桜が咲き出した。と言ってもお隣さんの借景だが、どうした加減か今年になって花付きが急によくなった。かれこれ7、8年前に植えられたと記憶しているが、雑草に負けそうになりながらもどうにか生き延びて来たもので、花色の濃さから山桜か緋寒桜(ヒカンサクラ)だろうと思われる。
奥には梅の古木が白く咲いている。梅と桜が同時に見られるのは北国の特権だが、さらに桜の苗木を植えてくれたようで、いまは鹿の食害除けに緑色のネットで保護されている。花が咲き出す数年後が大いに楽しみだ。
その手前に菜の花の種を蒔いておいた。鹿やヒヨドリ、あるいは兎かもしれない何者かに喰われてしまってチョボチョボ咲きだが、本来なら黄色の花ベルトが出現して、文字どおりの「あかしろきいろ」となる予定だった。
ところがさらに白が加わった。雪が降ったのだ。
都内あたりでは満開の桜に雪景色……となったようだが、新型コロナさわぎでそれどころではなかったか。いわゆる春の雪だが、まだ3月末とあれば日光ではめずらしくもなく、4月中旬の弥生まつりまでは雪が降るので、車のタイヤ交換はそのあとにしている。
そのころやっと桜が満開になるのだが、暖冬の今年はやたら早く咲きはじめ、そのあと帳尻合わせのように雪模様になったということらしい。
春の雪ながら伸びはじめたニンニクには影響はない。追肥をほどこしたあとなので、ちょうどいいお湿りになっただろう。
となりのソラマメは寒さよけのドームがつぶれてしまった。どうやら苗は無事だったようだがこのままというわけにはいかない。
古い苗は寒さに傷んでしまうことがあり、ひと思いに切り取り、顔を出した脇芽を育てる方が後々の成長にいいらしい。まだ脇芽が出ていない苗もあるが、いますこし育ってから作業することになる。
しかし困った。桜が咲いたら春の種まき、というのが例年のスケジュールだが、そこに雪降りとなると、どちらを基準にすべきか悩むところだ。
こんな5品種の種を用意してある。例年のようにバターナッツとミニトマトは自家採種だが、いつもより半月も早いのだから、さすがに露地での育苗というわけにはいかないだろう。
そこで種を蒔いたポットは、発芽するまでヤギ小屋に置いておくことにした。ついでにポット下にヤギ用の保温マットを敷いてみた。設定39℃とのことなので、冷える夜間、1時間に20分ほど通電するようタイマーをセットした。はたして結果はどうだろうか。
ちなみに今年は、すでに芽吹いているヘアリーベッチとの叢生栽培に挑戦する。すき込んで緑肥とするヘアリーベッチをそのまま生やし、バターナッツや地這えキュウリ、ズッキーニを植え込んでしまう。
ヘアリーベッチのチッソ固定と雑草抑制を利用する、という欲張った実験だが、いまひとつ猿対策の思惑もある。その詳細はいずれ配信する。