わが家のセルフビルドは1994年の春にスタートしている。完成となると定かではなく、一年半後に住みはじめたが、床板は張れておらず下地コンパネの上を土足で生活していた。しかしOMソーラーの工事は屋根工事と同時のはずだから、およそ23、4年前の設置ということになる。
空気集熱方式のOMソーラーや、考案者の奥村昭雄氏(東京藝術大学名誉教授)についてはここでは書き触れないけど、かなり初期の導入だったことになる。20数年間のトラブルと言えば、雷電波をひろって損傷したマイコンを交換したぐらいなもので、機構そのものは故障しらずでよく働いてくれた。
ところが半年ほど前、どうも床下に熱が送られていないのに気がついた。この冬は特別に寒かったため気づくのが遅れたのだが、屋根で行われる集熱は、いわゆる温室だから故障のしようがなく、集熱ファンも作動音を聞くかぎり回っているようだ。それでいて床下に風が送られてこないのだ。
書き忘れているが、OM設置も工務店なしのセルフビルドだった。構造計算を依頼した若手建築家が浜松まで出向いて講習会に参加し、日光市初めての導入事例になったはずで、設置時にはOM協会からの技術指導をたのみ(文字通り指導するだけで、釘一本打たなかった)、板金屋さんに手伝ってもらって工事した。たとえば曲がりくねったダクトの接続工事は、建築家と奥さんが担当といった具合だ。
そうしたことから故障調査も建築家にお願いしたのだが、どうもはっきり原因がつかめない。同じころ故障した貯湯タンク(夏になると排出する高温空気でお湯を取る)との関連も疑われたが、どうやらハンドリングボックス(集熱した空気を床下に送ったり、屋外に排出する)のダンパーを動かすモーターの故障と判明。20年以上も使ったので寿命と考えてよく、取り寄せて交換ということになった。
交換作業は建築家と電気屋さんが当たってくれ、私はまったくノータッチだ。若手だった建築家もすっかりおじさんになり、かなり老眼がすすんでいるらしく、マニュアルを読むのも苦労している様子。
作業手順を把握するのがやたら難解だったけど、作業そのものはごく順調。スイス製のあたらしいモーターの軸位置をたしかめて取り付け、ソケットをマイコンの所定の場所に差し込むだけだった。ただし曇天のため集熱されていないので動作は確認できない。
翌日、棟温度45℃になり動作しているのを確認。その後、あたらしい貯湯タンクも設置されてお湯とりも開始し、このところの好天気には、ボイラーをほとんど作動させずに入浴できている。
ついでのトピックス
……嵐も吹けば、雨も降る……
鹿にかじられ、猿に引っこ抜かれたりしたが、しぶとく何本か残ってどうにかこうにか収穫をむかえ、ペコリーノチーズと一緒に食卓にのっている。
……ここに倖あり、あおい空……
生食用ファーベ(そら豆)を話題にしているが、唄がやたら古い。