ラニーニャ現象とジャガイモ

 ひさしぶりに日光らしい厳しい冬だったなと思っていたら、一転して暖かい日がつづいてあちらこちらの桜の開花がやたら早まっているようだ。低温にさらされたおかげで花芽の休眠打破がすすんだということのようだが、こうした振り幅の大きな気象はラニーニャ現象によるものらしい。

 ラニーニャとはスペイン語で女の子のことをいい、男の子の意味するエルニーニョは、ペルー沖の海水温が高くなる現象の名前としてよく知られている。ときにイワシの豊漁をもたらしたりするため、幼い神の子という意味もあるエルニーニョと呼ばれるようになった。

 このエルニーニョ現象には、遠く離れた西太平洋の海水温を低める働きもあるわけで、海水温が低いと周辺気圧が弱まる傾向がある。結果、日本列島の気温変動に影響し、ときに冷夏となって農作物に被害をあたえ、同時に暖かい冬をもたらすようになる。

 一方、ペルー沖の低温と西太平洋の高温をもたらすラニーニャ現象は、ほぼ逆の気象現象が現われるようになる。つまり日本列島は、厳冬・猛暑といった振幅の激しい気象となる確率が高いらしい。

 昨今の異常気象は、あるいはラニーニャ現象によるのかもしれない、ちなみにエルニーニョ現象の多くが1年程度で終息するのにくらべ、ラニーニャ現象は3年、4年と長くつづく傾向がある。
 確かに男というのはごくごく単純なもので、たとえ怒ったところで一晩寝たらけろりと忘れちゃったりするものだが、くらべて女がいったん怒りだすとそうはいかない、という話になるとあまりに横道に逸れすぎるか。

 そうしたわけで今年は暑くなりそうな予感がある。そこでいろいろ対策を進行しつつあるのだが、それは別の話としてお知らせしよう。とりあえず農作業を例年より早めにスタートさせ、毎年遅れてしまうジャガイモを植え付けた。

 作業そのものは変わらない。まずは種イモは陽ざしにあてて芽出しする。連作にならないような場所をえらんで耕し、元肥をほどこして張った黒マルチは、トーチ型ライターで穴を空ける。植え付けてから黒マルチを張る方法もあるが、強い日射しに出かかった芽が焼けてしまったことがあるのだ。

 芽出しをすませた種イモは、元気そうな芽だけを残して掻き落としておけば、あとで摘芽する手間がすこしは省けるかもしれない。あとは30センチ間隔で植え付ければ完了だが、あるいは例年のように猿どもに喰われてしまうかもしれない。
 芽が出てしまった食べのこしイモを、見つけやすい場所に囮(おとり)栽培してみようかとも考えている。

 追加……。昨秋に植えたそら豆が無事に冬越しした。霜よけを外し、倒伏防ぎを兼ねてキラキラテープを張ってみた。ネット情報によればアブラムシ除けになるらしい。