サイクロン集じん機

 斜面に建っている母屋の半分は、高い基礎を利用した半地下室になっている。本来は工作室としてのスペースだが、使った道具を置きっ放しにするため、いつの間にか物置と化してしまう。きちんと整理さえすればよいのだが、なかなかそうはいかない。
「やはり作るか。そんな掃除道具があれば、すこしは片づける気になるだろう」

 などと思ってしまう癖が私にはある。机にむかっていて何も書けないからと、原稿用紙を変えたり、万年筆を買ってみたりした若いころからのわるい癖だが、もう治らないだろうし、治す気持ちもないので、やはり作ることにした。

 作るのは前々から興味があったサイクロン集じん機だ。自作パーツが通販サイトで案外低価格で売られていたのが購入動機。つづいて連動スイッチ付の集じん機をオークションで探し、送料込み1万円弱で落札した。

 さほどの自作部分はない。サイクロンのゴミ受け容器(母屋建築に使ったチンキング材の容器)の蓋として、厚みのある木質ボードをトリマーで丸く切り抜き、パッキン代わりに自己融着テープをぐるりと巻き付ける。つづいて合板に車輪を取り付けてサイクロン部と集じん機をセットする。なるべく大きな車輪のほうが、床のコードなどの障害物を乗りこえやすいだろう。

 古い掃除機のホースを利用するため、接続アダプター探す必要があるが、適当なものがなく、あっても価格が高すぎる。いろいろ考えたすえ、手持ちの塩ビパイプをテープで固定し、いま一つは灯油用の注入パイプ(ホームセンターで約200円で購入)を利用した。

 作動テストの結果はわるくない。使用する機具のワット数を考え、連動スイッチを弱にしたせいか、吸い込みが多少弱いようだが、使用にはほとんど問題ない。吸い込んだ切りくずは、すべてサイクロン部に収納され、集じん機本体にはまったく入っていなかった。

 この結果を受けて地下室の整理を行ない、この集じん機セットを接続したルーターテーブルの自作に取りかかる予定にしている。