クマ?対策デッキドア

 寒くなるに従い、ケモノたちが出没するようになる。それが年ごとに激しくなっているのは、周辺農家の高齢化による耕作放棄の影響だろうか。お隣さんの畑も荒れ放題で、地境の先はまったく草刈りされない。かと言ってこちらにも買って出る余力もないわけで、完全にボサ(藪)化してイノシシどもの跳梁に任せている。

 草刈りを欠かさない敷地内は、狙う農作物がないかぎり入らないようだが、寒さがすすむにつれて、あちらこちら掘り返してミミズを探し始めた。
 どうやらイノシシは唐辛子を餌にしないらしいからと、古くなったキムチ用唐辛子を散布しておいたが、たぶん気休めにしかならないだろう。

 いずれは芝生を丹精している放牧地が荒らされるだろうから、その前に本格的なイノシシ除けを考えなくちゃならない。となればやはり電気柵か。

 先週来、市内中心部の神社にクマが出没して大騒ぎだった。なにしろ私鉄駅(東武下今市駅)から100mほどと近く、東京に出かけるさいには駐車しておく神社だったし、新聞などに報道される目撃者はいずれも知人とあって他人事ではない。

 そうした最中にデッキへの通路にケモノ糞を発見。シカなどの草食系とはまったく違い、ネズミらしき毛や尾が見える内容物から、あきらかに肉食系ないし雑食動物と思われ、人間並みの形状から、中形犬以上の大きさと判断する。
 石灰をまいて消毒処理したが、むろんこのままというわけにはいかない。

「腹具合のわるいときのクマ糞に似ているらしいわ」
 狩猟をするヤギ仲間から情報を得た奥さんから、当然ながら「なんとかして」と声が掛かれば、これは至上命令。即座に防御策にとりかかった。

 イノシシ除けには電気柵が考えられるが、どうやらクマにも通用するらしい。ただし設置方法に差があるようだし、敷地全体を囲むとなるとかなり大規模。せめてデッキへの侵入を防ぎたいが、それにしても部材買い入れなどの準備が必要になる。

 とりあえずデッキ入口に対策ドアを設置することにした。 まず屋根を支える丸太柱に、蝶番取付け用の角材をネジ固定する。あり合わせの角材をドア部材とし、四隅に補強板をビス留め。あとはザラ板(モルタル壁などの下地に打ち、ラス網を張りつけためラス板とも言う)を縦に打ち付ける。横に張ると、すき間を足がかりにして乗りこえてしまうからで、ヤギ小屋づくりからの教訓だ。

 ちなみに板はセンターから張りはじめ、すき間に見合ったバカ棒を挟みながら作業すれば、板がそろって取付けられる。

 こんなふうに完成させたが、すこしヤワな感じがあり、クマに体当りされたら阻止しきれない。デッキ内に餌になるような農作物を置くのは厳禁にする。

 またドアには玄関用のベルを取付けるつもり。もっとも鳴ったとて耳が遠くなった身には聞こえないだろうが、ドアに手をかけたとたん、チリリンと鳴ってくれればクマもビックリするに違いない。

 板バネの先に取付けた昔ながらの玄関ベルが丈夫そうだが、地元のホームセンターではベルそのものが売っていない。ネットで探して購入予定。