木製の新スモーカーだけにすこし心配と、試しに炭火を入れて煙を出してみた。合板に塗った塗料の臭い消しの目的もあったが、3時間ほど経っても箱の外側が熱くなることもなく、耐火テストは合格とした。
前面のドアー下には、ふとん乾燥機のジャバラホースが取り付くようにしてある。ソーセージなど材料を熱風乾燥させるためで、熱量が足らないときは下段で炭を燃やす。
また煙り出し用に、上板に三つの穴が空けてあり、板などで塞いで煙り量を調節する。デジタル温度計のコードを入れるのにも利用する。
ベーコンなどの肉を吊り下げるため、10mmφの鉄棒を刺し入れる穴を空けてある。鉄棒に網をのせれば、吊れない材料のスモークも簡単だろう。
下段のコンロには豆炭を熾し、10センチほどに切ったサクラの薪をのせるが、大きく燃え上がらないよう置き方を調節するのがコツ。以前に電気コンロを使用したこともあるが、薪を直接のせるとニクロム線が切れやすかった。
もちろん電気コンロに鉄鍋をのせ、市販チップを燃やす方式なら、サーモスタットを利用した熱調節も可能だろうが、いまのところ買う気がまるでない。したがって電気コードを通す穴も空けていない。
本番スモークにはいろいろ試してみた。
まず一番上に、約2キロのベーコンの塊を2枚吊るした。フックで吊り下げると、肉がダラーンとのびてしまうが、2mmほどのステンレス棒を金串にして吊れば型崩れがない。
鶏のささみも金串に刺してスモーク。全部で20本ほども吊った。
その下の網に味付け卵、さらに塩味を付け、水抜きした島豆腐を置いてある。
煙を出しはじめ、徐々に65℃まで温度をあげてゆくのはいつもと同じ。燻煙時間は、鶏ささみは2時間、卵と豆腐は3時間。ベーコンが6時間。
そのあとベーコンと鶏ささみは、大きな寸胴鍋に湯をわかし、70℃を厳密に保ってボイル加工するのがわが家のレシピ。味付け卵と島豆腐はそのままで出来上がり。
たまたまの偶然ながら、奥さんが焼き上げた手作りパンとならべてみたが、こうして4種類もの燻製が一度に完成するのが新スモーカーの利点だろう。