数日前の寒い朝、いつものように起動させたパソコンにトラブル発生。禍々しい黒い画面に何やら英文メッセージが表示されていた。
「ディスクの読取りエラーが発生した。Ctrl+Alt+Delを押して再スタートさせよ」
指示通りにすると難なく起動する。一日中使用しても問題はなく、何のメッセージも表示されなかった。
ところが翌朝から毎日、同じように表示されるようになった。しかし、いったん起動すれば異常はなく、スリープやシャットダウンをくり返してもスムーズに起動する。どうやら朝一番の起動時だけの現象らしい、と見きわめをつけたころ一度ではだめになり、二度三度とCtrl+Alt+Del押しを試さないと再スタートしなくなった。
とりあえずネット情報に当たってみる。まず周辺器機の接続が原因になっていないかを確認したあと、BIOSのBoot設定が変更されていないか調べた。
6年前に自作したPCのマザーボードはGIGABYTE製。電源ボタンを押したあとDeleteを連打してBIOSに入る。3D-BIOS画面をチェックするが、Boot順序№1はちゃんとHDD(使用しているのはSSDだが)のマークになっていた。
もしやと考え、BIOSのUpdaingを行なった。電源ボタンを30秒ほど長押しすると、自動的にUpdaingがはじまり、およそ5分ほどで終了する。この日のチェックはここまでだったが、しかし翌朝の起動時には、まったく修正されていない。
ふたたびネット情報探しだ。内部電池は交換したばかりなので原因から除外し、パーティション内のブートマネージャの読み込めないためのエラーかも知れないと考えた。その不具合を修正する「chkdsk」を行なおうとしたが、どうしたことかwin10用のシステム修復ディスクが見当たらない。確かに作成した記憶があるが、ひょっとするとそれはwin7のときだったかもしれなかった。
ならばいっそ、とPCを初期状態にもどすことにした。アプリを入れ直さねばならないけど、一番確実な方法だろうと思ったのだ。
スタートメニューの設定…→更新とセキュリティ…→回復…→このPCを初期状態に戻す…→個人ファイルを保持するを選択し、インストールは約30分ほどで終了する。しかし翌朝には、変わらずCtrl+Alt+Delを押す羽目になった。
となればSSD本体の故障しか考えられない。予備のSSDにクリーンインストールするかとも考えたが、前々から欲しかったクローン作成機を急ぎ購入し、win10導入時の小容量SSDからのクローンを作ることにした。さすが専用機だけにクローン作業も早かったが、結果は変わらない。いや、変わらないどころではない。Ctrl+Alt+Delを何度も試さないと起動しないようになり、エラー症状はいよいよ重篤の気配になってしまった。
やれ、困ったぞ……とWin10が入った二つのSSDを取り替えつつ、あれこれ試すことになる。どこをどうしたかわからなくなったころ、まったく症状が出ていないことに気がついた。
あれ! と思ってSSD②に換える。症状が出る。そこでSSD①にもどす。またも症状が出る。再度SSD②に換えてみる。すると無症状。おいおい……どうしたことだ。
そこに至ってやっと気がついた。SSDを交換するさい予備のSATAケーブルを使っていたのだ。そこでテストすると、すぐさま判明。つまり原因は、それまで使用していたオレンジ色のSATAケーブルだったわけで、ケーブル交換後はごくごく快調に起動している。
断線か接触不良かわからないが、あるいは気温低下とともに金属部の収縮でもあったのかもしれない。いずれにしろ人騒がせなトラブルだった、と思いつつネット情報をたどってみると「SATAケーブルの接点不良」を原因の一つにあげているサイトがちゃんとあるのを発見……。
どっと疲れがよみがえってくるのだった。