいかない。とにかく作業には向かないので、一度も使用していない。

 そこで病院に行ったついでに「エピペン」を処方してもらった。ハチ毒などのアレルギー症状を緩和するため、自己注射する補助治療剤だ。専門医の診断をうけて処方してもらうもので、薬液入りの注射器のほかに練習用トレーナーが入っている。もちろん薬液や針なしの練習器で、上部の青いキャップを外し、太股に強く押しつけて数秒間待てばいい。
collage_fotor
 とにかく使う事態にならないよう願いたいものだ。

サフラン(洎夫藍)

 サフランが咲き始めた。8月に植え込んだ球根から2~3本ずつ発芽、順番に咲きだしてデッキを彩っている。秋咲クロッカスの一種で、赤い雌しべを乾燥させれば香辛料のサフランになり、重量単位で比べると、世界でもっとも高価なスパイスとも言われている。

 もともとは完成させた香辛料をサフランと称したが、いつの間にか花そのものをサフランとよぶようになったようで、江戸時代には生薬として伝わり、とくに女性の生理体系の薬として利用され、「番紅花」あるいは「洎夫藍」と表記された。

collage_fotor
 血液の代謝、循環に効果を発揮し、頭痛やめまいによく効き、肝臓にもいい。また最近の研究では、サフランの黄色の色素成分「クロシン」が、脳内の海馬を活発化させて、認知症やアルコールによる記憶障害を予防する働きがあるとわかってきたらしく、飲酒欲求とサフランの研究もすすんでいる。

a12-00 といった資料を読んだのは、ずいぶん前のことですが、さっそく取り入れた与一郎シリーズ第3作「家老脱藩」が配信されました。アルコール依存症に冒された主人公が様々な醜態を演じる、という破天荒なはじまりで、治療にあたった蘭方医が「洎夫藍(サフラン)」を処方したり、食事療法にサフラン入りしじみ汁(リゾット)が登場したりします。

月下美人咲く

 狂い咲きかと思っていたが、調べるとそうでもないらしい。また満月か新月の夜に咲く、という俗説も知ったが、満月から3日後の開花だった。

 しかし、ストーブを焚きながら見るのは初めてで、その匂いはいつもに増して強烈。ストーブの暖気と絡み合って何度もクシャミを誘われ、いささか辟易だったが、そもそも熱帯のジャングル原産だから、咲くほうも面食らったことだろう。
 サボテン科クジャクサボテン属で、葉の一部に蕾が形成されるが、正しくは葉状茎といい、大きくて白い花弁や強い香りは、小型のコウモリを誘って受粉させるためらしい。

 それにしてもこの匂い、ひさしく出席しない文壇パーティでみかけた「銀座のおねえさん」方を思い出させた。きらびやかに着飾って宴に華をそえていて、むせるような香りに振りむくと、おひさしぶり、などと微笑まれたりした。夜になると狭斜の町を徘徊するコウモリ族には効果的な匂いだったのだろう。

fotojet-collage-00

p1250728 翌朝、みすぼらしいほどに萎れているのは、しらじら明けの町をトボトボ帰った自分自身のすがたに見えてくる。

待ったなしの秋

 寒さが来るとなれば、植え込みは待ったなしだ。あまりに発芽が遅れると収穫に支障がある。それでいて早過ぎてもいけない。気温が高いと球根が腐りやすく、また発芽した苗が育ちすぎると、寒さに耐えきれず冬越しできない。
 そんなネット情報に急かされてしまうのが、毎年のニンニク植え付けだ。

「なにはなくてもニンニク、絶対忘れないでね」
 と奥さんが熱望する事情もあり、ここ数年は、1年間ニンニクを買わずにすむほども収穫している。
 種ニンニクは、安価な中国産と国産ホワイト6片を購入していたが、今年はうっかりして国産ニンニクを買いそびれてしまった。そこでヤギ堆肥をたっぷりすき込んでの植え付けとなった。

