ルーターテーブル自作②

 テーブルトップ(天板)につづいて脚部を作る。タモ材と杉板を組み合わせて横パネルとし、横桟・縦桟を同じくタモ材で作り、引き出しや扉を取り付ける骨組みとした。

 天板と接する上部の横桟は幅広にし、縦・横の接合はホゾではなく、ビスを利用するポケットジョイントを使う。幅広は2か所、その他は1か所止め。もちろん見えない裏側でジョイントする。

 また横桟は2ミリほど薄く仕上げて、縦桟とは小さな段差をつけた。この仕上げを「ちり」呼び、カンナを多用して直線で構成する和風木工の特長であろうか。くらべて段差をつけずヤスリで仕上げれば、どちらかといえば曲線加工にむいていて、いわゆる欧風の木工技術ということになる。

 上の写真のように横桟の下にスペーサーを置いて組み付ければ、「ちり」を同じ寸法に仕上げやすい。

 パネルとした杉板は、どこかでもらった天井板。汚れていたのでオイルステインで黒く染色。裏側にはめ込み用のみぞを彫り、釘止めとした。

 引き出しや扉を取り付ける骨組みも、見えない部分でのビス止めだが、寸法が狂わぬよう注意が必要。面倒だが寸法に切った木片(バカ棒)を用意したり、下穴をあけるようにすれば、狂いや割れがかなり避けられる。

 完成した脚部に天板を乗せ、さらにルーターをセットして、動作などに支障がないことを確かめる。しかし天板を固定するのは、引き出しなどの加工・組み込みを終えた一番最後にする。

 このとき骨組み部の寸法をきっちり測っておく。例えば引き出しの寸法など、一つひとつ違ってしまうこともあり、部材づくりのさい調節することも忘れないようにする。

 引き出しや扉は部材が多く、出来栄えのほとんどは部材づくりが決定する。寸法の正確さとともにキズや汚れを避けた木取りを心掛けたいが、自分が使う道具だからさほど気にしないのが私流だ。
 たとえばナラ板4枚を組み合わせた扉はビスケット接合。はめ込むのはヤギ小屋の窓につかったプラスチック段ボールの残りだし、同じくナラ材を加工した引き出しの前板は、細めのフロア釘で止めるといった具合だ。

 技術追及に熱心な木工愛好家だったら、「折角だから」とUS amazonで一緒に購入したダブテールマシーンを使い、高級感あふれるダブテール接合にするだろう。いやいや、原理主義者はそんな機具は使わない。手鋸とノミだけで仕上げてしまうのかもしれない。