浴室掃除につづく化粧室の模様替えをした。もっとも化粧室とは名ばかりで、浴室の脱衣所だし洗濯機置き場にもなっている。そのためよごれた作業服なんぞが置かれているのが気に入らない、とウチの奥さんは思っているらしい。
たとえばドアー横のスペースに棚家具などを置けば片づけやすいが、当然のように出来合いではぴったり収まらない。となれば例によって隙間家具をつくることになる。
二枚の棚板は、香りの良い厚めのヒノキ板にし、脚部はタモ材をつかった。いくぶん脚が細く感じるが、スペースにぴったり入ればぐらつきもなくなるだろう。
また細い脚部にホゾは掘りにくいので、すべてビスで止めることにし、ボンドを併用して強度を保った。
むろん裏側などの見えない部分でのビス止めだが、ボンドを塗ってしまうとねじ込むときにずれやすい。クランプなどで固定しながら作業することになる。
ちなみにビス止めは、埋め木をすると完璧だが、面倒なのでドリル穴だけですますことも多い。ビス頭が見えないだけでもずいぶん違うのだ。
このところビスを多用しているが、こんな堅木用ビスを使っている。強度があり、折れたり曲がったりしないのが気に入っている。
裏側からビス止めした天板は、脚部とは段差をつけてある。いわゆる和風家具によく用いられる方法で「チリ」をつける、と呼んだりしているようだ。
完成したらオイルで仕上げる。落ち着いた濡れ色になり、汚れなどが付着しにくい。
さて出来上がった、と化粧室に持込んだところで問題発生。
出来上がりの高さがドアー金具と一緒になってしまい、ドアーから飛び出したノッチが邪魔になりそう……。となれば脚部を切り詰めるしかないか……。
とは杞憂だった。ドアーのノッチは、押せば自然に引っ込む仕組みだから、そのままドアーを開け閉めしてもまったく支障がない。
かくてスペースにぴったりはまってくれて、これぞ隙間家具だ。