予備なのに……

 例年、梅雨明けとともに書斎を涼しい一階に移動するため、設置してあるデスクトップのサブパソコンを点検した。そのついでに同じデスクに置いてあるThinkpad製ノートを数か月ぶりに起動させたところ、下記のように表示されて立ち上がらない。

 いわゆる内蔵電池が消耗したさいの症状で、BIOSに入り、日付けと時刻を設定し、F10をyesとたどれば起動してくれる。もともと部品取り用に購入した予備ものだから、動かなくても別段かまわないが、内臓されたボタン電池さえ交換すればいいはず、といつもの修理好きが頭をもたげた。

 デスクトップなら数百円、ノートパソコンの場合はソケット付きだから少し高いが、どうせ暇だから交換しておこうと考えた。とりあえず動作させておけば、何かのときの予備機として使えるから、とケチな性分なのがどうにもいけない。

 まずはネットで電池を探す。もちろんThinkpad用と確かめて購入するわけだが、交換するにはキーボードを外す必要がある。その方法はここにくわしく説明されているが、外したところで問題発生。電池が違っている。

 どうやら部品番号違いらしく、ソケットの形状が異なるし、コードの本数も多い。ソケットの違いだけなら極性をあわせてハンダ付けする手もあるが、一本多い白コードの役目がわからない。

 交換するには買い直すしかないわけだが、別に修理しなくたって支障はないのに、もうもう止まらない。さんざんネットを探したあげく、倍ほどの値段で入手。まあまあ無事に交換したけど、やれやれ、予備なのに、余計な手間と費用をかけたと後悔しきりの一件だった。

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