屋根を架けたデッキ用に家具をつくりはじめている。屋根架け工事の完成パーティの予定でもあるので、その用意の一環でもあるが、工事のさいに伐採した杉板を何とか使ってしまいたいというのが第一の理由だ。
ノートに3種類の家具を考えてスケッチした。これを設計図代わりとし、
①材料は伐採杉、あるいは屋根工事の残材を使用し、材料にあわせてサイズ変更する。
②追加の材料・金具は、なるべく買わず、塗装も手持材料を工夫する。
③家具にむかない針葉樹材なので、ビス止めを多用し、トゲが刺さらない程度の仕上げとする。
というラフな制作ながら、家具づくりとなればいろいろ準備が必要だ。なにより物置と化した作業台を片づけねばならないし、去年ほとんど使わなかった自動盤を整備する。20数年前の中古の頂き物だが、まだまだ使える。可動部にグリスを塗り、刃の交換などに2日間も要した。
まずは杉板の荒取りからはじめた。伐採した杉を梁に使い、残りを40ミリ厚に挽いたもので、長さは4メートル超もある。一番大きな材をつかうテーブルは、長さ1800ミリもあるが、引き出しがある小机や人が座るベンチにくらべると造作が単純なので、冬ごもりで鈍った体慣らしにちょうどよいだろう。
屋根工事の束用の105㎜角で脚4本をつくり、幕板にする板は、たぶん屋根の鼻隠しにつかった残りだろう。ほかに自動盤で仕上げた野地板を用意した。
本来ならホゾ仕上げだろうが、今回はポケットホールジョイントを使い、手早く組み上げてしまう。数年前の円高のころ、USamazonに注文したものの、まだ一度も使っていない。斜めに穴をあけ、ビス止めしたあとの埋め木も用意されている。
最近では日本でも売られているようで、ボンドを併用すればかなり強力に接合できる。
二枚を組み合わせたトップボード(甲板)は、ほぼ一年間、自然乾燥させているが、湿気を吸えば、当然、伸び縮みをくり返す。硬い広葉樹だったら吸い付き桟を使いたい脚部との接合には、長穴金具を駒止め代わりに利用した。
この程度の長穴では間に合わないかもしれず、軟らかな杉とあってネジが抜けてしまう可能性がある。要修繕を覚悟しておく。
問題は塗装だ。このまま白木にするかとも考えたが、余っているウォルナット色のステインを塗って汚れ防止とした。塗ってみると、想定外に黒くなってしまったのは、どうやら黒杉材だったのが影響したようだ。いまごろ気づいても手遅れだが、薄いウレタンを塗り、研ぎ出して仕上げた。