昔ならこの程度のお肉、あっという間に食べたものだが、と思いながら料理している。あれほど好きだった肉料理をほんのすこしで満足するのは、やはり年取った証拠だろう、と思うのだが、それだけ効率的に生きている、と考えることにしている。
そんなわけで、残りのリブフィンガーをあっさりした味で食したい、といろいろ探してみたのがこれ。材料は、肉と水、あとは塩だけと、あまりに簡単なレシピなので紹介するのが気が引けてしまう。
①スジを取り除いたリブフィンガーをひと口大に切りそろえる。
②圧力鍋に水カップ1と塩小さじ1を投入。10分ほど圧力をかけて煮る。
③煮あがったらアクを取り除き、刻んだパセリを散らして出来上がり。
ひどく単純な調理だけに、素材の味がそのまま現れそうだが、お安い輸入肉でも結構いけた。ほのかな塩味がなかなかよかったが、パセリ以外のハーブを試すのもわるくない。たとえば、そろそろ田んぼで芽をだすセリなんかを散らせば、ずっと和風になったりするかもしれない。
やはり牛肉となれば、ワイン煮込みが定番だろう。薪ストーブにのせてコトコト煮込んだりするものだが、量が少ないので圧力鍋で簡単に調理する。
①ひと口大に切った肉は、ビニール袋に入れ、赤ワイン1カップを投入。袋ごとモミ込んで一晩冷蔵庫で寝かせる。
②漬け込んだ肉の水分を拭き取り、フライパンで焼き目をつける。
③あらく刻んだ玉ネギ1個を、別の圧力鍋で少々のオリーブオイルとともに炒める。刻みニンニクをいれてもいいだろう。
④肉を焼いたフライパンで、残してあった赤ワインの漬け汁を煮る。そのさい肉の焦げ目をこそぎ取るのがコツ。フライパンに残った脂のうま味・香ばしさを、つまりメイラード反応を移し取るわけだ。
⑤圧力鍋に漬け汁と水カップ1、ローリエ1枚を入れ、15分ほど圧力をかける。
⑥煮あがったら塩・コショウで味を調え,マッシュポテトを添えた。
ところが今回は、市販の粉状のデミグラスソースを試してみた。圧力鍋だけでは煮込み不足に思えたからだが、見た目はそれらしく出来上がった。しかし、かすかながら人工調味料が感じられ、どことなくの嘘っぽい味になってしまった。やめればよかった。