ケヤキの落ち葉掃き

 つい先日、上記のヘッダー画像を入れ替えたが、中心に写るケヤキがものすごい量の落ち葉を降らせている。その片付けは、わが家にとって冬支度の最初の作業と位置づけているが、しかし樹木というものは、年毎に成長するもので、それにともない散らす落ち葉も年毎に増加している。それを処理するこっちの体力が問題で、年毎に低下の一途をたどるとなれば、いずれ何らかの対策が必要になるだろう。

 それにしても、たった一本でこの量なのだから、都市部に多いケヤキ並木となったらどれほどになるのか、他人事ながら心配してしまう。そのほとんどが焼却処理されているようだが、そのさいダイオキシン類が発生すると問題になったことがある。

 ケヤキの枯れ葉には微量ながら塩素が含まれ、低温(300~500℃程度)で焼却したさいダイオキシン類が生成されるらしい。ちなみに「ごみ焼却」は、通常700℃以上の高温で燃やされているため、そのときには発生しないようだが、冷却装置や低温で作動する集塵装置内での生成が避けられないのだ。

 もっともケヤキの塩素は微量で、塩化ビニール類での発生に比べると、800分の1というからほとんど問題はない。ところがたとえ微量であっても発がん性のある物質なのだからきちんと処理すべきだ、と声高に発言する人々もいるわけだ。

 そう言えば、わが集落ではケヤキの薪は囲炉裏では燃やさない。煙が眼にわるいから、と聞いたことがあるが、ひょっとしたら発生するダイオキシン類が原因になっているのだろうか。このあたりよく調べてみないとわからないが、もともとすべての煙には有害な一面があるのも事実だ。

 たばこの煙は、目にしみるだけでなく肺がんの原因でもあるし、燻製の煙が腐敗防止に役立つかわり、すくなからず発がん物質を含んでいる。それを承知で暮らしてきたのだから、枯れ葉に含まれる微量塩素に目くじらを立てる必要はないのかもしれない。

 ついでながら塩素と塩はちがう。塩つまり食塩は、塩素とナトリウムが結びついた塩化ナトリウムのことだ。塩は安定した化合物で、融点800℃、沸点1413℃と高く、焼却炉程度の熱では塩素の遊離はない。したがって焼き鳥やサンマに塩をふりかけて焼いても、食塩からの新たなダイオキシン発生はないということになる。万が一、高温になって塩素が分離されてもダイオキシン類の生成温度を超えているし、鶏肉や魚はあとかたもなく燃え尽きてしまっているだろう。

 ともあれ、わが家のケヤキの枯れ葉は焼却されず、ダイオキシン類発生の心配はない。軽トラに4、5台分も運んでヤギ糞堆肥として役立てきたが、そのヤギもいなくなったので、たぶん最後の堆肥づくりとなるだろう。

 そこで今年は、茗荷畑のマルチ代わりに敷詰め、風で飛ばされないよう、こんなふうにネットで抑えた。ヤギ放牧場に害獣除けに張ってあったネットの再利用だ。