エンジン薪割り機の点検

今年の冬は薪割り機が大いに働いた。どうした加減か、薪原木が潤沢に入手出来てしまい、薪置き場が満タン状態になったので、暇をみつけては薪割りに励むことになった。

わが家のエンジン薪割り機は、メーカー不詳の中国製だ。8年前の東日本大震災のあと、計画停電時に大活躍した薪ストーブの充実を考え、試み半分にオークション入札したところ、ほとんど最低価格で落札してしまった。

エンジン6馬力、破砕能力27トン、総重量300キロという巨大機で、その性能からすれば価格50万から60万円はするだろうが、その10分の1ほどで買えてしまったのだ。
おそらくは歴史的円高による大量輸入のお蔭だろうけど、運送費2万円で運ばれてきたのは、木枠に囲まれた半製品。つまり自分で組み立てる方式で、怪しげな英語マニュアルに首を傾げながら、バックフォーを駆使して組み上げた記憶がある。

その後の2年ほどが修理の連続というのは、言ってみれば中国製の宿命か。それでも多くはナットの脱落やUボルトの交換、低圧ホース破断といった作業ばかりで、主要部品の高圧ホースやコントロールバルブに故障がなかったのは大いに幸いだった。

この数年は曲がりなりにも故障なしに稼働してきたわけで、今年のシーズンを終了させたあとは、前々から考えていた薪割り機の点検を行うことにしていた。

まずはエンジンのオイル交換をする。怪しげな英語マニュアルには何も書いていなかったが、汎用エンジンの取扱書だったか、一回目は50時間、あとは200時間程度で交換と読んだ記憶がある。
使用時間を記録しているわけではないが、一日4、5時間、延べ6、7日間程度が年間の使用時間と考えている。たしか1年使用後に交換しているから6年ぶりで、約200時間超経過といったところだろうか。

エンジン最下部のドレーンボルトを空け、古い汚れたオイルを取り出す。使用オイルは、4サイクル用10w-30を1ℓほど。
あいにくオイルジョッキがないので、プラスチック板で漏斗をつくり、ペットボトルに小分けして注油。キャップに付いた計量棒の中程まで入っていればOKとする。

 もうひとつの作業は、コントロールバルブと高圧シリンダー取り付け部からの作動オイル漏れ。両手でハンドルを操作し、動作もやたらもっさりした古いタイプながら、確実に可動してきたバルブ・ユニットだが、全体が回転してしまうようになった。そのせいでネジ部がゆるんだか、あるいはシール剤が劣化したか、少しずつオイルが滲み出て、10分に一滴ほどポタリと落ちるようになった。

バルブ・ユニットを取り外し、シール部の点検補修が完全だが、そのためには高圧ホースを全部外すという作業になり、当然、作動オイルの大量補充が必要になる。または漏れ防止の添加剤、あるいは外部から吹き付けて漏れを止める方法もあるようだが、とりあえずの漏れ軽減策を試すことにした。

こより状に細くしたシールテープを連結部に巻きつけ、ドライバーの先などで固く詰め込み、その上から自己融着テープでぐるぐる巻きにした。この程度では止まらないな、と思いながら試運転したところ、あんがい滲みは少なくなり、30分に一滴ほどと格段によくなり、このぶんなら作業オイルの補充でしのげそうな感じだ。

ちなみに作動オイル(ISO32)は、車輪軸上の鉄枠に注入されていて、総量24.7ℓも入る。計量メーターはないので、注油口からドライバーを差し入れ、エンジンポンプからの低圧ホースより上まで入っていればいいらしい。
点検したオイルに汚れはまったくない。バックフォーなどの作動オイル交換は2000時間というから、それに準じると、作動オイルの交換はどのくらい先になるのだろうか。

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