車を替えて以来、フロントガラスへの映り込みが気になって仕方がない。とくにダッシュボードのメーターを覆うふくらんだ部分がいけない。日射角度によっては白い反射面が、前方道路とまともに重なってしまう。
老眼はかなり進行したし、日射しが強いとまぶしさを感じるようになった。むろん加齢によるものだが、あるいは白内障の初期症状なのかもしれない。そのうち診察する必要があろうけれど、とりあえず映り込み防止を考えないと運転に差し支える。
まず反射防止のダッシュボードマットを探したが、中古車種のため該当品がすでに販売されていない。よく探せばあるかもしれないが価格もかなり高いとあって、ネット情報を参考に習字の下敷きフェルトの利用を考えてみた。
まず100円ショップを探したが、こんな黒フェルトがお安く、試しにダッシュボードに置いてみたら、かなり反射を防いでくれる。どうやら使えそうだ。
当該車のダッシュボードのうち、反射が影響する部分を黒フェルトで覆ってしまえばいい。まず中央部分を覆うよう大まかに切断したフェルトに、あらかじめスプレー糊を吹きつけてから貼りつける。
あとはプラスチック板の境目に沿ってカッターで切ればいい。貼ったフェルトをよく押え、浮き出させた境目にカッター刃を入れてゆく。境目なのでプラスチックに傷がつかないのがよく、境目がない下部は目立たないところでカットした。
またポケットがあるので、写真のようにフタ部分に合わせて切ればいい。
つづいて正面のメーター部を加工する。同じように大まかに切断して貼りつけるが、ふくらんだ曲面部も織りがないフェルトなので、やや引っ張り気味にすればピッタリ貼りついてくれる。
曲面の端部分はハサミで加工するが、ハンドルがじゃまになって少しむずかしい。あとは同じように境目をカッター切断するが、場所によってはカッターの柄が当たるので、刃だけを持って加工した。
最後にはみ出し部の糊を拭き取って完成させる。スプレー糊を裏に吹きつけるため、どうしても余分な糊がついてしまい、フェルトの繊維や切れ端が付着する。それをシンナーやアルコールなどの溶剤で拭き取ればいいが、溶剤の種類によってはプラスチックを溶かしたり変色させたりする。目立たない部分でテストするのがいいだろう。
使用したスプレー糊と拭き取り用の無水エタノール。どちらも手持ち品だったので数100円のフェルト購入費だけですんだ。
もっとも新型コロナ騒ぎで、いまは消毒用エタノールの入手はむずかしい。ただしアルコール分99.5%の無水エタノールは、あまりに早く乾いてしまうため消毒にはむかない。
たとえば燻製用に常備してある消毒用アルコールは、前もって70%ほどに希釈されている。そのぶん乾くのが遅くなり、消毒する時間が十分とれるというわけだ。
完成はこんな感じ。フロントガラスに近いデフロスターの吹き出し部も映り込むが、加工がむずかしいし、あまり視界に影響がないのでよしとする。
いま気がついたが、吹き出し部に何カ所か小さなマジックテープが貼られている。どうやら前の所有者がダッシュボードマットを取付けた跡のようだ。
この加工を終えたら東北あたりの花見にでも行くつもりだったが、どこもそこも外出自粛でお客お断りらしい。仕方がないのでロングドライブなしの集落散歩でガマンすることにする。