デッキ家具 ③ベンチ

 家具の中でも椅子づくりが一番むずかしい。座る人間の加重がいつもかかっているため、なるべく丈夫にしたいが、それでいて動かすこともあるので軽くしたい、という相反する要望を満たす必要があるからだが、あまり動かさないベンチなら比較的つくり易いかもしれない。

 また背もたれに角度がないと座り心地がわるいものだが、大きな背もたれが付いたベンチの作り方をネット情報でみつけた。
 1×4材(19×89ミリ)を斜めに切り、背後に貼り付けて角度をもたせる方法はなかなかに興味ぶかく、しかも1×4材を縦横違えて貼り付けるというのは、いわば集成材の強さを利用できる賢い方法だろう。くわしくはリンクを参照されたい。

 参照リンクより大きくつくることになり、貼り合わせるとは言え1×4材では、いかにも強度が心許ない、と手持ちの角材35×60ミリを利用することにした。幅と厚さが違うので、材料取りのサイズ変更に手間取り、貼り合わせるため細かな材料が多くなった。

 ボンドを塗ったあとビスで止めるが、ボンドが滑って位置が狂いやすい。クランプを上手に使って固定するといい。またビス止め部分が内側になるよう、左右対称に組み上げるほうが見栄えがよい。

 塗装には、手持ちのマホガニー色の外部塗料を使った。たぶん購入したものの、色合いが気に入らなくて未使用だったのだろう。「ま、いいか」と塗ってはみたが、やはり赤みがかったマホガニー色はどうも好きになれない。もっとも高級材マホガニーなど使ったことがないので、本物がどんな色か知らないので、あまり悪口は言えない。

 脚部を組み上げたところで塗装し、前もって塗り上げてある背板や座板を組み付けた。これらの板材を固定するビスは、ザグリ穴にしたほうが見栄えがよく、ネジ頭が引っ掛かることもない。

 とりあえず3種類の家具が完成した。予定したとおり材料は一切購入せず、手持ちの塗料を利用したため、費用は約1000円の一部金具代だけだった。そうしたケチケチ制作のわりには、それぞれ面白味のある仕上がりになったと満足しているが、やはり家具は、硬い広葉樹のほうが仕上がりがよく、作り甲斐があるなと思った。