猿対策・袋栽培 春ジャガ編

 新型コロナによる緊急事態宣言が全国に拡大したため、遠出の花見はあえなく中止。しかし日光山間部の暮らしそのものに変化はなく、すこし早いけど春ジャガイモの植え付けから今年の菜園作業をスタートさせた。

 例によって土嚢袋でジャガイモを栽培している。来襲する猿どもが、たとえ苗を引き抜いてもイモには手が出せない、という「嫌がらせ栽培」だ。

 土嚢に土を入れるのが一苦労だが、底を抜いたペール缶を利用している。枯れ葉堆肥まじりの土を用意するが、苦土石灰などのアルカリ剤は入れない。ジャガイモはやや酸性のほうがよく育つらしい。

 ペール缶にすり切り入れると、ちょうど20リットルの土が入る。すこし少ないように感じたが、何度か試したけれど収穫にはさして関係がなかった。

 土入りの土嚢袋を運ぶための準備に、袋の口を丈夫なロープでしばる。

 前回、土入りの袋を軽トラで運んだ。重い袋を荷台に乗せ、畑まで運んでは下ろすのだが、この作業で腰をひどく痛めてしまった。袋栽培最大の欠点だろうか。

 そこでバックフォーの利用を思いつき、吊り下げ方法をこんなふうに工夫した。袋を閉じたロープを丈夫な鉄パイプに通し、さらにバックフォーのハサミ装置に通す。

 ゆっくり吊り上げ、栽培地まで運んだあと、ハサミ装置を開いてやれば良い。もちろんバケットに付属したフックで吊り上げてもかまわない。一度に6個も運んだので効率もわるくない。

 植え付ける苗は、芽を出させてイモから分離し、さらに暖かいヤギ小屋に置いたポットで育てた。
 2月末に芽出しを始め、ひと月かけて15センチほどになった苗から袋に植え付ける。

 猿対策の追加処置として、袋にオモチャのヘビを忍ばせた。ヘビに結んだ黄色の水糸は、苗のそばに挿したポールに縛り付けてある。猿どもがそれを引き抜いたとき、オモチャのヘビがずるずると顔を出す仕掛け。言ってみれば「ビックリ装置」のようなものだが、まだ効果のほどは確かではない。

 今年は暖冬だったが、ここに来て「花冷え」がつづいている。遅霜が予想されるので、ペットボトルの底を切り取った霜除けを考えた。ヘビを結んだポールに差し入れておけば風にも飛ばされないだろう。

 育った苗から順次植え付けてゆき、最後はイモ付の芽を植える。梅雨入りごろ収穫の予定。

 それまで猿どもの襲来がないことが一番だが、暖冬の今年は山に餌が多いはずだから、案外遅いかもしれない。それでいて仕掛けた対策の効果も知りたい、とすこし複雑な気分だ。