太陽光パネル

 設置工事は半月以上前だったが、東京電力の検査がようやく終了し、太陽光発電がはじまった。設置したパネルは4KWほどだからさしたる発電量ではないが、再生可能エネルギー利用という点では、なかなかに実感がある。

 じつのところわが家では、すでにOMソーラーを主屋建築時に設置している。東京芸術大学教授だった奥村昭雄氏が誕生させた太陽熱利用システムだが、20数年前の主屋建築にさいして、この太陽熱利用か、いっそ太陽光発電にするか、でずいぶん悩んだ記憶がある。

 両者とも設置コストはさほど変わらなかったように思う。それでも太陽熱利用とりわけOMソーラーを選んだのは、なにより故障が少ないだろう、という目論見によった。
 太陽光発電は、当時の最新テクノロジーともいうべきもので話題性十分だったが、耐久性にいささかの弱点があるようで、発電保証なども現在の半分以下、というのではちょっと二の足を踏む。

 一方、屋根の上に水や不凍液を通して温める太陽熱温水器は、当時はかなり人気があったようだが、屋根全体にパイプを張り巡らせる工事は、けっこう大変だったし漏水などの故障がつきものだ。
 比べてOMソーラーは、空気を暖めて循環させる。つまり屋根の上に温室をつくり、冬でも70から80℃になった空気をダクトで床下に送り、床コンクリートに蓄熱させて暖房に使うシステム。稼働するのは大型の換気扇一台で、耐久性については折り紙付だ。20数年間に故障はない。落雷でマイコンのショート事故が二度あったくらいで、とにかく晴れていればストーブは焚かないし、夜間も蓄熱でかなり暖かい。
 ついでながら夏は、そのまま戸外に排出するが、そのさいラジエーター(熱交換器)を通過させて温水を作ってしまうのだ。

 この蓄熱、という考え方がピタッと来た。それこそがログハウスを選択する条件のひとつだったからだが、ログハウスとOMソーラーの相性の良さについては、いずれじっくりと語ろうかと考えている。
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p1250946 ともあれ太陽光発電だ。まず設置コストが半分以下になった。故障率も少なく、10年の発電保証もつくようになった。そこで新設したデッキの屋根部分に設置することになり、東電の検査も終了して、余剰電力の売電も可能になったわけだ。
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野山を切り開いてパネルを敷き詰めるようでは、ある種の環境破壊をともない、再生エネルギー利用と双手をあげて賛成、というわけにはいかないが、デッキ屋根の利用であるから、下からは見えないのも気に入っている。ちなみに5月の杉伐採は、太陽光パネルが陰らないための第一ステップでもあったのだ。