 ニンニク体型のヤギ糞堆肥は、ニンニク栽培に最適……、ということにわが家では独り決めしている。

collage-01
 
追伸……咲きそうで咲かない月下美人だが、いよいよ蕾がふくらんできて、これぞまさしく「触れなば落ちん」状態。p1250709

追伸2……好評与一郎シリーズの第2作「新任家老」が配信されました。読み放題のKU(キンドル・アンリミテッド)でかなり読まれています。お楽しみください。
a11-00

デッキファームの秋

 デッキを利用したキッチン・ファームは、おおいに便利だったが、屋根を架けたことでかなり様相が変わった。
img_0373

 デッキ床張り替えを考えての雨除けが理由だったわけで、軒下利用のキッチン・ファームにある程度の支障があるのは想定していた。しかし、前面の柵が高すぎたのは設計ミスか。秋になって太陽位置が低くなると、影がまともにプランターにかかってしまう。いますこしプランター位置を高くする必要があるかもしれない。
035-500x369
 とりあえず秋野菜をいろいろ植え込んでみた。朝食用のサンドイッチによく使うサニーレタスをはじめ、水菜、不断草(スイスチャード)の種も発芽しはじめ、茎ブロッコリーの苗を植えてみたが、はたして収穫できるだろうか。そのほかローズマリーやパセリは順調に育っているし、盛りを過ぎたバジルやルッコラもいますこしは利用できそうだ。

collage-c
 ただしタイムは、9月の長雨で弱っていたところを青虫にやられてしまった。かれこれ10年近くデッキに植わっていたので、そろそろ更新の時期だったのかもしれない。

p1250658p1250655-b 狂い咲きの月下美人は、急に寒くなったためか、蕾の成長がぱったり止まった。そこでストーブを焚きだした室内に移動させたが、はたして開花するだろうか。

サフランの秋

 カメラマンだったころ、一度取材したいと思いながら、とうとう行かずじまいだったのが大分県竹田のサフラン農家だ。
 秋が深まるころ、うす暗い納屋の中の何段もの棚の上には、栽培されたサフランの薄紫の花が咲きほこる。香辛料にする三本の雌しべを大急ぎで収穫すると、来年用の球根をそだてるため畑に埋めもどすのだが、そのさい花を摘んで捨ててしまう。すると薄紫のじゅうたんが竹田の里のあちこちに出現するのだそうだ。
collage-0a という話を思い出しながら、サフラン球根のオークションをポチってしまった。10個ほどで1,000円ほどだったか、そろそろ完成させるデッキで栽培してみるつもりだった。机の上に放置していても開花するというのだから間違いはないだろう、と植え込んだのは8月下旬ごろ。
 ひと月ほどしても芽吹く様子がまるでないので、わるい癖だが、ちょいと掘り返してみた。ちゃんと芽も根も育っていた。あわてて植え直したので、無事に発芽。花が咲くのは11月になってかららしい。

p1250622 もう一つの開花予想……。デッキに置いておいた「月下美人」につぼみが育っているのに気がついた。14、5年前、行きつけのお寿司屋さんでいただいた若芽を挿し木したら、みごとに根付いた。しかし葉が茂るばかりだったが、5年ほど前から花を付けるようになり、どうやら1週間後ぐらいには咲きそうな気配だ。

 

a10-00-%e5%b3%a0%e8%b6%8a%e3%81%88

 
 いよいよ好評与一郎シリーズの配信がはじまります。全部で6作品ありますが、3作品ずつの家老編、旗本編の合本も配信予定です。お楽しみください。

煙突完成

 煙突塔の位置間違いがあってすったもんだの末、新煙突が完成した。屋根から二階の客間を突き抜け、一階のストーブスペースに入る構造。断熱二重のNOVA製らしいが、要は安全によく燃えてくれれば、それで文句はない。

