2019年の秋ジャガイモづくりは、8月初旬にスタートさせた。昨年の成果に気をよくしてのリピート栽培ということだが、2度目はあんがい失敗が多いような気がする。
慣れからくる油断や手抜かりは何事にもあるわけだが、こと農業となれば天候の違いがあり、連作障害という事情も加わる。なにしろ年に一度きりなのだから、10年間つづけたとしてもたった10回。たいして威張れる数字じゃないし、昨今の気象変動を考えるとなおさらだろう。
それはともあれ栽培方法だが、気温の低い地下室での芽出し→10センチほど育てて挿し芽→土を入れた土嚢袋に定植、というわが家での手順に変更はない。
秋ジャガ栽培の難点は、まだ気温の高い8月~9月に植え付けるため種イモを腐らせてしまうことにあるようだ。そのため25℃ほどと涼しい地下室を利用して芽出しをしているのだが、日の当たらない家の北側で育芽する方法もあるようだ。
ジャガイモ栽培では「脇芽欠き」が欠かせない。栄養をイモに集中させるためで、この抜き捨てていた脇芽からイモを育てる「挿し芽栽培」という方法がある。10センチほど育てた芽の根っこを損なわないよう種芋から切り離す必要があり、これがちょっと面倒だが種イモが少なくてもすむメリットがある。
土嚢などの袋を利用した栽培方法は、もともとはベランダでの菜園からはじまったものらしいが、わが家では「猿対策」に利用している。袋の口を閉じてしまい、たとえ苗を引っこ抜いても育ったイモは取れないぞ、という「嫌がらせ」からの発想だ。加えてオモチャのヘビを仕込んだ「ビックリ装置」を苗にしばりつけたりもした。
そんなこんなで3ヶ月余りが経過し、霜が降りはじめ、葉があらかた枯れてきたところで収穫する。袋をひっくり返すのがやや大変だが、クワやシャベルなどでイモを傷つける心配がないのがいい。使用した種イモ(デジマ)は10個ほどだったから収量はこの程度か。
左写真の肌色が黒いのが種イモ。右写真の挿し芽栽培より、イモの育ちがいいのは当然だろう。
イモが裂開(クラッキング)しているのは、育ったあと気温が高くなっての二次成長による。10月に台風が来たりしたのが影響したのだろう。また表皮に斑点があらわれる「そうか病」も発生したので防除方法を調べたいが、どちらも皮を剝けば食べられるので、売るわけではない家庭菜園では問題は少ない。
芽の育ちが悪かったアンデスレッドは、すべて種イモからの栽培になったが、収量としたらまあまあだろうか。もともと小粒の品種らしいが、脇芽が多い株ほどより小粒になっている。大きく肥らせるには「脇芽欠き」が必要だったのかもしれない。
ちなみに仕込んだヘビの「ビックリ装置」は役立った気配がない。柿の実を狙って何度か出没した猿どもだが、土嚢のジャガイモにはまるで興味を示していない。あるいは秋にジャガイモが出来る、とは思ってもいないのかもしれない。
先だってのサツマイモ栽培でも抜いた気配がなく、なんだか拍子抜けだが、つぎの春ジャガイモで試してみるつもりだから、それで結果が知れるだろう。