何だか謎解きめいたタイトルだけど、3種類のイモを収穫したのでその状況報告。つまり甘藷×、馬鈴薯△、里芋◎ということ。
10月末に早くも初霜を迎え、すでに何度か霜が降りた。まずは寒さに弱いサツマイモ(甘藷)を掘り出すことにしたが、今年の出来はさほど期待していない。
例によって土嚢袋に苗を植え付け、ヤギ小屋前の南斜面に置いた。日照を好むサツマイモには絶好の場所だが、秋ジャガを収穫したままの土嚢袋、つまり土を入れ替えず、土を少しほぐしただけで苗を植え付けてある。痩せ地でも育つはずだからと試してみたのだ。
ところが植え付け間もなくの6月上旬ごろに梅雨入り、7月末の梅雨明けと、典型的な日照不足に見舞われた。その後の猛暑でぐんぐん育つ予定はずだったが、猿どもの引き抜き被害がある。むろんイモなど小指ほどしか育っちゃいないが、根っこを痛みつけられたのが大きい。
萎れる前に植えもどして置いたが、かろうじて立ち枯れを免れるのが精一杯。葉の茂りも弱々しいようではイモの肥大は期待出来ない。じっさい掘り出してみてもこんな細長い芋ばかりでがっかり。
袋の土がカチカチに固まっていたのは、土を入れ替えなかった所為かもしれず、細いイモはこれが原因かもしれない。
そんな状況ながら、一脈の期待を持たせたのが菜園の片隅に育った野良サツマ。多分コンポストに捨てた切れ端から発芽したのだろう。栄養たっぷりのコンポストとあって葉の茂りは十分だったが、逆に栄養過多の「ツルぼけ」状態で、ころんとたった一つだけの収穫。かくて甘藷は×評価とあいなった。
秋ジャガにとっても難しい年だった。8月の猛暑も地下室なら28℃ほどの上昇ですみ、種イモからの発芽はなんとか乗り切ったが、その後の成長がうまく行かない。日射しのない地下室ではどうしても徒長ぎみになり、かと言って外に出せば35℃の猛暑だからほとんど成長しない。
25度以上では成長が止まる、というジャガイモの性質だから仕方がなく、9月の半ばすぎていくらか涼しくなったが、一転して秋の長雨となれば、こんどは日照不足に悩まされる。台風14号がUターンして遠ざかった10月10日ごろようやく天候が安定したが、早くも31日には初霜が降りて葉が枯れ出してしまう。
どうやらラニーニャ現象による早めの冬入りのようで、これではイモが肥る間もなかったわけで、あきらめて掘り出してみれば30株近くでこんな収穫しかなかった。
このままだと馬鈴薯も×評価だが、石垣ジャガはまだまだ青々と葉を茂らせている。いわゆる石垣イチゴを真似た栽培方法で、苗を植え付けた土嚢袋を石垣に沿わせて置いてある。南向きの石垣が日射熱を蓄えて寒さ除けとなる仕組みで、この蓄熱効果がうまく働いてくれるのを期待して△評価としておく。
今年の里芋は、芋煮の本場山形から15個ほどの種イモをネット購入。イノシシ除けに設置したワイヤーメッシュの防御柵が効果を発揮。春ジャガイモを荒らしまくったイノシシたちもまったく手が出せず、秋の長雨が功を奏した気配もあって成長はきわめて順調。
とりあえず試し掘りをしてみたが、イモの肥りもよく、個数も多い。購入したのは「土垂(どだれ)」という品種だが、昨年までの「石川早生」と違い、子イモが大きく育つようだ。
ただし「石川早生」のように孫イモがほとんど出来ないので、蒸したり、茹でたりした小イモに、ちょんと塩をつけた「衣かつぎ」を楽しめないのが少し残念だが、これだけ収穫があれば、◎評価は当然だろう。
たぶん1週間ほどで葉が枯れ出すだろうから、掘り起こした株にイモをつけたまま大きな土団子にし、土嚢袋につめて地下室で保存。食べるときに洗って使い、春、残した2株を種イモとして使う予定。