南面の柵を作る前に古い土台部分の掃除と塗料塗りをおこなった。なにしろ20数年前につくった土台だから、青く苔むしている。丸太に防腐材を特別に注入したもので、まだ腐っていなかったのが、今回の屋根架け工事を強行するきっかけになっているわけで、苔を丁寧にそぎ落として塗料をたっぷり塗り、雨に濡れないよう庇でカバーすることにした。
もちろんセルフビルドする。当初のデザインでは、フランス製の波板(オンデュリン)を使うつもりだったが、宇都宮のホームセンターで実物を見たところ、さほどピタッと感じない。ならば、とB案を採用することになった。
田舎暮らしの方ならご存じだろう。使用材は、田んぼの畦の水漏れ防止用の「あぜ楽ガード」だ。リサイクルプラスチック製のエコ商品で、格段に安価なのに加えて10~15年の保証付というのもたのもしい。じつは数年前から薪棚の雨除けに使用していたもので、本格屋根はともかく庇程度なら十分仕える、と前々から考えていたのだ。
40センチの「あぜ楽ガード」を二段に張りつける。木造下地にはステンビスで留め、オンデュリンのネイルカバーを使えば、ちょっとスタイリッシュになったように思うが、
「まさか屋根に……」
と製造メーカーもびっくりしているかもしれない。
工事の合間をかいくぐって『二河白道』をやっとこさっとこ配信にこぎつけた。なにしろ400字詰め2400枚超のやたらの長編なので、読み返すのも一苦労。そこで「読み人知らず」ならぬ、「読み人おらず」の声しきりの作品です。