もともと整理整頓は苦手な方だが、地下作業場の一角を占領している枝の自然木はどうにも片づかない。
杉丸太の皮むきに高圧洗浄機をレンタルしたのは、もう15年ぐらい前のはずだが、そのときに広葉樹の細枝の皮をむいて白木に仕上げ、乾燥させるつもりで地下室に放置したままになっていたのだ。
多くは薪用に仕入れたケヤキやナラ、サクラのはずだが、皮をむいてしまったので見分けがつかなくなってしまったし、ときおりドアや窓、引き出しなどの取っ手に使用しただけでほとんど減っていない。
そうした自然木の枝を片づけがてら何かに組み上げてみようと思い、となれば丸ホゾが必要になろうから、といくつかの方法を試してみた。
このテノンカッターは、自然木で柵をつくるつもりで購入したが、設計変更で使わずじまいになっていた道具だ。
たしか『手づくり木工事典』の著者・芝地正履(しばち まさぶみ)さんが代表を務めていたTAMA CRAFTで購入したものだが、もう何年も前に販売は停止してしまったらしい。いまはオフ・コーポレーションで買えるようだが、すこし価格が高くなったような気がする。
言わば大きな鉛筆削りのようなもので、カッターをドリルにセットし、万力に固定した枝に押し当てて削る。いくつかサイズがあり、一番大きな1インチを使ってテストしてみた。
刃の調整・固定ネジをしっかり締め、水準器をみながら水平に注意する。また太い枝は、あらかじめテーパーに削っておく必要がある。
アルミ製のカッターが重く、回転時にかなり振動するが、傾かないよう保持して一気に削るほうがうまく削れた
前述のオフ・コーポレーションに「埋め木カッター」を利用した丸ホゾづくりが掲載されているが、やや高価なのが欠点。そこで「のほほん木工房」さんが紹介する激安ホールソーでの丸ホゾ加工を試してみた。
激安だけに切削力に劣るので、硬いケヤキの枝は無理かと思ったが、案外スムースに削れた。周囲を切り落とせば丸ホゾが完成する。テノンカッターと違い、胴付きなので組み上げたとき丈夫になるはずだ。
すこしばかり木肌が荒れてしまうが、ホゾ穴に組み込んでしまえば問題はない。中央に大きなガイド穴が空いてしまうのが最大の欠点か。
また「のほほん」さんは、こうした加工をドリルを逆さに固定した「逆ドリル」で行っていた。曲がった自然木を固定するのはいささか面倒なので、あんがい効果的な方法かもしれない。いずれ試してみるつもりだ。