梅雨明け宣言があったはずだが、なぜか雨降りが多く、夏の盛りとは思えない涼しい日がつづいている。水分たっぷりだけに草の成長がはやいように思われ、仕方がないな、と刈払機をスタートさせた。
刈払機やチェンソー、さらには薪割り機などのエンジン起動は、多くはリコイルスターターが使われる。ブーリーに巻きつけられたロープを引き、クランクに回転を与えることでエンジンを始動させるものだが、むかしからどうもこれを苦手にしている。
腕力がないのが大きな原因なのだが、スキュバーダイビングに凝っていた20代前半のころ(なんと!50年前の話だ)、ゴムボート搭載の船外機がどうしても起動せず、プラグを外しては装着し、3時間ほどもスターターロープを引きつづけたことがある。その間に潮にながされ20キロ近くも漂流。
たまたま陸に向かっての海風だったから助かったものの、逆の風ならはるか太平洋だったわけで、そのトラウマは今でも残っているのだ。
ともあれエンジンは起動した。が、どうしたことか吹き上げが不調。回転をあげるとブスブスと停止してしまい、2度3度と起動しているうちに、プツンとロープが切れてしまった。
かれこれ10年は使っている刈払機だからロープ交換も止む無し、とホームセンターに飛んで行き、ロープを購入して交換修理とあいなった。
プーリーを外したあと、スプリングをほどかぬよう慎重にロープを通し、ストッパー代わりに結び目をつくるが、どうにもいけない。購入したのは3㎜φと一番細い交換ロープだったが、結び目が大きすぎて入りきらず、むろん出っ張ったままではセット出来ない。
仕方がないのでライターでよくあぶり、繊維を溶かした塊を大きめにつくって溝に納めた。よく考えてみれば古いロープの残骸がなかった。つまり切れたわけではないので、この方法が正しいのかもしれない。
追記 2018年7月 再度すっぽ抜けてしまった。やはり結び目を作らねばならないようで、強く引っ張りながら結んで小さくし、ドライバーの先で苦労して押しこんだ。何回かテストしたが良好だった。
ロープを通した取っ手がきちんと納まるようロープの長さを調節し、元通りに組み立ててロープ交換は終了。
クリーナーカバーを開けて不織紙のエアクリーナーを生ガソリン(混合燃料を使って目詰まりさせたことがある)で洗い、スパークプラグを交換する。写真に撮り損ねたが、燃料タンクから針金を使って燃料フィルターを引き出し、同じくガソリンで洗浄する。
ほとんどの場合、ここまですればエンジンの調子は回復するが、ときには燃料調節スクリューの調整が必要。取扱説明書に記載があるはずだが、スクリューを動かすときには、左右に何回転したかを覚えておくとよい。とにかく始動しやすく、アクセルに応じて回転数があがるように調節するのだが、要はエンジン音の調子でわかるように慣れることが一番だろう。
ちなみにキャブレター分解は、自信がないのでほとんどしない。燃料の混合比を25:1から50:1(ハスクバーナのチェンソー用を使用)に替えたせいか、キャブやマフラーの汚れは感じなくなった。
それにしてもこの涼しさはちょっと異常ではないか。気象庁もようやく騒ぎはじめたようだが、宮沢賢治が「オロオロ歩いた夏」とはこのことかと思い当たる。