薪割り(2)
「田舎暮らしをするについて、一番大切な作業とは……」 と聞かれたら、そくざに「薪割り」と答えることにしている。じっさい日光で暮らした20数年間、小説を仕上げられなかった年は何度もあったけど、薪割りを欠かしたことは一度も…
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続きを読む →「薪割りは二度暖まる」 と語ったのはソローだったか、カーネーギーだったか。薪を割れば身体が暖まり、ストーブで燃やしてまた暖まるというわけだ。それで料理すれば「三度暖かくなる」とするアメリカの諺(ことわざ)もある。 薪…
続きを読む →四月に入ってすぐ、ジャガイモを植え付けた。他の地方にくらべて遅れ気味のようだが、なにせ日光は春が遅い。せっかく萌芽したところを遅霜にやられて全滅したことが何度もあるので、気温の見きわめがとてもむずかしいのだ。 じじつ一昨…
続きを読む →梅が咲き、桜が咲きだしていよいよ春めいてきた。そんな四月になった玄関でリンゴがいい匂いを放っている。 わが家の玄関は、居間とはドアで隔てられて風除室の代わりとなっている。そのため室温が低く、野菜や果物を置いておくのに…
続きを読む →春めいてくると「春告げ魚」を思い出す。魚偏に春と書く「鰆…さわら」も「春を告げる魚」だそうだが、どちらかと言えば西日本での話であって、東日本では「鰊…にしん」を「春告げ魚」と呼んでいる。 いきなりの余談だが、じつはこ…
続きを読む →田舎に移住して以来、なにごとにつけて「もらったり拾ったり」を実践している。別段、自給を目ざしているわけではないが、金を出して買うなどというのは、最後の最後、どうしても入手不可能と判断したときの選択、ということになる。と…
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