ニンニク収穫

 思いのほか豊作だった。毎年栽培するのは国産の福地ホワイト6片だが、昨年はデッキ屋根架け工事で忙しく、ついつい種ニンニクを買いそびれてしまった。仕方なく中国産ニンニクで代用したものの、ほぐしてみると10片近くあって小ぶりニンニクばかり……。
「こりゃあまり期待できないな」
 と思いつつ植え込んだ記憶がある。

 ニンニクは、例年、10月ごろに植え込み、梅雨入りどきの6月中ごろ収穫、と約8ヶ月以上の長期栽培になる。年の暮れには10センチほどに育つ苗は、土が凍りつくような寒さにも負けず、雪に埋れながらも青々とし、春に先駆けてモシャモシャと葉をのばしてくる様子は感心するほど逞しい。

 連作障害は出にくいそうだが、3年目には収穫が落ちる、との情報もある。そこで出来る限り場所を変えることにしているが、昨年は堆肥置き場の近くに、山羊餌用のイタリアンライグラスとならべて植え込んだ。いつもより発育がいいのは、堆肥運びの手間がはぶけて量が多くなったせいもあるのかもしれない。

 ともあれニンニク栽培は、その匂いのせいだろうけど、猿の害にも遭わず、もちろん鹿の食害もない。隣りあったイタリアンライグラスは、まるでバリカンで刈ったように鹿に喰われてしまい、あわてて周囲にネットを敷き、水糸を張り巡らすのが、わが家の鹿除け方法だが、ニンニク畑にはまったく近寄らないのだ。

 草取りもしない雑草だらけになったニンニク畑に、一輪車を持込んで収穫を始めたが、予想外の豊作に、軽トラックを横付けしての作業となった。

 根張りがよくて引き抜きが大変だったし、珠の育ちもわるくない。粒は小さいながら匂いが強く、試食したところ風味もよかった。

 根を切り取り、茎を裂いて中の芯を切り取ったほうがよく乾く。茎を短く切り落として乾燥させる方法もあるが、あとで編み込むつもりなので葉を残して乾すことにしている。
 ちなみに寄生した虫は、上に昇るから珠を下にして乾燥させるほうがよい、とネット情報にあったように思うが、効果のほどは知れない。