 使っている薪ストーブは、アンデルセンのThe Ugly Duckling(みにくいアヒルの子)という古い形式だが、いまはもう販売していないらしい。25年使ったが、内部のセラミック板を一度交換したきり。気密を保つガスケットもまだまだ使えそうで、とにかく頑丈そのものなのが気に入っている。

 あたらしい煙突はかなり太くなった。あるいは燃えすぎるか。ストーブの空気調節だけでは足りないかもしれぬ、と煙突ダンパーを取り付けることにした。が、試し焚きでは必要なかったような感じだった。

collage-c
 ともあれ薪ストーブは煙突が決め手。ストーブ価格と同じ費用が必要と言われているが、じっさい新煙突は、ストーブ価格(25年前だけど)の倍ほどもかけて完成した。

煙道システム交換

 わが家の薪ストーブでは煙道採熱方式を利用していた。煙突から外に逃がしていた煙りの熱を、二重煙突とファンを使って回収するシステムで、もともとはOMソーラーシステムに組み入れられる方式だった。ここにわかりやすく説明されています。

 石油ストーブ用に開発された方式を薪ストーブに接続する、というひどく冒険的な利用だったわけで、そもそも煙道の排熱を利用することは、煙道を冷やすことでもある。つまり煙道内に煤がたまりやすく、タール状に固まれば煙道火災の原因にもなる。
 そこで煤分の少ない広葉樹しか使わず、しかも2年ちかく乾燥させて燃やすようにしていた。それでも1シーズンに2~3回の煙突掃除が必要だったし、一度だけ、煙突接合部の煤が取り切れずに発火、ごく軽い煙道火災を起こしたことがあった。

 20数年間に一度の事故だったが、経年変化による劣化も考えられ、なにより安全が第一だろう、と薪ストーブ専用の煙突に交換することにした。新しい煙突では、排熱利用は不可能になったが、断熱によって煤がたまりにくく設計され、太さも150㎜(旧システムは105㎜)もあるので、煙突掃除は年一度程度でよくなるらしい。

a
 旧システムの煙突塔を外すと、断熱のロックウールにつつまれた煙道に異常はなかったが、その下の接合部分にはかなりのタールがたまっていた。さらに多くなれば発火ということも十分考えられただろう。やはり交換して正解だったわけだ。

 ところが煙突塔の位置があわない。細い旧煙突ならともかく、このままでは太い新煙突は設置できないことが判明。結局、煙突塔から作り直すことになり、屋根鈑金をはがすという工事になってしまった。
 新煙突はかなり重く、保持金具も頑丈なものを使用している。室内に入れた煙突とストーブの接続は、部品が足らずに翌週に工事することになった。

 それにしても20数年前のセルフビルドでは、煙突塔の位置違いを、煙突を曲げて接続することでごまかしていたわけで、よくぞ事故にならなかったものだ、と大いに反省している。
 

昔年の施工ミス

 いずれやらねば、と思っていた懸案にやっと手をつけた。ひどい風雨のときだけだった下屋の妻壁からの雨漏りが、このところ頻繁におこるようになった。外壁に丸太部分が露出したため、妻壁側との防水が完全ではなかったらしい。
 あきらかに20数年前のセルフビルドに原因がある。それと知りながら修理を後のばしにしてきたのだが、デッキ屋根架け用の足場があるうちに工事することになった。

 カネ勾配屋根に切り目を入れ、雨除けを立ち上げて新しい壁をつくる。といった工事になるわけだが、屋根材のステンレス板切断という鈑金工事はもちろん、外壁のサイディング工事などの経験はまったくない。すべては専門家におまかせするしかない。下手に手をだして昔年の失敗に上塗り、というのでは笑い話にもならない。

fotojet-collage-a

 ……じつは先週、新しいデジタル本『山羊と提督』を配信しました。この紹介を忘れるというのは、このサイトの目的からは本末転倒。ちょっとミスった、と笑ってすませちゃいけないはずだが、さらなるミステイクが発覚、という話が次回につづきます。