ブレード破損・セリ自作

 バンドソーのブレードは、使用しないときにはテンション(張り)をゆるめておかねばならない。耐久性を高めるためで、使用時に規格どおりにテンションをかけてから切断する。この約束事をころっと忘れた。

 ブレードがゆるんだまま回転させ、さらには堅いケヤキ枝を切断しかけたところで、ハッと気がついたが、すでに遅かった。
 ゆるんだブレードが暴れ、バツンと大きな音とともに破断。どうやら暴れた拍子にセリ(ブレードのぶれ止め)に触れたようで、セリも破損してしまった。

 大きな音におどろいたが、保持した手がブレードと離れていたので衝撃は少なく、さいわい怪我もなかった。いやいや、気をつけなくてはいけません。
 破断したブレードは、溶接修理が可能か問い合わせたが、溶接すると全周が短くなり、結局使用できない、と返信があり新しいブレードを注文する。

 バンドソーCB65Fのセリは、切断するすぐ上と定盤下の2カ所に六角ナットで固定され、左右それぞれ0.5~0.8ミリの隙間をもたせるよう決められている。
 標準の65ミリ幅の装着時は、二股になった面でブレードを押さえる。おそらく接触面を少なくして、抵抗を抑えるためだろう。写真のような幅の狭いブレードの場合は、反対側の全体面でぶれを防止することになる。

 したがってブレード交換時には、このセリもセットし直すことになるが、上下2か所、4枚のセリを止める六角ナットを外し、逆につけなおすのがけっこう面倒な作業だ。

 ともあれ破損したセリを新調しなくてはならない。当然、部品として入手できるだろうけど、おそらく(問い合わせていないけど)結構な価格になるだろう。そこでいっそ自作することにした。

 材質はベークライト。ブレードとこすれる場所なので耐熱性を持たせるためであろう。近くに素材店がないので、いつものようにオークションで探した。送料込み600円ほどで入手できたが、厚さが9ミリある。標準部品は6ミリ厚だが、問題はないはずだ。

 標準部品の型をマーキングする。六角ナットで絞めこむ幅に、16ミリ幅のブレードで切れ目を入れるが、こうした細かい作業もバンドソーなら、手持ちで安全にできる。スライドソーを使っていたころは、ずいぶん苦労してクランプで固定していた。
 切れ目の終りに穴を空けて完成。二股になった接触面がすこし大きいが、もし問題があるようなら改めて追加切断することにした。