書斎を2階にもどしたまま片付けていない和室だが、そのさい置いてあった座椅子をほとんど利用していないのに気がついた。足腰が弱くなったせいか、低い畳に座ったりすると起きあがるのが苦になってきたのが原因だろうか。
客間に置いたほうが利用価値があるかもしれないが、フローリング床だからちょっと似合わないか。それならいっそ座椅子をTHE椅子にすればいいかもしれん、と思ったりした。
下手な駄シャレはともかく、つまりは洋間に置いて似合うような、かつ立ち上がりやすいソファにしてしまおうか、と考えたのだ。
座椅子をソファーにして利用するのは、20年ほど前につくったことがある。本格的な肘掛け付をホゾ組みにしたのでかなり丈夫だったが、肝心の座椅子がへたってしまい交換したいのだが、同じサイズのものが見つからないのが欠点だった。
そこで多少のサイズ違いにも対応できるような形にするつもりだが、はたして上手くゆくかわからない、と作業場に出ていたヒノキ板でとりあえずつくってみる。たしか間柱用に製材されたものだが、あんがい節がないところを気に入っている。つい先日も使った残りの材料だが、ほのかにヒノキが香るのも客間にはわるくはない。
例によってビス止めの簡単造作にする。4枚用意したヒノキ板を自動カンナやサンダーで仕上げ、これを枠型につくればよいから作業もじつに簡単だ。すこし高さがたりないので台代わりに木片をビス止めした。
中間に止めた補強材は、座椅子を固定するのに使う。座椅子の下側にある鉄パイプを探って紐を通し付け、それで補強材を縛り付けてみた。なかなかきつくは縛れないが、大きく外れることはないだろう。
完成しての座り心地もわるくない。欲をいえば、折角のリクライニング装置をうまく利用したいが、そのためには後ろ側での支えが必要か。
客間に置いてみたが、なんとか使えそうだから、古い座椅子ソファをつくり直してもいいかもしれない。いや、それより、とりあえずセットにした根来塗りの卓と似合わないためで、やはりテーブルを先につくることになるのかもしれない。