土留め修理

 母屋の背後には簡単な土留めをほどこしてある。隣家との地境の斜面を削り、車が通れるほどの道にしてあるが、このところ崩れがひどくなった。

 背後の斜面をイノシシに荒らされ、そのさい土留めにした半割丸太が損傷したのが直接の原因らしい。もっとも15年以上も前の設置とあれば、腐りにくいクリ材であってもそろそろ限界だったとも考えられる。

 いまのところ5メートルほどを修理すればよさそうだが、残りの約30メートルもいずれは要修理ということになりそう。そのあたりを考慮にいれて修理にとりかかる。

 たとえば半割丸太を杭にした部分は比較的損傷がすくないけど、同じ工法でとなると大量のクリ材を集めなくてはならない。といってブロック積みやコンクリート製の擁壁となると費用もかかるし、全面工事となってセルフビルドも大変だろう。

 そこでこんな部材を用意した。再生プラスチック製のアゼ楽ガードは、腐らず紫外線劣化もなく、15年の耐久性との触れ込みが気に入り、すでにいろいろと利用している。

 一枚の長さは120センチだが、接続すれば長さを自由に調節でき、丸ノコで切断出来るところも便利。用意したのは30センチ高だが、いろいろな高さが販売され、しかもホームセンターで簡単に入手できるのもいい。

 アゼ板を固定するための専用の杭もあるようだが、プラスチック製とあってすこし柔な感じがある。土の圧力に負けないような丈夫な杭が必要だろうと、異形鉄筋の利用を考えた。

 手作業での加工になるため、直径10φのSD10を選び、U字型に曲げた杭をつくった。一方の端を万力に固定し、鉄パイプを利用すれば、簡単に曲がってくれる。杭全体は約60センチと、アゼ板の高さの2倍にした。

 斜面の裾を平らになるよう掘り、アゼ板を一枚ずつ設置してゆく。ハンマーで軽く叩くようにして差し込むが、あまり強く打つと割れることもあるので要注意。接続部が固いときには潤滑オイルを吹きつければ、簡単に入ってくれるはずだ。

 丸太と組み合わせるのもU字型杭なら簡単。鉄筋製なのでさほど強くなくても打ちこめるが、打ちこむさいには足で押しつけながらハンマーで叩くなど、アゼ板にぴったり接触した状態にしておけば、のちのち崩れる心配はない。
 この作業中に気がついたが、U字型なので引き抜くにも力を入れやすく、打ち直しが簡単だった。

 仕上がりはこんな感じ。クリ材の杭に比べると、やや無粋なところがあるが、耐久性を考えれば、まあまあな仕上がりとしておく。


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